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11 13, 2006

防衛省論議の放棄


それにしても、ついに読売新聞にもはっきり「民主党は旧社会党と変わらない」などの社説を書かれるようになってしまった。

[防衛「省」審議]「国防問題で排すべき党利党略」

社民党はともかく、民主党までもが、国の防衛に関する重要法案に審議拒否戦術をとるのは、どうしたことか。

 防衛庁の「省」昇格関連法案の実質審議が、ようやく衆院安全保障委員会で始まった。民主、社民両党は防衛施設庁発注工事を巡る官製談合事件の審議が不十分として欠席した。

 衆院本会議で、先月27日に法案の趣旨説明が行われてから、すでに2週間も経過している。

 民主党は委員会での審議入りの条件として、官製談合事件の集中審議を要求した。安全保障委員会では、3日間、12時間にわたって談合事件に関する集中審議が行われている。このこと自体が法案の審議入りの引き延ばしだ。

 省昇格と官製談合事件の追及とはまったく別の問題である。

 民主党の小沢代表は、防衛庁の省昇格に繰り返し賛意を示してきた。民主党内には「国防省設置を早期に実現する議員連盟」もあり、省昇格に賛成する議員は、少なくない。

 にもかかわらず民主党は、省昇格関連法案への賛否を決めていない。政権交代を目指す野党第一党が、今になってもなお、こうした重要法案への賛否を決められないのは、おかしなことだ。

 背景には、沖縄県知事選で、野党統一候補を擁立していることがある。今回の審議拒否にも、19日の投票日までは法案に反対の共産、社民両党と足並みをそろえたいとの思惑があるのだろう。

 これでは、55年体制下の旧社会党と何ら変わりがない。責任政党とは、ほど遠い姿である。

 防衛庁は、日本の平和と安全を守る任務のため、陸・海・空の自衛隊という実力組織を有している。安全保障政策にも責任を負っている。

 内閣府の一外局に位置づけている現状では、防衛長官は直接、防衛に関する重要案件を決める閣議を請求できないし、財務相に予算要求もできない。

 近隣諸国はじめ、諸外国で国防を担当する官庁は、すべて「省」であるのに、日本だけが「庁」ということが、そもそもおかしい。

 北朝鮮の核武装によって深刻な脅威にさらされ、日本の安全保障環境は著しく悪化している。防衛庁を「省」にすることで、責任と権限を明確にし、有事は無論、安全保障環境の変化にも迅速に対応できる体制を整えることが急務だ。

 党利党略を超えて国家的視点に立ち、真摯(しんし)に法案を審議することが大事だ。小沢氏には、法案賛成の方向で党内の意見集約に指導力を発揮してもらいたい。


(2006年11月10日1時55分 読売新聞)

私個人のブログでは、もう随分前から民主党に対し、旧社会党と同じになったと嘆く批判記事を書いてきた。
また特に、小沢が代表になって、政局を単なる政権取りゲームの道具にしかしていない時点で、もはや愛想を尽かしてしまった私に取っては、今回のこの読売の社説も頷くばかりだが、同時に「今頃遅いよ」という感も否めない。

ただ、日本の販売部数トップを誇る大新聞会社が、ついに現民主党=旧社会党と認めた事の意味は大きいと思う。

アメリカでは中間選挙は、共和党が敗れ民主党が勝った。
だが、日本の場合自民党が暴走しても、旧社会党である民主党には入れたくない人は多かろう。
むしろ、いろんな方面で、自民党も失敗しているが、それ以上に民主党が壊れてしまっているので、何だかんだと言っても、政府批判を行うのだが、結局はその対抗としての人材を野党から求めるのではなく、同じ自民党内の別の人物が一番マシ、と言った状況になっているのは、これまた何度もここで書いたが、日本人に取っての最大の不幸。


 
民主党の何が最大の問題点か、それは言うまでもなく、向いている方向が国民の為ではない、と言う点。
もちろん、自民党は国民の方に向かって政治をしているなど、口が裂けても言えないが(笑)、民主党は野党であり、国民の支持を得なければならない立場なのは言うまでもない。
しかし、旧社会党は当時自民党に対する時に、「国民の支持を得る=政府に何でも反対する、政府の失敗の揚げ足を取る、政府をともかく批判する」という形でしか考えつかなかったようだが、また民主党が同じような事をしているのではないか。

 
元々、与党というのは「政治」を行わなければならない。
となれば、国民に取っては有り難くない政策も時にはやらねばならないし、国民の批判を受ける政策も選択する事も、そしていろんな政治判断が誤る事もあろう。
それが政策を握る上での、当然行わなければならないリスクのようなもので、政府のやっている事に何でも「はんたーい」と叫んでいればそれで存在意義を持つ野党とは、立場で大きく違うのも当たり前だ。
だからこそ、政権を交代する、自ら政権を運営しようと思うなら、従来の何でも「はんたーい」だけではなく、自らリスクある意見を持つことも重要だと思っている。

しかし、今回の記事の防衛省の話でも、国家の安全保障、外交、国防に関わる重大な意味合いを持つ議論なのに、この政策論議さえ、党利党略を優先させバーターに使うなど、「与党に取って変わった時、どのように政治を行うのか、と言う自覚に著しく欠けている」という事を、自ら証明していまっている事が多すぎる。


 
前原の時代は、そうでも無かったのだが、自民党攻撃と言う観点でしかない意味のないメール問題で、大きく傾いた事を見ても分かるように、政策論議だけに集中していれば、少なくとも悪い方向に行かないと思うのだが、政権を意識しすぎて暴走してしまえば、結局はこうなる見本だと思うのだが。
特に小沢になって、自滅という意味では傾向が顕著になった。


小沢は、徳島での講演会で、『ほんとうの世直しをするためには政権交代が必要だ』だと熱演したそうだが、彼の場合は「政権交代が」目的であって、その手段は「何でも良い」となっているのが、違和感を強く感じる。
政権交代は、あくまでも選挙の結果であり、その結果を導くために、どのような政党になるべきか、と言う論点がズッポシ抜けているのだと思う。

昨年の郵政解散選挙で、民主党が惨敗した時に、小沢さんに期待したんですよね。
彼の強引な手法とカリスマで、民主党内をまずは左派、保守など振り分けて、旧社会党のガチガチの人間を一掃してもらい、民主党をまさにぶっ壊して、そこで、若い前原なりに政権を譲って、民主党を時間を掛けて再生してもらいたかった。
自民党は、何だかんだで小泉が一度はぶっ壊し、亀井や橋本派などの古い政治家を追い出し、野中や中曽根などの老害を引退に追い込んだり、与党が変わって、追いかけなきゃ行けない民主党が党内改革が出来ずに、遅れては、ますます政権交代など夢のまた夢だと思っていただけにね・・・
追いかける方がね、昔に戻っちゃそりゃ追いつかないでしょ。


個人的には、世直しをするためには、政権交代はいきなり無理なので、まずは党首交代が必要、そう思っていますけど。(笑)


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11 05, 2006

履修不足と、出口が見えない民主党


【履修不足問題】

前回は、高校の履修不足について安易な救援策は反対だ、と書いたのだが、結局は政府は・・・自民党と公明党は、国民の人気取りのために安易な救済処置を決めたようだ。

確かに、高校生には罪はないし、この時期に履修不足が発覚して大変なのは分かる。
だが、「履修不足である事実」は変わらないのである。
「生徒に罪はない」と叫べば、「学習していない」と言う事実が消えるわけでもない、ここが大事だろう。
卒業とは、一種の資格だと思うのだが、どんな事情があろうとも、履修していないものに「履修した事にして資格をあげる」とする事は、多岐に渡って不平等に繋がる。
極論を言えば、受験生には罪はないので、試験を受けていないが国家試験を合格させる、とかなるともうムチャクチャになるのは、誰でも容易に想像出来るが、実際に今回政府がやろうとしているのは、スケールは小さいが、同じことをやろうとしているんだと気づいて欲しいですな。


授業数を減らしたり、レポート提出でごまかすのなら、大検(平成17年からは高等学校卒業程度認定試験と言うそうだが)の世界史(履行不足科目)を受験させ、合格したものには、すでにその科目の知識を習得している、と言う理屈になるので、授業数+レポート免除をすると言うシステムなら、問題ないだろう。 
授業を受けなくとも、高等学校卒業程度認定試験を受験させるとか、卒業まで間に合わないケースは、仮の卒業資格を与え、半年以内に履修する事を条件としてあげる、特別ルールでも立派な救済だろう。
授業数の免除などは、安易な救済以外の何物でもあるまい。


ちなみに、救済策を検討しているときに、伊吹氏は「(学習指導要領に沿った授業を受けた生徒と)無条件で同じにするのはおかしい」とした上で、「受験に大きな重荷にならないようバランスを考え、過剰な負担や不安を与えないようにしたい」と語ったそうだが、真面目に履修した9割の高校生から見れば、自分達が授業を受けている間、受験勉強をしていたんだと思うと、当然、不満や不安は残るはずで、この救済策でどこがその不安を配慮した事になるのか?
また、無条件で同じにするのはおかしい、と述べていたが、無条件で授業数を減らして同じにしているんだが、この舌の根が乾かぬうちに言ったことを翻すのは、政治家としては当たり前なのかも知れないが、人間として信用出来ないですな。
さらに、今回の救済策は「履修不足の生徒」を対象にしたものは良く聞かれるんですが、「履修を真面目にした生徒」に対する救済はなんら聞こえてこないのは、どうしてなんでしょうね。

個人的には、今回の件で、自民党と公明党のポイントはかなり下がりました。
まあ、民主党がその失策を鋭く批判する、つなり救済策を批判せず(何故か、9割の学校は真面目に履修しているのに、彼らを守ろうとする意見が野党にも無いのが不思議)、相変わらず政府批判だけを繰り返すので、全然ポイントが延びないので、悲しいかな2大政党は遠のくばかりですけど・・・


 
【民主党の凋落は続く・・・】

民主党が、自民党の失点でも自分のポイントにならない、と言った話で思い出したけど・・・
確かに、民主党の支援団体に、日教組や労働組合があるので、旧社会党が持つ側面から抜けきれないのは理解していますが、それにしても意味のない政府批判、精髄反射的な与党批判を繰り返してきた、旧社会党がどうなったのか知らぬ分けでもあるまい・・・
それ以前に、口では政権交代だの、打倒自民とか言っているけど、本気で2大政党を目指しているように見えないのが、最大の問題点だな。



http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20061104AT3S0400P04112006.html
外相らの更迭要求、核論議容認発言めぐり共産や社民

 共産党の志位和夫委員長は4日、都内で講演し、核保有論議を容認する麻生太郎外相や自民党の中川昭一政調会長の発言について「内外から厳しい批判があっても発言を繰り返している。どうにも止まらないのなら辞めてもらうしかない」と述べ、外相らの更迭を求めていく考えを示した。

 社民党の福島瑞穂党首も札幌市内で記者会見し「外相が辞めるか安倍晋三首相が罷免させない場合には、不信任案を出す段階だ」と強調した。外相罷免は民主党の鳩山由紀夫幹事長も要求している。

日経ネット(19:16)

共産党や社民党が、言論の自由を奪うような事を言うのも、まあ、ハナから相手にされていないの別にかまわないのですが、気になるのは民主党の鳩山が同じ事を言っていること。

日本が核兵器を持つことは許されない、と言った話が出てくるのは当然としても、どうして持つことが許されないのか。
日本は、核兵器を持てるが「持たない」というメッセージを世界に示すべきだ、と言う意見もあるし、一口に核兵器武装論にしてもいろんな意見があるのは当然なのに、鳩山は「大臣が口にするのは許されない」と語る。

しかも、彼は「>世界中から核をなくす運動のトップリーダーとして動かなければ いけない日本の外相が、こういう発言をしたことに心から怒りを持っている」と語っている。
つまり、理論として大臣が核武装議論を持ち出すことの是非を述べているのではなく、単に怒りを持つ=感情論で不信任をしようとしている事が空恐ろしい。


 
どの新聞報道を見ても、最低限の事、つまり麻生や中川氏の言っていることは「核武装論議」であって、「核武装」の話ではない。
核武装論議を行うことを、許さない、つまり議論すら封じ込めようとしている。
どうして、核武装論議が行けないのか、まともに討論出来ないので、感情論で反対するところなど、鳩山は何を考えているんだろうか、ここまで来ると、社民党や共産党と区別がつかない。(笑)

どうして議論そのものがいけないのだろうか、核武装による弊害も、危険性も、世界に対する影響も、全てきちんと議論した上で、核武装など愚策以外の何物でもない、と言う結論に至らせるのが、本来の民主政治ではないのか?
議論もせずに、単に感情や脊髄反射で許せないなど、そちらの方が、政治に対する冒涜だと思うぞ。


それに、そもそも鳩山は、西村真悟が核武装論を展開して話題になった時、鳩山は「核武装してもいいかどうかを国会で検討したらどうかと言った瞬間に クビを切られるとなると、 国会で核をもつべきかどうかなんて議論がなされなくなる。 議題に乗せることすらしてはいけないという発想もいかがなものか」と述べている。

見事なまでの二枚舌であり、今回の件も自身の信条でもなく、単に自民党の大臣が言ったから、感情的に許せなく不信任を出すと言ったまさに軽薄な政治理念しか持たない事を露呈してしまった。


自民党が失策をしても、民主党がそれを上回る勢いで失点を重ねてしまっている。
アメリカでも、共和党と民主党がバランス良く存在しているのに、日本では・・・・国民にとって、これ以上の不幸は無いな。

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