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9月 05, 2005

えっ!! 自衛隊の存在は違憲なので、教育では否定は当然?

某高校関係者さんから、自衛隊派遣の肯定=戦争肯定?(笑)について、非常に長いコメントを頂きました。
先の2つのコメントと違い、真剣に書かれており、また内容も非常に面白いので、ここに来てくださる方に読んでもらい、みなさん個人で、このコメントを判断してもらおうと思い、独立した記事にして載せました。

非常に長いので、全文はこの記事のコメント(上記リンク先)を参照して頂くとして、意見を書かれた2段目以降の文章を上げさせてもらいます。



 しかし、この教師は、採用時に教育委員会に、憲法や教育基本法を遵守して「民主的・平和的な国家社会の有意な形成者」を育成するという内容の誓約書を提出しているはずです。したがって、「戦争はいけない」を前提として授業をし、テストを作り、採点をしていたと思います。だから彼の「正義感」は、当然「戦争はいけない」ということだったと思ったのです。もっとも、これは彼の「思い込み」でも「主観」でもなく、憲法や教育基本法の基本理念なのです。そして教師は、これに基づいて授業をする義務があるのです。

 
もちろん、あなたも述べておられるように「戦争は良いことだ」と思っている生徒は一人もいなかったでしょう。またアメリカのイラク侵略が良いことだと思っている生徒も一人もいなかったでしょう。したがって、この教師が戦争やイラク侵略は良くないと教えても「教師自身の考えを独断で、生徒に教育し押し付けようとした」ことにはなりません。ただ自衛隊のイラク派遣については、おっしゃるとおり賛否両論があります。そして、あなたは「主観の問題」だといわれます。しかし、自衛隊が「戦力」であることは客観的事実です。つまり自衛隊の存在も派遣も客観的には憲法違反なのです。教師である以上、憲法違反を満点にはできないのは当然です。これは「個人の思い込みで勝手に指導する」というものではないのです。

 
また、この教師は自衛隊の派遣について出題しているのではないのです。「イラク戦争についてどう思うか」と出題しているのです。昨今、イラク戦争については多くの大学入試でも出題されています。また多くの教師が授業でとりあげています。なぜこの教師だけが問題になり全国紙で報道されたのでしょう。( あなたはこの事実に興味がありませんか?)おそらく多くの人は、この教師は日教組か共産党のバリバリの活動家であるとイメージされていると思います。ところが実際は定年間近で病弱なノンポリの爺さんでした。なぜ公明党はこんな教師をターゲットにしたのでしょう。なぜ日教組か共産党のバリバリの活動家をターゲットにしなかったのでしょう。ここに公明党のお家の事情があったようです。

 
それは、これを取り上げた公明党がイラクへの自衛隊派遣に自ら手を染めていたからです。そして、かくもヒステリックに取り上げられたのは、かつて平和と福祉を標榜していた彼らが後ろめたさを感じていたからだと思います。事実、創価学会の内部からの突き上げもあったようです。それが教育への介入を引き起こしたのでしょう。しかし相手が日教組や共産党ではバックが大きすぎます。それこそ血みどろの全面戦争になりかねません。そこでバックのないノンポリ爺さんを血祭りにあげて見せしめにする必要があったのでしょう。それにしても、創価学会青年部の生徒達がこの教師をつるし上げている様は、ヒトラー・ユーゲントか紅衛兵を思わせるおぞましいものだったそうです。

 
ところで、あなたは平和主義とファシズムを並列に考えて、「『個人の思い込みで勝手に指導する』という意味において同じ」であると述べておられます。常識で考えれば「バカかお前は」ということになりますが、それを承知であえてこのように発言された勇気に敬意を表したいと思います。そこで私もあなたの言葉尻をとらえるのではなく、あなたの言葉の根底にあるお気持ちに共感する努力をしたいと思います。

 
もしかしたら、あなたは、歴史上のさまざまな事件がしばしば「思い込み」すなわち正義感から行われたこと、そしてそれは善意であるがゆえにブレーキがかかりにくく多くの悲劇を引き起こしたことを指摘しておられるのではないでしょうか。古くは中世の魔女狩り、近くは太平洋戦争です。これはアジアの解放という正義感で始められ、何千万人という人びととが殺されました。正義感や善意とは恐ろしいものです。これのために歴史上多くの人が殺されています。

 
今回のアメリカのイラク侵攻も、テロを無くして平和を実現するという善意によって引き起こされました。そのために罪のない人たちが大勢殺されているのです。そして日本も「復興援助」のためという善意で自衛隊を送っています。そのために香田さんも橋田さんも殺され、基地にロケット弾が打ち込まれ、サマワでは反日デモが起こっています。

 
それを思うと、今こそ私たちは主観的な「正義」や「善意」を総点検し、事実を「ありのまま」に見つめ直す努力をしなければなりません。私なりにその努力をした時、私はやっぱり、イラク戦争は間違っていると直感します。自衛隊のイラク派遣についても、「アメリカの戦略の一翼を担っているから侵略である」などという論理はさておき、「復興支援」という言葉そのものに欺瞞を感じます。また国家財政の窮迫にもかかわらず防衛費だけが増えていくことにも危険を感じます。あなたの論理によると防衛費の増大と軍国主義の復活は「違う次元の話」ということになるかもしれませんが、やはり不安を感じます。

 
哲学などで、よく「知的直観」という言葉が使われます。複雑怪奇で流動的な現実の世界は、とても固定した言葉を組み立てた論理では解明し尽くせません。たとえば民主主義の根底にある「人の命は尊いものである」という事実は論理的に証明できるものではありません。しかし、あなたも私も容易に直観できます。お互いに、立場の違いや行きがかりにこだわらないで直観を働かせば、イラク戦争がどういうものであるか、自衛隊の派遣がどういうものか分かるはずです。そして、あなたのお感じになっていることも、私が感じていることも、本音のところではおそらく一致していると思います。いかがでしょうか。

 
以上、長くなってしまいましたが悪しからず。また、私の考えをあなたに押し付けることになったらお許しください。また軍事力の是非については別の機会にお話したいと思います。


名前: 某高校関係者 | 2005年9月 4日 午後 09時50分

断って置きますが、もちろん私は教師ではありません。
憲法や教育基本法を遵守した誓約書を、教育委員会に提出する事の知識程度は、ニュースなどで聞いて知っておりますが、実際において、教師が現場でどの程度、個人の教育理念と、文部省の教育方針のギャップを埋めて、努力して教育現場に立っておられるか、その辺は、想像するしか出来ないレベルです。

それを踏まえて上で、マスコミの報道を鵜呑みにして、ただ一方通行での情報で、特定の教師を批判する無礼は、ある程度ご容赦頂くしかありません、まさか事実関係を全て知らなければ、批評など出来ないわけでもありませんしね。


そこで、今回の記事を整理したいと思うのですが、大雑把にまとめれば、記事の内容は以下の感じになると考えて良いと思います。

(1)日本史の中間試験で、「イラク戦争についてどう思うか」と問う記述問題を出題した
(2)イラクへの自衛隊派遣に肯定的な解答は0点とし、否定的な解答は5点として、生徒の生活態度などを評価する平常点に配点していた
(3)愛知県教育委員会は「不適切な設問だ」と指導した
(4)「模範解答」として「他国に軍隊を送るのはいけない」「自衛隊派遣に反対」などと記載した
(5)「自衛隊が違憲なら憲法を変えればいい」「自衛隊はイラク人のために良いことをしている」などの解答例は「低俗」と指摘していた。

こんな感じですよね。



だから彼の「正義感」は、当然「戦争はいけない」ということだったと思ったのです。もっとも、これは彼の「思い込み」でも「主観」でもなく、憲法や教育基本法の基本理念なのです。そして教師は、これに基づいて授業をする義務があるのです。

私は、先ほども言ったように、教師では無いので教育委員会の指導内容など知りませんが、「戦争はいけない」と教える事は否定はしないつもりだったが、戦争はいけないと教えることは、即ち世界で発生する戦争全てを、単純に「いけないこと」だと拒絶反応を示せば良い、教育とは単に戦争=ダメと言う結果だけ教える事を指すのであれば、それは教育ではなく、単なる洗脳になるのではないか、そう感じざるを得ませんね。

戦争は何故ダメなのか、これを教育現場では総合的に教えるものだと、私は勝手に思っていました。

そもそも、戦争は何故起きるのか? 戦争が起きるとどうなるのか? 戦争は国際社会に何を意味するのか? この戦争の歴史的な意味や存在はどうなのか? いろんな方面から考える事はあるでしょう。
これら全ての、客観的な資料に基づいて、事実関係から考察し、生徒自身に答えを考えさせて、その結果「戦争はいけない事なんだ」と理解させるのが教育だと思っていました。

例えば、基本的には、自爆テロはいけない事だが、自爆テロを起こす側にもその理由があるはず。
それを一切理解せずして「テロ(戦争)はいけない」、だから自爆テロ(イラク戦争)に対するキミの考察は0点だ、とするのが教育だ、と言い切ってしまうのであれば、それは驚くしかない。


生徒に「どう思うか」という考察させる問題を出させるのは、教育上重要な意義があると理解する。
しかし、試験問題において「イラク戦争」について問う事も疑問だが、その考察内容を無視して、一方的に生徒の成績表に差を付ける事が、教育現場の義務だと仰るのであれば、我々一般人の感覚からすれば、そんな教育は間違っている、と指摘するしかないですね。

 


この教師が戦争やイラク侵略は良くないと教えても「教師自身の考えを独断で、生徒に教育し押し付けようとした」ことにはなりません。

ですから、この教師は教えていないでしょ?
試験問題で、個人の意見を考察させる問題を出しながら、採点には偏りがあったわけですから。
しかもそれは、県教育委員会も認めて指導している事から、事実でしょう。

「イラク戦争」は、貴方自身も賛否両論あると書いてあるじゃないですか、どうして片方の意見を出したものには0点で、片方の意見には点を付ける行為が、「押しつけでない」と言い切れるのでしょうか、自分でおかしいと思いませんか?


 


しかし、自衛隊が「戦力」であることは客観的事実です。つまり自衛隊の存在も派遣も客観的には憲法違反なのです。教師である以上、憲法違反を満点にはできないのは当然です。これは「個人の思い込みで勝手に指導する」というものではないのです。

だから、これこそ主観でしょ?
自衛隊の存在は憲法違反だと言うが、最高裁で判決でも出たのでしょうか?
政府の立場で、違憲だと認めたのでしょうか? 私は政府が自衛隊の存在を違憲だと認めた事を聞いたことがないのですが?

誤解無きようにお願いしますが、私も、自衛隊の存在は立派な「軍隊」だと思っていますよ、でも、自衛のための戦力はこれを認める学者も多く、簡単に「憲法違反と言う考えは客観的な事実だ」と言えないはずです。
もしそれを本気で言っているなら、あなたは何処の国の高校関係者なんでしょうか?

本当に、文部省、教育委員会は、自衛隊の存在は憲法違反なので、自衛隊を肯定すれば減点も当然だという教育方針なのでしょうか?
私は、文部省など嫌いですが、さすがにそこまで文部省が腐っているとは思えませんね、教師個人の勝手な都合の良い思い込みに過ぎないでしょうか、もし本当にそのような指導があるなら、資料を教えて頂きたいものです。


 
まあ、その「自衛隊は憲法違反だから満点に出来ないのは、個人の勝手ではなく教育理念なんだ」と正当化するその姿勢こそ、現代の教育現場に蔓延する思想に、ゾッとする思いです。


 


イラク戦争については多くの大学入試でも出題されています。また多くの教師が授業でとりあげています。なぜこの教師だけが問題になり全国紙で報道されたのでしょう。

某高校関係者さんは、この問題の教師に詳しいようなので、弁解したい事も多いのでしょうが、一般市民にとって報道で知らされた内容からすれば、イラク戦争を取り上げた事が問題になったとは到底見えません。

入試問題で、ある大学は内容にかかわらず、「自衛隊に対して肯定する意見を書けば0点だ」という事実があれば、それそこの教師レベルの問題でなく、大騒ぎになっているでしょうな。
ではどうして大騒ぎにならないのでしょうか?
もし、あなたが大学関係者とも交流があり、入試問題でも自衛隊を肯定すれば0点なんだ、と言う事実を知っていれば、どうぞリークしてあげてください、少なくとも、この高校教師の問題は無くなるでしょうから。


 


この教師は日教組か共産党のバリバリの活動家であるとイメージされていると思います。
公明党はこんな教師をターゲットにしたのでしょう

すまんが、この教師が変質的な日教組だろうが、バリバリの共産主義者だろうが興味は無いです。
この記事が全てであり、先ほども言ったが、教育現場では同様の行為が当然の如く行われているのでれば、どうぞ告発して下され。
この問題など、一気に吹き飛ぶでしょう。


 


あなたは平和主義とファシズムを並列に考えて、

前回も書いたが、平和主義者とファシズムを並列に考えるのを笑っているようだが、その姿勢が自身を危うい考えに導いている、そうは考えたことは無いのかい?
あなたは、平和主義と書いてあるが、自衛隊そのものを肯定しないのであれば、絶対平和主義に近いと思うが、私にしてみれば、全体主義のファシズムも、無抵抗主義の絶対平和も、どっちもどっちで、本気で主張されたら迷惑な存在なんだけどね。
あなたに勇気を褒められても、ちっとも嬉しくないな。(笑)


 


もしかしたら、あなたは、歴史上のさまざまな事件がしばしば「思い込み」すなわち正義感から行われたこと、そしてそれは善意であるがゆえにブレーキがかかりにくく多くの悲劇を引き起こしたことを指摘しておられるのではないでしょうか。

もちろん、それもあるよ。
改めて言うまでもないけど、戦争そのものに正義など無いと言うのは正しいと思うが、戦争に参加する人間の正義は、それぞれに存在するものと理解しているからね。


 


  今回のアメリカのイラク侵攻も、テロを無くして平和を実現するという善意によって引き起こされました。そのために罪のない人たちが大勢殺されているのです。そして日本も「復興援助」のためという善意で自衛隊を送っています。そのために香田さんも橋田さんも殺され、基地にロケット弾が打ち込まれ、サマワでは反日デモが起こっています。

だから、戦争そのものに正義などあるわけないのは理解しています。
でも、イラクがクエートに侵略したのも、アルカイダが9.11テロを引き起こしたのも、いやいや、世界で繰り広げられている戦争、紛争全て、正義などありはしないが、参加する国、個人レベルでは、相手に理不尽ながらもそこに正義が存在する、私はそう考えています。
だから、どっちが正しいとか、間違っているとか、私はそんな無責任な批判などしたくない、ってのが正直な気持ちですね。


イラク侵攻は、結果的にフセインの圧政からイラク国民を開放しました。
これはあくまでも1面から見た、客観的な事実ですな、そこには正しいとか間違っているとか存在しないと考えます。
日本は、自衛隊派遣も、そりゃある側面から見れば「アメリカ追従」「侵略加担」と見ることは出来ますが、また違った側面で見れば「イラク(サマワ)市民への支援」であり、日本は武力は使えないけど、自衛隊が滞在するおかげで、他国の軍が治安も担当する面もあるわけで、1つだけを否定することなど出来ないはずです。

あなたが、自衛隊にどのような感情を持っていようが、自衛隊に対し、反感を持つ人々、好意を持つ人々、期待をする人々、いろんな人が存在し、それを総合的に判断した結果、いろんな賛否両論の意見が飛び交うわけで、あらゆる角度から歴史や物事は見るべき、そう言う考えです。


 


あなたの論理によると防衛費の増大と軍国主義の復活は「違う次元の話」ということになるかもしれませんが、やはり不安を感じます。

「あなたの論理」でなくとも、一般的に別次元の話でしょう。(笑)
防衛費の増大=軍国主義となるなら、中国など当然軍国主義になるのででしょうからね。

そもそも、何に不安なのでしょうか?
私は、現在の自衛隊の防衛費、運用、法律、全てに不安を感じていますが、違う意味の不安なのでしょうね。(笑)

まあ、自衛とは相対的な面を含んでいるのは言うまでもありませんが、日本の国防費は先進国の中でもGDPに対する割合は最低ですし、一人当たりの国防費も低ければ、防衛費の延びだって微々たる物ですが、ご存じのように最近は削減されてきております。
さらに、日本を取り巻く状況は厳しく、中国の防衛費の増加は脅威であり、中国、北朝鮮は徴兵制であり、中国は共産党独裁国家であり、北朝鮮は独裁国家で、日本と違って民主主義的な理屈など通じない国が傍にあって、軍備を益々増大させていますからね。
しかも恐ろしいのは、両国の仮想敵国に日本が入っている事ですな、日本はこれらの情勢から、国防を考える上でこれ以上の防衛費は難しいのであれば、アメリカを頼って親密な関係を結ぶしか無いわけですし、その方面での不安なら理解出来るのですが。(笑)


 


あなたのお感じになっていることも、私が感じていることも、本音のところではおそらく一致していると思います。いかがでしょうか。

もちろん否定はしません、最終的な目標はそんなに遠くないと思います、単にその過程が違うだけで。
ただ、目指す山は同じ方向でも、通る登山道が違えば、谷底に落ちたり、獣に襲われたり、天候が悪化して動けなくなったり、違いはいろいろと大きいとは思いますが、どちらの道がどの登山道なのかは、さすがに私も分かりませんね。


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コメント

再度、力のこもったレスをありがとうございました。すぐにお礼を申し上げるべきでしたが、私のパソコンがウィルスの攻撃を受けたのか起動しなくなりました。そのためレスが送れて申し訳ありませんでした。
先回のあなたの意見にはいくつかの共感するところがありました。例えば、教育とは「戦争=ダメ」と単純に拒絶することではないと述べておられます。同感です。私も「平和のために戦う」という矛盾したことばの中に真実があると思っています。また「自爆テロを起こす側にもその理由があるはず」と述べておられます。同感です。私も祖国日本が侵略者に蹂躙されればテロを起こすかもしれません。
しかし、次のいくつかの点ではもっと深く考えてみたいと思いました。

1. 自衛隊の違憲性について
あなたは最高裁で判決が出ていないことや、政府が認めていないことを理由に、自衛隊が違憲であることを受け入れようとされません。しかし、よく考えてください。政府は「全体の奉仕者」であり、裁判所は「憲法の番人」なのです。そして、私たち国民は「主権者」なのです。どうして主人が、ごまかしやサボタージュを続けている「召使い」の決定に従わなければならないのですか。これでは童話の「裸の王様」じゃないですか。
あなたも自衛隊は「戦力」であることは認めておられます。そのうえで憲法第9条2項の「陸海空その他の戦力は、これを保持しない」を素直に読んでみましょう。ねっ、王様は裸でしょう。みーんな本当のことは分かっているんですよ。ですからもはや不毛な議論に時間を費やすことなく、自衛隊は違憲であることを認めた上で、ではいかにして祖国の平和と安全を確保するかを考えようではありませんか。

2.日本の平和と安全の確保
日本の平和と安全を確保するためにはどうすればよいか。まず私の試案を披瀝させてください。第1に、誠実な外交によって近隣諸国と信頼関係を打ち立てて対等な立場で平和条約を締結することです。拉致事件の解決はもとより、最初からそんな事件が起きないような国際環境を作ることです。第2に、軍隊は侵略には役立ちますが防衛にはほとんど役立たない代物である事実を明らかにして、近隣諸国と軍縮さらには軍備廃棄をすすめることです。そのために「自衛隊の3分割」を提案します。第3に、憲法第12条の「自由・権利の保持責任」に基づいて、国民が自主的に「自衛団」をつくることです。そして日本人は決して他国を侵略しないが、他国の侵略も絶対に許さないことを世界に示すことです。そのためにスイスの制度は参考になると思います。

3.自衛隊の発展的解消
そこで自衛隊をどうするかという問題が出てきます。私は、自衛隊を警察予備隊と災害救助隊と海外援助隊に3分割することを提案します。そして、それぞれ警察庁・国土交通省・外務省の管轄にします。そうすれば違憲ではなくなります。同時に一層の効率化がはかれます。「自衛団」の案とともに、これを「防衛の分割民営化」として小泉構造改革の一環としていただきたいものです。
そもそも軍隊というものは、その組織や装備から見て侵略には役立つかもしれませんが、防衛にはほとんど役立たないものです。日本軍が満州や沖縄の住民を護れたでしょうか。フセインの軍隊がイラクを護れたでしょうか。アメリカ軍がハリケーンから住民を護れたでしょうか。護る意思も能力もありませんでした。軍隊とはそういうものなのです。だから憲法は軍隊を否定しているのです。どうか軍隊への幻想を断ち切ってください。
私の知り合いがスナックを経営していました。酔っ払いが暴れるからといって暴力団にミカジメ料を払って用心棒になってもらいました。しかし結局、彼は暴力団に食い物にされてしまいました。軍隊に税金を払って護ってもらおう考える国民はやがて軍国主義の食い物にされてしまいます。だいたいお金を出して護ってもらおうという考えは虫が良すぎます.自分の店は自分で体を張って護るしかないのです。同様に、主権者である国民は、自ら体を張って汗と血と涙を流し、自らの国を護るしかないのです。つまり、私たちの平和と安全は、私たち自らの「自由獲得の努力の成果」(弟97条)なのです。だから憲法は、「不断の努力」(第12条)と「幾多の試練に耐え」(第97条)ることによって、国民は自らと自らの権利を護ることを説いているのです。
しかし、アマチュアの自衛団がプロの侵略軍に勝てるのかという不安があると思います.大丈夫です。古代ギリシャの市民は5倍もあるペルシアの大軍をマラトンで破っています.寄せ集めの八路軍は近代装備の関東軍に勝っています。ベトコンはアメリカ軍に勝ちました。やがてイラクの民衆もアメリカ軍や自衛隊をイラクから追い出すでしょう。これは歴史の必然です。だから憲法は第9条で軍備を否定し、第12条で国民の自由・権利の保持責任を明記しているのです。

4.軍国主義の本質
あなたは防衛費の増大と軍国主義の復活は違う次元の話であるといわれました。確かにそうかもしれません。卵と鶏は違う次元の存在でしょう。卵にコケコッコーと鳴かせることはできません。しかし卵と鶏の本質は同じです。アリストテレス風にいうならば、同じイデアが内在して成長していくということになるのでしょうか。
ならばその本質とは何でしょう。これは難しい問題ですが、それは他国への、さらには人間への不信感でしょう。そこから不安が起こり、武力しか信じられなくなり果てしない軍拡競争が始まるのです。そして、ますます緊張は強まり、被害妄想が高まり、ついに些細なことで引火して戦争となるのです。だから吉田首相が指摘したように全ての戦争は「自衛のため」に行われているのです。正当化の理由は後からどうにでもつけられます。
戦争は狂気の暴発です。理性は麻痺して殺戮が自己目的化します。南京大虐殺、従軍慰安婦、731部隊の人体実験、広島・長崎への原爆投下、アウシュビッツの虐殺、アブグレイブやグアンタナモの捕虜虐待へとサディズムはますますエスカレートします。暴虐は敵に対してだけ行われるものではありません。自国の国民にも熾烈を極めます。自由主義者や平和主義者にはスパイや非国民のレッテルが貼られて血の弾圧が加えられます。沖縄の住民の多くは日本軍によって殺されました。これが一番おぞましいことです。
だからこそ憲法は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」(前文)のです。そして第9条で戦争と武力の行使を「永久に」放棄したのです。

5.イラク戦争とは何か
イラク戦争は、アメリカによる不当な侵略であることはもはや明白な事実です。大量破壊兵器の有無やアルカイダとの関係、国連憲章違反についてはもはや述べる必要もないと思います。また日本は同盟国として、その戦略の一翼を担うために自衛隊を派遣していることも疑いのない事実です。
あなたは、「イラク侵攻は、結果的にフセインの圧制からイラク国民を解放しました」と述べてこれを正当化しょうとしておられるようです。しかし、たとえ「フセインの圧制」が事実としても、それはイラク国民の問題です。他国が軍事的に介入すべき問題ではありません。内政不干渉の原則を思い出してください。また、自衛隊派遣は「イラク(サマワ)市民への支援」であると述べて自衛隊派遣を正当化しょうとしておられるようです。しかし、たとえサマワの市民が喜んでもこれは侵略です。日中戦争のときも日の丸を振って日本軍を歓迎した中国人もいました。しかし、それによって侵略を正当化できるものではありません。あなたが言われるように、私も「あらゆる角度から歴史や物事は見るべき」だと思います。しかし、現象面に目を奪われて、物事の本質を見失ってはならないと思います。
まして最近は、多くの国民が自衛隊の撤退を要求しています。もはや、というより最初から、「国際協力」とか「復興支援」という題目は欺瞞に満ちていることは明らかです。だから政府も、もはや論理的説明を放棄して、国益とナショナリズムに訴えるしかなくなっています。つまり、この侵略を否定する者に対して「あなたは何処の国の国民なのか!」と恫喝するしかなくなっています。Akinopapaさんも、冗談だとは思いますが「あなたは何処の国の高校関係者なんでしょうか?」と私に問われています。確かに戦前の天皇制ファシズムの時代なら私は「非国民」でしょう。しかし、現在の民主主義の時代では、私は「愛国者」のはずです。なぜなら、憲法とそれに依拠した民主主義的な国家体制を擁護しているからです。

6.健全な日米関係の構築へ
Akinopapaさんは、教育とは「戦争=ダメ」と単純に拒絶することではないと述べておられます。また「自爆テロを起こす側にもその理由があるはず」と述べておられます。ともに同感です。私も祖国日本が侵略されればテロを起こすかもしれません。少なくとも、何らかの形で侵略者と戦うでしょう。
ところで、現在の日本は安保条約の名の下にアメリカに従属させられ、膨大な軍事基地を置かれ、周辺の住民が苦しめてられています。「それなのに、なぜ戦わないのか!?」と問われると私は辛くなります。まして、あなたのように「アメリカを頼って親密な関係を結ぶしかない」などとは言えません。もちろん、あなたも本気ではないと思いますが‥‥‥。
私には、アメリカに知人も恩人もいます。しかし、どうしてもアメリカだけが良くて、中国や韓国・朝鮮が悪いとは思えないのです。皆な同じに見えるのです。だから、アメリカの日本占領を不問にして、中国や北朝鮮の脅威を叫んでも白々しさを感じるのです。「食糧もろくにない中国や朝鮮が攻めてくることより、現にアメリカに占領されていることを心配しろよ」と言いたい気持ちです。イデオロギーが終焉した今日では、共産主義の脅威も現実的とは思えません。
戦後六〇年経っても、米軍基地は日本のいたるところにあります。政治家はいまだにアメリカのいいなりです。これでは独立国とはいえません。これは日本人にとってもアメリカ人にとっても不幸なことです。もちろん日本は、アメリカと戦争をする必要はありませんが、一日も早く安保条約を廃棄して従属関係を断ち切り、対等な関係で「日米平和条約」を締結するべき時がきていると思います。

7.公明党教育介入事件について
本題からやや逸れましたが、ふたたび「自衛隊派遣に肯定的な解答は0点、否定的なら5点」という胡散臭い記事に戻りたいと思います。まず第1に、記述試験が0点か5点などというはずがありません。きっと1~4点もあり、おそらく3点を中心に正規分布をなしていたはずです。第2に、新聞では本人も事実を認めたとありましたが、おそらくウソだと思います。今日にいたるまで本人は頑として公明党や教育委員会の言い分を認めていないと思います。第3に、「他国に軍隊を送るのはいけない」と記載したとありますが、侵略戦争を否定するのは教師なら、いや人間なら当然です。第4に、「自衛隊が違憲なら憲法を変えればいい」などの暴言は「低俗」ですまされないものです。第5に、「自衛隊はイラク人のために良いことをしている」などという詭弁は、日本人としてゾッとします。いくら少女が喜んでも「援助」は売春であるように、いくら傀儡政権が喜んでも「援助」は侵略です。
そもそも、この教師は「自衛隊派遣」について出題しているわけではないのです。にもかかわらず自衛隊について勝手に書いておいて、たまたま点数が低かったからといって「考えを押し付けられた」とは言いがかりもはなはだしいと思います。教師は、「自衛隊派遣に賛成」と書いてあれば、どんなくだらない答えも満点にしなければならないのでしょうか。バカバカしいにもほどがあります。そもそも日本の学校の教師が日本国憲法や教育基本法に基づいて授業をし、採点をするのは当たり前です。それがいやなら日本の学校へ行かなければいいのです。
たとえば「地下鉄にサリンを撒いてはいけない」と教師が教えたら、世の中にはオウム真理教を信じる人たちや好意を持つ人々も大勢いるので、一方的にそのように教えるのは「考えを押し付ける」ことになるのでしょうか。また、オウムに殺された人々は、「罪を浄化さされて天国にポアされた面もあるわけで、一つだけを否定することなどはできないはずです」などど言えるのでしょうか。やっぱりおかしいですよね。
この胡散臭い新聞記事の向こうに見えてくる事件は、やはりイラク侵略を推し進めている政治勢力による教育への不当な介入です。これは日本の軍国主義化とファシズム復活の一局面であると思います。したがって、この事件を今後は「公明党教育介入事件」と呼ばせていただきます。

最後に、私はこのブログを「公衆便所の落書き」にしてはいけないと思っています。Akinopapaさんも無責任で低俗な投書を掃除してくださいました。それに答えようと私も頑張りました。
アメリカでも、小さなブログが巨大メディアを動かすまでになっています。それは直接の影響力は小さいかもしれませんが、真実に迫る力があるからだと思います。巨大メディアが無視ないし圧殺している小さな真実が、匿名性に守られて息を吹きかえしているとしたら素晴らしいと思います。
郵政・年金・靖国・憲法・その他、このブログの中でさらに真実が明らかになることを期待します。

投稿: 某高校関係者 | 9月 17, 2005 13:33

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