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4 09, 2006

FT紙の記事など・・

ゲストライターの雷電です。『何処の国にもある、おバカな新聞社』についてコメント
しようかと思いましたが、また例によって長くなりそうなので(笑)今回は独立した記事
にしたいと思います。

>毎日の記事だけに、どこまで信憑性があるのか、そこから疑わしいのだが、
>イギリスのフィナンシャル・タイムズがこんな記事を載せたらしい。

 原文にて確認しました。確かにありますね。タイトルは“Icy Sino-Japanese ties”
となっていました。私の拙い英語力で訳せば“冷え切った日中の絆(関係)”とでもなる
のでしょうか?。あと、私の読んだ限り、毎日の記事に悪意ある意訳や誤訳などの問題
は特にないと思われます。

 ただ、原文を読む限りは関係冷却化の原因は靖国参拝それ自体ではなく、その対応の
仕方がマズいことが問題であるというように読めるんですよね(原文は以下のとおり)。

The main problem is that both China and Japan have painted themselves
into a corner - the same corner - on the vexed issue of the Yasukuni
shrine in Tokyo.

勿論、全体を通して読めば結局小泉首相の靖国神社参拝が原因と受け取れるんですけど
少なくてもそういったことを直接示した文言が原文に見当たらないことも確かです。

 その他は、毎日の記事(日本語)そのままですね。原文を読んでいて思うのは、日本語
記事にもあるように、小泉首相の交代(原文では“handover”)が関係改善の前提であり
それもこの時が唯一の(原文では“once and for all”)機会だと明言していることです。
要は「小泉首相には期待しない」という中国政府の考えをそのまんま前提にしていると
いうことですね(笑)。面白いのが、その後継者となる人物に関する記述で・・

Worse, several Liberal Democratic party politicians jostling to succeed
Mr Koizumi when he steps down as prime minister in September, including
Mr Aso, are engaged in an unhealthy competition to appear more nationalist
than their rivals.

 ・・等とのたまってることです。ぶっちゃけ雷電的未熟和訳(笑)によれば、後継者に
なろうと候補者の皆が民族主義者であると思われるよう不健全な競争に従事している、
となります。不健全(“unhealthy”)なんて、どう見ても悪い意味でしか使いようのな
い言葉ですよね。こういう分析をしておいて、どうやって「小泉首相の交代を機に関係
改善」に「取り組む」ことが可能なのか?是非ともその見通しも書いて欲しかったもの
です(笑)->FT紙。

 それと、若干ですが日本語記事の補足をします。

「次の日本の首相に対して、戦没者追悼では靖国神社とは別の施設に参拝するよう要請」
原文では以下のとおりです。

It is not too much to ask of future Japanese prime ministers that they pay
homage to their war dead at an alternative shrine untainted by the atrocities
of the country's past.

 雷電的未熟和訳では「日本の過去の残虐行為によって汚されていない靖国の代替施設
で戦争で犠牲になった人達に敬意を払うこと(=参拝)について、未来の日本の首相達に
問うのは決して酷なものではない。」となります。“(be) too much”の前に“not”が
ついているんで、こういう意味かなと思ったんですが・・(自信なし(笑))。“ask”と
いう言葉を使っているあたり、直接的ではなくそれなりに遠まわしな言い方をしている
ことで多少は(FT紙がその主張を)遠慮している感じを個人的には受けますね。

 それと、これは意図的に省略されたのかどうか不明なのですが、原文ではそのあとに
以下のようなくだりがあります。

Even Tsuneo Watanabe, influential editor-in-chief of the traditionally
conservative Yomiuri newspaper, has now joined forces with Japanese moderates
in openly opposing prime ministerial visits to Yasukuni.

 なんと、またもナベツネの名前が・・(笑)。(訳すまでもないので)訳しませんけど、
こういった安直な引き合いは既に韓国の新聞の社説で実際に見られたものです。仮にも
経済紙とは言えクオリティ・ペーパーの端くれであるFT紙が、韓国人自らも認める程
に程度の低い韓国マスコミの真似事をするとは・・。全く恐れ入ることですな。記事を
書いた記者が全然自分の頭で考えておらず、過去の記事をネットで適当に集め編集した
ということがまったくもってバレバレです。授業内容が概して厳しいイギリスの大学で
もし日中関係でこんなレポートを書いたら、落第間違いなしだと思うんですが・・。

「中国側に対しては、首脳会談の再開に首相の靖国参拝中止などの条件を付けることを
やめるよう求めた。」原文では以下のとおりです。

China's communist rulers, meanwhile, must stop announcing rigid conditions
for the resumption of dialogue.

 雷電的未熟和訳では「他方で、中国共産党の支配者達は対話の再開のために硬直的な
条件(=靖国参拝の取り止め)を公に発表する事は止めなくてはならない。」となります。
こちらは“must stop”なので、有無を言わさないということなのでしょう、文面だけ
を見ればそう解釈出来ます。

 また、以下にこんなくだりもあります。

As Japanese officials have pointed out, it is more practical to discuss your
differences in a meeting than to insist that they be resolved before you meet.

 要は、会談の前にあれこれ言うより会談の場で討論するのが現実的だと言っていると
読めます。こんなこと書くんだったら、上記の日本への要請(要求)は不要じゃないの?
という気がしてならないのですが・・。

 こうして見ると、中国に対してより強く主張しているように見えるので、この記事を
書いた記者からすれば「中国寄りの記事では決してない」ということになるのでしょう
ねぇ。

 しかし、akinopapaさんもおっしゃるように

>事情も歴史もよく分からないヤツが、自分達のイメージで記事を書くと、
>こんなマヌケな記事になると言う、お手本のような記事ですな。

 ・・な訳ですよね。だいたい、上記でFT紙はそれぞれ両国に注文を付けていますけ
ど、そもそもが日本側への要求が実施された時点で中国側への要求は意味を成さない。
つまり、靖国参拝を止めれば中国側の主張が通るのですから、その中国に「対話に条件
を付けるのは止めなさい。」と言ったところで「はいはい、靖国参拝を止めたのでもう
条件は付けませんよ。さあ会談しましょう。」となるだけ(笑)。いままでかいつまんだ
部分を見るだけでも想像がつくと思いますが、この記事はその国や地域の事情や歴史を
知っているとか知らないとかの問題以前に、単純に論理的整合性が取れていない(笑)。

 FT紙に限らず、経済紙というのは所詮やはり経済という観点でしか物事を観てない
というのが私見ですね。同じ経済紙という点では日経もやはり日中関係では同じような
スタンスだし、経団連会長の豊田氏も同様でしょ?(笑)。問題が起きたら、引くとこは
さっさと引いて仲良うしましょ!という考えなんでしょう。彼らにとっては、商売さえ
上手くやっていければ政治的或いは歴史的な確執なんてどうでも良いのでしょう。それ
はそれで別に結構なんです。でも、政治は経済と密接な関係を持ちつつも経済とは別個
に存在しているし、解決のアプローチは当然異なるのです。経済人や経済マスコミは、
少なくても経済の論理だけで政治・歴史・外交問題に口出しするな!ということ。

 経済問題に下手に政治や歴史やプライドを持ち込むと、日米貿易摩擦以降未だに日本
でクルマがロクに売れないビッグスリーのような無残な結果が待ち構えているように、
政治問題に経済を持ち込みカネ勘定で解決するようなことをすれば後々必ず禍根が残り
ます。経済で歴史や政治の問題が解決するぐらいなら、桁外れのODAや円借款でもう
この手の問題は終わっているはずでしょう?。中国人がそれで日本への恨みを少しでも
心の中から消してくれているでしょうか?。中国が資本主義経済に実質上組み込まれる
ことで、我々と同じ解釈やルールで問題を解決出来るものと勘違いしているような気が
してなりません->経済人&マスコミ(主に経済紙)。残念ながら中国経済の実態が如何
なるものであろうが、政治においては中国は日米欧の民主主義国とは全く違う原理原則
で動いている。幾ら世界経済に精通していようが、このことを抜きに日中問題を語るの
は全くナンセンスです。

 FT紙は、恐らく今後世界経済の中心となるであろう中国に対して日本は例え不利な
条件を押し付けられても機嫌を損ねるようなことはすべきではない!と考えているので
しょう。結局のところ、日中経済そのものではなく世界の経済に悪影響を与えるという
意味での問題解決を求めているに過ぎないのです。そういう観点で言えば、小泉首相の
靖国参拝なぞ彼らにとっては愚の骨頂に他ならないという結論に容易に達します。

 それを裏付けるかのように、この記事の最後は原文で以下のようになってます。

Much will depend on who replaces Mr Koizumi, but Japan and China should use
the occasion of the handover to unfreeze their political relationship.
Then it may one day match the warmth of their economic ties.

 最後に本音がちゃんと記述されていますよね?。散々、日中両政府に政治的な要求を
しておきながら、“one day”には“the warmth of their economic ties”が築くこと
が出来るかもってさ(笑)。“their ties”ではなく、あくまで“their economic ties”
なのです。これこそ、意地悪な解釈をすれば、経済の面でさえ良好な関係であればあと
は反日デモでも(日本の)安保理常任理事国入りでも尖閣諸島問題でも(中国原潜による)
領海侵犯問題でも、どうぞ好きなだけ勝手にやって下さいな!ということになります。

>アジア諸国と関係を結び、国連分担金も支払わないくせに、タイなどに援助
>を約束したり、彼らの野心が丸見えですからね。

 ・・・シアヌーク国王(当時は殿下)を庇護しつつ、ポルポト派を支援し続けていたの
も、他ならぬ中国でしたね。その中国がカンボジアにネット環境などのインフラで援助
をするようです。そんな余裕があるのなら、国連分担金をもっと払うなり、国内にまだ
数億いる貧困層のために有効活用するなり、他にやるべきことは幾らでもあるでしょう
にね(苦笑)。

>特に、反日という面においては、悲しいけど、ニューヨークタイムスには
>オオニシといった、筋金入りの反日記者がおり、フランスルモンドも、朝日
>と関係が深く、反日新聞社の朝日の記事がそのまま鵜呑み状態で流れる事も
>珍しくない。

 ・・・この辺は正直、よく分かりませんね。ニューヨークタイムスの場合、というか
外国のマスコミは基本的に日本に特派員を置いていない(=要するに軽視している)ので
日本人の記事を頼るしかない・・、というのが実態だと思いますね。“悪意”ではなく
“軽視”が問題、というのが私見です。ニューヨークタイムスは結構インパクトのある
記事を多く書いている印象があるので、平凡な記事よりも刺激のある記事をつい選んで
しまうような一種の“悪癖”は、もしかしたらあるかもしれません。その点、昨年9月
の靖国問題関連の記事でいつもどおりバカな記事を書いた高山氏がその後私の知る限り
紙面に名前が出てきていないニューズウィークは、なんだかんだ言っても外国マスコミ
の中ではかなり健闘していると思いますね。日本在住でかつ日本人以外の記者あるいは
コラムニストがいますし・・。

 最後に1つ。

 FT紙に言いたいこと。もし、ハマスが「EUは援助を再開しろ!そうすれば、テロ
政策をやめるための話し合いに応じても良い。」と言ったら、「ブレア首相の交代を機
に、ハマスへの援助を再開するよう次期首相に問うのも酷ではない。」等と抜かす度胸
がおありですか?(爆)。

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コメント

どもども、雷電さん。

さすがですね、元記事を探して訳しましたか。
まあ、仮に毎日が意図的に誘導記事を書いたとしても、別に驚かないし、海外の新聞社がいい加減な記事を書くのも珍しくないし、どちらでもいいや、と言う感じでした。(笑)

>>FT紙に限らず、経済紙というのは所詮やはり経済という観点でしか物事を観てない
というのが私見ですね。

同感です。
でも、それならそれで良いのです、きちんと世界経済に良い影響を及ぼさない懸念を書くだけなら。
不得手な、政治的判断を持ち出して、解決しようとするから、その記事に信憑性がなくなり、大項目の「世界経済」という大前提も崩れて、全く価値のない記事にしちゃっているんだと思います。

雷電さんも仰っていますが、今の中国の政治は、独裁国家で秘密主義であり、弾圧国家です。
経済においては、経済格差や賄賂社会と言った淀んだ社会と、共産主義と資本社会の間に挟まれ矛盾に満ちた関係を、何とか守っている状態で、決して正常な経済活動とは言えない、私は素人ながらそう思っております。

もし、世界経済を気にするなら、まずは中国の政治体制を修正するような記事にするべきではなかったのか、そう感じます。

投稿: akinopapa | 4 10, 2006 23:49

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