5 21, 2004

今頃、ピストル論はおかしいだろ

今更、Winnyの話で申し訳ないが・・・・


JASRAC、過去最高の徴収額を記録――“Winnyはピストル”と京都府警を支持

JASRAC(日本音楽著作権協会)は5月19日、2003年度の事業報告を行なった。著作権料徴収額は過去最高の約1094億円。また著作権管理についての取り組みについても説明を行い、ネットワークを利用した著作権侵害行為には、改めて厳しく対応する姿勢を示した。

<<中略>>

 質疑応答では、開発者が逮捕されて話題となったWinnyについても言及された。

 常務理事の加藤衛氏は、ファイル交換ソフトがCDの売り上げに関して何らかの影響を与えているという認識を示しながら、「ソフトに罪はないが、その行為が違法であれば処罰されるべき」「Winnyはピストル。犯罪行為が立件されるならという前提がつくが、京都府警の対応は支持する」と述べ、ネットワーク上での著作権侵害行為について断固たる姿勢を取ることを改めて強調した。(ITmediaライフスタイル)

何かと問題や批判が起こるJASRACですが、彼らは「Winnyはピストル」だと言ったようですが、確かに、金子氏が逮捕されたときも、「包丁で人を斬った時は、斬った人が捕まるのであって、包丁を作った人を捕まえるのはおかしい」と言う話があれば、いやWinnyは包丁ではなく、ピストルだ、と言った論議があった。

本当は、Winny=ピストル論は、ネット上でも多くの人が否定されていたので(はっきり言えば、論破されちゃっていたと思うぞ)、今更持ち出す人もいるのか、と言うのが正直な感想なのだが。

ただ、JASRACの場合は、単純にWinnyがピストルのように見えるのではなく、日本におけるピストルのように扱いたい、規制したいと言う願望の裏返しで、そう見えるんだろうね。


なぜなら、ピストル(以下、拳銃、ライフル全般をも含む)とは日本では、単純所持そのものが違法で、まずピストルを持つには許可が必要。おまけに、使用する時も、使用する対象相手や時期、時間などかなり厳しい条件が付けられるものです。
Winny=ピストルならば、P2Pを使ったファイル交換ソフトのようなものは、ソフトを持つこと自体を認可制にして、使用にもいろんな制限や規制をしたいと思っているから、そう見えるんでしょ。


まあ、著作権を扱う側から見れば、Winnyのようなソフトは、確かにピストルに見えるんだろうし、所持そのものを管理したいと思うんだろうね、でも、一般的な感覚で言えば明らかに、単純所持さえも規制するのは行き過ぎですよね、自分達の権利を守るために、一般国民の権利さえも不当に制限されても良いわけではありませんから。


今回、著作権侵害だかの幇助ということで、Winny製作者が逮捕されたわけですが、基本的にはファイルを交換するソフトを作ったわけであり、それが悪用される事が分かっていて作ったとしても、ダイナマイトしかり、他にも一杯あるわけで、それを否定する材料には出来ないでしょう。
改めて私が言うまでもありませんが、Winnyの開発には、功罪どちらもあったにせよ、Winnyと言うソフトそのものの存在については、やはり功績の方が大きい、そう私は感じています。

これはWinnyだけに限られませんが、ある1つの新しい技術が生まれ、そして成熟していくと、その周囲にも様々な変化をもたらすものです。
例えば、日本の通信社会は、数年前には考えられなかった、広帯域の通信に、料金はユーザーに安心の定額制、そして大容量の記憶装置の存在により、大きなサイズのファイルを、短時間に格安に取り込める事が可能な世界に変化していますが、それをどのようにすれば環境を十分に生かせるか、そしてそこにはどんな世界が構築できるのか、と言った面が、昨今指摘されてきておりました。

ただ残念ながら、現状では、せっかくの広帯域通信も、ユーザーレベルではインターネットで見て回って、ニュースなどの画像や映像をダウンロードして見る、と言った程度でしか利用されておらず、お世辞にも、高度な環境を十分に活用しているとは言えないのが現実です。
それに対し、現在のブロードバンド環境を、存分に活用している代表(一般に使われている)ソフトは、私の知る限りWinnyだけなんですよね。

JASRACが忌々しく感じているであろう、デジタルコピー技術も、デジタル技術の進化なしには語れず、そのデジタル技術の恩恵をもまた、JASRAC自身は受けているはずで、技術と言うのは、使い方でどうにもなると言う当たり前の事なんですよね。

ですから、Winnyも1つの方向性は我々に見せてはくれました、この先、どのような成熟した技術になるのか、また、どのように進化、発展して行くのか分かりませんが、その意味では、ここ数年で大幅に強化された通信社会の、ある可能性を利用者に示した功績は、かなり大きいと感じております。

また、散々多くの方が同様の事を言っていますが、イメージではWinnyそのものが違法ソフトのような印象を与えておりますが、あくまでもWinnyは優秀なソフトであり、P2Pもまた、非常に優れた楽しみな技術である、と言うことは、私も言っておきたいですね。

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