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1 07, 2007

2007年度 謹賀新年!

遅れましたが、明けましておめでとうございます。
最近は記事の更新も少なく、申し訳ないと思っておりますが、今年は昨年よりは書いて行きたいと思います・・・

さて、昨年度末に自分で書いた記事の中からWE(ホワイトカラー・エグゼンプション)の導入の話から、ちょっと補足します。
(と言っても、書き込んだ量は補足というべき量ではないのだが(笑))


私がこの制度を批判するのは、現在の社会の給与・雇用体系が、サラリーマン世帯の生活不安を呼び起こしているのに付け加え、今回のWEの導入では、さらにモチベーションさえ奪ってしまうものだと断言できるからです。


 


残業代ゼロ 首相「少子化対策にも必要」


 安倍首相は5日、一定条件下で会社員の残業代をゼロにする「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入について「日本人は少し働き過ぎじゃないかという感じを持っている方も多いのではないか」と述べ、労働時間短縮につながるとの見方を示した。さらに「(労働時間短縮の結果で増えることになる)家で過ごす時間は、例えば少子化(対策)にとっても必要。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を見直していくべきだ」とも述べ、出生率増加にも役立つという考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 首相は「家で家族そろって食卓を囲む時間はもっと必要ではないかと思う」と指摘。長く働くほど残業手当がもらえる仕組みを変えれば、労働者が働く時間を弾力的に決められ、結果として家で過ごす時間も増えると解釈しているようだ。

 ただ、連合などはサービス残業を追認するもので過労死が増えるなどとして導入に猛反対している。このため、夏の参院選をにらんで与党内でも慎重論が広がっている。

 しかし、首相は通常国会への法案提出については「経営者の立場、働く側の立場、どういう層を対象にするかについて、もう少し議論を進めていく必要がある」と述べるにとどめた。


2007年01月05日22時01分 asahi.com

まあ、朝日がよくやる捏造(本人はそのつもりで言ったのではなくとも、強引に結論づける記事を書くやり方、毎日もよく使う)記事かも知れないが、仮にWEが直接原因になるとは考えていなくとも、安倍首相がそう考えているのは間違いないのであろう。

ならば、WEの導入は順序が違う事が明白だ。


「働き過ぎで残業が多い」「残業で家族揃って過ごす時間が足らない」この考え、認識には大いに賛成であり、異論は無い。
だが、これを解消する手段としては、「残業をゼロ」にする方向にすれば事は済むはずで、それを「残業代をゼロ」にする方向でWEを考えているからおかしいのだ。


働き過ぎで残業が多いケースは、厚生省が指摘するような、残業代狙いのケースもあるだろうが、多くの場合は「残業が当然の仕事量」が原因である。

集団で走った場合、その集団の速度は何で決まるかご存じだろうか。
当たり前の話なのだが、その集団で一番速度の遅いものの速度が、その集団の速度となる。
時速200キロ以上で走る車の集団の中に、時速100キロでしか走れない車が加わると、いくら200キロで走る能力の車が多くても、その集団の進行速度は時速100キロになるのだ。

業務も同じだ。
1つの仕事をグループで行う以上、割り振る仕事内容にもよるが、早く終わるヤツもいれば、遅くなるヤツもいる。
しかし、そのグループ全体の作業進捗度は、その遅くなってしまった作業の進捗と同じになり、こうなれば、自然にそのグループとしての残業は増える仕組みになっている。
つまり、残業など会社などが真剣に「なくそう」としない限り、どうしても発生するものだ。

企業が、もしくは国が国民の生活のために残業をなくそうと考えてくれるのであれば、「残業はゼロにする」と覚悟を決めてやってくれなければ、ゼロにはならない。
それを「残業代をゼロ」にすれば、残業が減るとはおめでたい考えだと言わざるを得ない。
むしろ、国の政策で、残業代を現行の5~10倍ほど、とんでもなく上げてやり、サービス残業を容認している企業には、遡ってさらに倍の残業代を支払うように決めれば、企業も真剣に残業をしないような施策をするであろうし、それこそが残業を無くし、国民が家族揃って食事が出来る環境になると思うのだが。(笑)


 
さらに、給与、雇用体系の変化も忘れて欲しくない。

最近は、景気が良くなった、いざなぎ景気を上回ったなど出ているが、国民の多くのサラリーマンはそれを実感していない。
それはなぜか?
答えは、会社がそれを良く知っているはずだ、ここ十数年で日本の給与・雇用形態がガラリと変わった。


今回のWEでも、企業側が持ち出す、「国際競争に耐えられる力の保持」をするために、人件費削減が現在でも行われている。

その結果が、基本給が非常に低く設定され、各種手当てで給料を支払う形態になっているのも、その1つだ。
この理由は至って明白で、ボーナスを低く抑えるために、基本給を下げているのだ。
以前なら、基本給が30万円で、それに手当が付いたとしても役職手当や家族手当などだけで、ほとんど給料=基本給+αだった。
ところが、最近の給与体系は、基本給は10万円で、役付手当、職務手当、残業手当、住宅手当、家族手当、特別勤務手当など、「手当」の乱発で、各手当に3万、5万とか加えて給与を30万円で支払っているのが多い。

これで、今期はボーナスがうちは2.5ヶ月も出している、などと自慢しているが如く、発表するのだからおかしい。
10万円の2.5ヶ月など25万円ほどだ。
以前の30万円なら1ヶ月分にも届かない金額なのに、さもボーナスが増えたかのように会社は言う。

予め、手当を付けなければ、収入にならないような給与体系ににしているのは、会社側であるにもかかわらず、残業手当をなくそうというのは本末転倒だと思うのは私だけだろうか。


 
さらに、正社員がどこの会社でも減っている事実も忘れてはならない。
景気が回復し、失業率も数年前よりは下がったのは事実だろうが、これは企業が解雇しにくい正社員よりも、解雇が簡単な契約社員などを増やしたからに過ぎないカラクリがある。
確かに、日本企業の正社員は、以前なら終身雇用など確立されて従業員を守って来たが、反面、中途採用などの雇用には厳しかった側面があり、契約社員という形態に変わったのも時代の流れかも知れない。

しかし、いつ契約を打ち切られるのか分からない、と言ったいわば「人質」を会社側が握っている以上、残業をしなくてはならない仕事量であっても、会社側に不満や改善要求など出せる物ではない。
特に、40歳代を越える労働者に取っては、年齢を重ねるごとに就職の難しさが増し、家族や自分が抱える責任を考えると、もはや会社側の言いなりになるのは当たり前で、サービス残業が増えるのは目に見えている。


 
さらに、会社側も人件費削減を名目に、リストラが行われ、それまで5人いた部署が3人に減らされたが、仕事量が変わらないと言った仕事場も珍しくはない。
つまり、人件費を削る代わりに、残業を残った従業員に負担させているのが現状。


 
企業側が名目とする国際社会云々に従って進めた結果が、残業そのものが増え、手当として残業代を入れなければ以前の収入にならなくしてしまった現在のサラリーマンの実態なのだ。
なのに、残業をなくす方向ではなく、残業代をなくす方向に向かっているからこそ、私は大反対である。

残業代をなくせば、残業が減ると思っているなら、安倍首相の世間知らずにも、困った物だ。
民主党がまだ成長していない今、安倍による旧自民党勢力の復活は、誠に日本国民に取っては不幸な話ですね。


前回も言いましたが、私はすでに会社とは年俸制で契約しています。
残業代もなければボーナスもない。
だからといって、残業はなくなったでしょうか? んなバカな話はありません。(笑)

むしろ、残業は当たり前で、今は帰宅は連日深夜12時です。


でも、これが400万円とかの低収入の労働者にも適用されるようになれば、完全にモチベーションは奪われるでしょうね。
私も、正直な話し、連日深夜帰宅で、それから食事をし、風呂に入って一息入れて、深夜2時に寝て、翌朝は7時に起きる生活が続いておりますが、毎月給与が同じなので、いい加減に投げ出したくなりますな。

国際競争云々の前に、自分達の会社の従業員、もしくは業務で働く人間のモチベーションを下げて、国際競争力のある会社に育つと思っているのでしょうか、もう少し世間一般の常識と、サラリーマンの生活に対する想像力を持ってもらいたいなと、強く思いますね。

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