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8 18, 2007

NHKスペシャル憲法9条 討論番組


8月15日の夜、NHKが憲法9条改正に関する討論番組をやっていたが、これを見ていた。

まあ、いろんな意見はありますね、確かに日本は自由な国だと実感できます。
もちろん私は、憲法9条に関しては改憲派なので、護憲派の中の意見は基本的には賛同しかねるものが多いのですが、それを踏まえても、日本はこのまま自分が思う事は、いつでも堂々と述べられる社会は維持していって欲しいものです。


あと、この手の番組(討論会)につきものの、どっちの陣営(改憲派・護憲派)がどうだった、という感想はやめておきます。
これって、自分の立ち位置(改憲派か護憲派)で、相手の動向を低く批判したがる傾向があり、例えばこの番組の感想を書くブログを眺めてみましたが、概ね改憲派は護憲派陣営のことを、護憲派は改憲派陣営のことを、それぞれ好ましく思っていない発言(例えば、相手の話を遮るのは○○派だった・・・という○○は、護憲派のブログでは改憲派が、改憲派と思われるブログでは護憲派の文字が入ると言った感じ)がかなりありました。
同じ番組見ているはずなんですけどね。(笑)

ですから、不毛な感想になりそうなので、私は控えます。

 

まあ、それはさておき、この番組でやはり一番気になったのは以下の2点。

1.本当の意見は忘れたが、大体の意味において、30代前半と20などの若い世代は、戦争になったら逃げるとの回答が7割もあった。

逃げるとは、どういう意味なのか、少し固まったのも事実です。
嫌なものからは逃げれば、問題は解決するということでしょうか、どこに逃げるんでしょうね。

う~ん、戦争になったら国(国民)を守らず逃げ出すとは、これぞ戦後教育の賜物なんでしょうかねぇ、家族や友人を助けず、自分だけどこに逃げようとしているのでしょうか、不思議でしょうがないです。


言うまでもなく平和はすばらしいことですが、その平和はどのような毎日の努力で守られているのか、少しでも考えて欲しいものですね。
確かに人間は毎日同じ恩恵を受けていると、その受けている環境が「当たり前」になり、そのありがたみを忘れてしまうものですが、せめて日本という国に住んで、友人や知人や親族に囲まれ、日本という環境で育っている、その日本をどうして守っていくか、そんな当たり前のことを少しは考えていれば、こんな国民が国を見捨てて逃げるといった回答を、臆面もなく出せないと思うのですが、この意見だけには、少し悲しくなりました。

回答した中学生らしき人が悪いのではありません、中学生になってそんな考えしか至らないような環境、教育をしている親に、大いなる責任があると私は思います。


2.集団自衛権というものを知らないと回答した人が、49%もいた。

正直、この回答には驚くというか、怖さを感じました。
確かに、この数字では、憲法改正して集団自衛権を認めるかどうか、などの討論などまだ早い気がしますが、反対に、先ほどの「攻められたら逃げる」と同様に、今の日本人は国防に対する意識が非常に低い、ここから発していますよね、根源は同じかもしれません。


この数字は、単に政府の責任というレベルではなく、国民が真剣に国防に対して常日頃から考えていないことを意味しております。
まあ、軍隊を持たなければ戦争はおきないとか、日本の国において、市レベルで無防備宣言さえすれば戦争に巻き込まれないなど、頭にお花が咲いた連中が多いのも、本当に困ったものですが、そのような環境では国防を真剣に考えられない国民が増えても仕方がないのかな。


どなたか、番組内で命より大事なものがあるのか? と言っていた気がしますが、これを聞いたのは日本人でしょうか?
命を軽く見ても良いのか、という頓珍漢な質問は困りますが、日本人って命より大事にするものがあるって、昔はみんな持っていた気がするんですけどね?


さっきの、攻められたら逃げるとか、国防など無関心とか、これって結局はどこに起因しているのでしょうか?
家庭はもちろんですが、集団で考えるべき要素もあるので、本来が学校教育で教わる・・・いや考えても良いような気がします。

もっとも、今の学校教育で教え込んだ場合、「集団自衛権とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力で阻止する権利」と素直に教えこみ、それを元に、メリット・デメリットなど一緒に教えて考えさせる教育が出来るなら、大いに結構なんですが。
しかし、この番組でも傾向はそうでしたが、この集団自衛権を認めると、アメリカと一緒になって戦争をすることが出来るから、政府は改憲で認めようとしているなど、以前にもこのブログで取り上げたように、教師そのものが生徒に考えさせる教育を行うのではなく、自分の偏った思想を子供に植え付けようとしている場所にもなっているので、あてにはなりません。

だとすると、やはり国民一人一人の自覚が必要ですね。


 

話はそれてしまいまいましたので、元に戻しますが、この番組は見ていてイライラしました。
それは、司会者なり番組が最初からテーマを絞りきれず、論争が飛びまくって論点が交錯しないまま、お互いの意見をただ垂れ流しているだけの時間が、非常に多かったからですね。

だいたい、ビジネスの世界では問題点をまず整理し、何が課題なのかミクロな点でしっかりと議題内容を絞ってから行いますが、今回の番組ではテーマが大きいにもかかわらず、各自が好き勝手に話すので論点が飛んだり、ミクロもマクロもごっちゃになって討論されてしまい、収集がつかない状態でした。

具体的に言うと、「アメリカとは距離をおくべきだ」という回答があったとしても、その理由は、日本も軍事力を整え、核も保持し主体的に単独で行動できるようにするにはアメリカの傘から抜け出るべきだ、という意見と、日本は軍事力を縮小して、国際紛争には参加しないようにすべきという意見では、「アメリカから離れる」という答えは同じでも、全く内容が180度も違う。
それを、賛成派・反対派で討論が始まるので、話がゴチャゴチャになっている、そんな感じになっているのだ。

 
まあ、この手の議論では、はなから数時間の討論番組で結論が出るとは思っていませんが、どうせなら実りある議論を聞きたかったですな。


集団自衛権の問題でもそうですが、私は賛成派なのですが、反対派で頷けたのは、先ほども書いたように集団自衛権というものを49%もの人が知らないと回答する現実で、賛成だの反対だの議論する事自体がそもそもおかしい、まだ認めるべきではない(現状のまま)という考えには、確かに理解します。

しかし、番組ではおおむね「集団自衛権を認めると、アメリカに利用されるだけ」とか「日本がアメリカの言い成りになっている現状では、アメリカと戦争するだけの憲法になる」という感じで反対されている人が多かったですね。
まあ、私から見れば、「集団自衛権を行使できる・出来ない」という問題を「集団自衛権を行使する・しない」議論と混同しているとしか見えませんでしたね。
PKOなどの国連決議に基づく活動においては、実際には日本はアメリカとだけ行動するのではなく、多くの国の軍隊と一緒に活動しております。
例えば、東ティモールに軍隊を派遣した国は何十カ国もあり、集団自衛権とはその全ての国に対しても発生するんですよねぇ。


それを踏まえた上で、まずは「集団自衛権の行使が出来る・出来ない」を議論すべきでしょう。
国際社会において、日本は世界でも5位だか有数の軍事力を保持する国ですから、ここは当然PKOなどの国連主体の軍隊にはどんどん参加し、集団自衛権を視野に入れるのは当然だと思います。


それをアメリカに利用される、アメリカと一緒になって戦争をする憲法だと反対するのは自由ですが、集団自衛権を現憲法では使えないというスタンスなんですから、アメリカの言い分以前の話なんですよね。
アメリカ云々は、あくまでも集団自衛権の運用の話で、今の状態が日本がいいなりで、悪い方向に運用されるから法を改正しない、というのは、運用が整うまで法律を変えられないと言っているのであり、それはおかしな話で、そもそも運用するために、または運用を変えるために、法律を変える必要を論じているんですから、本末転倒です。


 
まずは対米意識をはずして、日本は国際貢献を行う上において、集団自衛権を行使できるのか、出来ないのかを討論が必要なのに、この番組では悲しいかな、すっかり視点が「アメリカと戦争する」ことだけに目が行ってしまい、肝心の国際貢献に関しての視点で反対派の意見が聞けなかった。
もちろん、反対派には「武器を持たなければ良い、今の貢献で十分」だという人もいるだろうが、多くの人が、対米を抜きにすれば、「助ける」という意味での集団自衛権を認める方向性は定まってくるとは思うのだが。

だってそうでしょう、PKOでも一緒に活動していれば、日本が攻められたら日本は助けて欲しいし、一緒にPKO部隊としてアフリカとか、アジアとかの軍隊でも、同じPKO派遣軍の仲間として戦うはずですよね。
ところが、反対に彼らが攻められた場合、日本は憲法であなたたちを助けられません、と言っているのに等しく、裕福でない国の軍隊が助けを求めても、世界5位ともいえる軍事力を持つ日本が彼らを助けないのは、国際社会として信用も失うし、そんな自己中心的な考えが通じないのは明白だと思います。


もっともこの意見に対し、「個人と国家は違う、混同するな」という意見が、番組中に出ていたけど、バカじゃないかと思う。
国家といえども、国民の世論を逆らうことはできないし、個人のレベルに矮小化しようとしても、結局は国の行動で国際世論がどうなるかの問題であり、国際世論ってのは結局は個人の集まりでしょ。


自分は助けてもらうが、助けてもらった人が今度は助けを求めているのに助けないという行動が、国際的にどのような非難を受けるかという問題が、どうして個人レベルだというのでしょうね。
これって想像力の欠如でしょうかね?
反対に、自分におきかえて想像すれば簡単だと思うんですけどね。
例えば日本ではなく、イギリスやフランスあたりが国連軍で参加しておきながら、アフリカなどの軍に助けてもらって、今度は助けなかったら、まず自分はどう思うか?
そして、国レベルで付き合うとき、どのように信用を得るのでしょうかね。
これを、個人レベルと国家レベルは違うと言い切ってしまう、その想像力の欠如こそ、なんとなく限界だと言う気がしますね。


 
まあ、現実を見れば憲法9条は変えなきゃならないのは、明白だと思いますね。

その上で、アメリカに利用されない、主体性をもった日本の軍事力、外交の展開が可能かどうか、難しい問題ですが、集団自衛権を持って国際社会に出ていく以上は、軍備を整備し、先進国並みの国防費を注ぎ込んで戦力を増強し、アメリカにNOと言えるようにならなければならない、そう考えるだけです。

単に、今法律を変えるとアメリカに好いように利用されるだけ、と言うのは確かにそのとおりですが、そこで止まっていては永久にこの問題は解決しないし、いつまで経っても、日本はアメリカの属国のようなものです。
今の日本を変えるには、憲法も変える必要がある、これは当然だと思っています。

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コメント

そうですね。
この様な討論の場が公に出来る様になっているのが日本のいいところですね。
ただ、改憲主義が=戦争主義と思われているのが気になります。

投稿: | 5 19, 2014 20:19

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