« 民主党には、与党になる気が見えないのが問題 | トップページ | 学位力低下で騒ぐ怪 »

12 18, 2004

たかがビラ配りだが・・・

東京の立川市で、防衛庁官舎に自衛隊のイラク派遣反対のビラを配った市民団体メンバーが、住居侵入罪で罪に問われた裁判で、地裁で無罪の判決が言い渡された。

これは、最初に断って置くと、量刑の程度は別として、無罪放免というのは少なからず驚いた。
もちろん、この判決には大いに不満に思っている。

イラク派遣反対ビラ 3被告に無罪判決 地裁八王子支部

東京都立川市の防衛庁官舎で自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配ったとして、住居侵入罪に問われた市民団体メンバー男女3人に対し、東京地裁八王子支部(長谷川憲一裁判長)は16日、「ビラ投かんは憲法の保障する政治的表現活動。罰するほどの違法性は認められない」として、いずれも無罪(求刑・懲役6月)を言い渡した。
 判決を受けたのは、いずれも立川市の市民団体「立川自衛隊監視テント村」メンバーで▽練馬区職員、大洞俊之被告(47)▽介護助手、高田幸美被告(31)▽会社役員、大西章寛被告(31)。
 判決は官舎への立ち入り行為を「居住者・管理者の意思に反し、住居侵入罪の構成要件に当たる」と認定する一方で「立ち入りの動機は正当で、態様も穏当。プライバシーを侵害する程度は相当に低く、居住者や管理者の法益の侵害は極めて軽微だ」と判断した。
 さらに、ビラの投かん行為について「憲法21条1項(表現の自由)が保障する政治的表現活動で、民主主義の根幹をなす。商業的宣伝ビラの投かんに比べて優越的地位が認められる」との判断を示した。そのうえで「商業ビラ投かんのための立ち入り行為が何ら刑事責任を問われず放置され、(3人の)行為を長い間不問に付してきた経緯がありながら、防衛庁・自衛隊・警察から正式な抗議や警告といった事前連絡なしに、いきなり検挙して刑事責任を問うのは疑問だ」と述べた。
 判決によると、3人は今年1月17日、立川市栄町の防衛庁官舎で各戸の玄関ドア新聞受けに「自衛隊のイラク派兵反対!」などと書いたビラを配る目的で、建物内に立ち入った。大洞、高田両被告は2月22日にも、ビラを配るため立ち入った。3人は事実関係は認めつつ「表現の自由に基づく行為」と無罪を主張していた。3人は逮捕後、75日間拘置された。【五味香織】
 ▽宇井稔・東京地検八王子支部長の話 主張が認められず非常に不満がある。(控訴は)庁内や上級庁と検討して決定したい。


(毎日新聞) - 12月17日10時8分更新

確かに、ただのビラ配りである。
ピザの広告やその他のチラシも、同様に配られている。
だから、刑事罰に処するに値する程度の違法性が無いので無罪というのであろう。

だが、自分の事と立場を置き換えて考えてみれば、これはとても容認出来ない判決だと判る。
個人の政治的表現の自由は結構だが、私は、その他人の政治的表現の自由とやらに、無理矢理に付き合わされる義務も法も無い、そう思っている。
だから、彼らが勝手に私の家の敷地に進入し、ビラを配ったとして、「迷惑だからやめてくれ」と言うのは当然の権利だと思っているし、それにもかかわらず続けられては、これこそ思想の押し売りで、ビラを配る側の「思想の自由」は守られても、私個人の「思想の自由」は侵害されている事になると思っている。

これが、公共の広場であるなら、私も止めろと言う権利もない事が理解できるか、あくまでも自分の住居内の話である、自分のプライベートな場所であっても、彼らを取り締まれないのであれば、何のための法律であるか、かなり憤りを感じている。


 

相手が市民団体とは聞こえが良いが、私の中では、自分達の思想信条を盾に、何をやっても良いと勝手に思い込んでいる、怖い連中だという意識があり、正直な話し、私から見れば「ヤクザ」もしくは10年前の「オウム」と何ら変わりない組織、団体だと言う意識がある。
私も、自分の思想、主張はあるが、このようなブログなどで公表はするが、誰にも読むことを強制したり、他人のブログやHPに出かけて、強引にリンクを貼り付けたり(関連記事にはするが)、自分の記事をコピーして読んで貰おうとは、思った事がない。
自分の考えをビラに書いて、他人の家に投函し、強制的に見て貰う事は、そりゃ個人の勝手だが、同時に相手が同意しない、拒否した場合には、引き下がるのが当たり前の態度であろう。
彼らは、自分達がイラクへの自衛隊派遣が反対だからと言って、派遣を決めたのは政府である事を知りながら、政府に抗議するのでなく、別れを悲しむ自衛隊員とその家族に向かって、平気でシュプレヒコールを行う無神経さと、自己満足のかたまりを持つ集団なのである、私は彼らのこの行動は、本当に怖いと感じる。


  
警察が抗議せず、いきなり逮捕したのがおかしいと言う判決だが、警察が迷惑だと感じるのではなく、住民が不安に感じて警察に訴えているのであるから、警告しないで逮捕がおかしい、と言う意見も非常に不思議な気がする。
もし、彼らが止めなければ、住民はさらに何度かのビラ配りによる住居侵入を我慢しろ、容認しろと裁判官は言っているのと同じでしょう。
私なら、彼らの行為による精神的苦痛は、肉体的暴力にも劣らないと思うのだが、これは個人差だろうけど、裁判官はそこまで違法行為に対し、被害者よりも加害者に寛大になっても良いのでしょうか。
住民が、少なくとも「止めてくれ」と言った以上は、止める方が常識で、それを破って続けている以上、住民からの通報で警察が逮捕して何が悪いのか。
そもそも、1階にある集合ポストに投函するならまだ判るが、わざわざ階段を上って玄関に投函しているんでしょ?
そりゃ防衛庁官舎という立場に、内容が自衛隊に反対する団体の、反対ビラなんだから、住民から見れば恐ろしい行動でしょう。


また、「商業ビラ投かんのための立ち入り行為が何ら刑事責任を問われず放置され」と言っているが、これがピザ屋のチラシがOKなんだから、反戦ビラでもOKだろ、と言う下りだが・・・
ピザ屋が、住民からチラシを入れるな、と言われて、さらに同じピザ屋がチラシを入れ続けていた場合、住民が警察に訴えれば、十分に逮捕するべき問題だと思うが。

商業ビラが住民から大目に見られたのは、住居者が暗黙のウチに投函を認めているからでしょ。
ピザ屋のチラシで、ピザを割引価格で注文するメリットが住民にもあるわけだし、住民側にもそのビラの存在を容認する理由があるわけ。
商業ビラを放任したわけでなく、住民が警察に訴えていないだけでしょう?
新聞配達や郵便、宅配便に集金人など、目的によっては住民は住居侵入に関しては、了承しているケースもあるはず。

このように、住民からの訴えの有無による差を取り上げず、ただ原告側の「商業ビラが許されているのに、反戦ビラだけが取り締まられるのはおかしい」と言った、子供の屁理屈だけを取り上げるのは、これまたいかがな物だろうか。


 

最近、地裁では常識では考えられない、不思議な判決が本当にお目にかかるケースが増えたと思う。
もちろん、かの有名な藤山もそうだし、靖国参拝に判決では無罪(違法じゃないって事でしょ?)を出しながら、傍論(自分の考え)では、違反だと、矛盾する判決を下した亀山、新潟では勝手に時効なんて無効だなどと言って判決を出した片山とか、多いですね。

時代と共に、裁判官のタイプも判決内容も変化、多様化するのは理解しますが、なんだか納得行かない判決が多いです。


今回のこの判決では、問題がかなり捻れて、争点が原告側に有利にごまかされているように感じます。
私が捉える問題点は、これが住居侵入かどうかであり、彼らが住民から拒否されたにもかかわらず、住居侵入を続けた事は、逮捕するに値するかどうかであり、思想の自由を阻害しているとか、ビラの内容が反戦なのか、商業ビラなのか、全然関係ない話しだと思うのですが、判決理由ではその辺りが考慮されているようです。
商業ビラでも、住民が拒否すれば、それでもなおかつ止めないようならば、十分に犯罪要件を構成していると思うんですけど。
ポイントは、住民が拒否した→それでも続けた場合、これが犯罪(刑事罰)に処するに値する程度の違法性があるかどうか、と言う話しであり、今度の判決では、1回や2回程度の拒否では、処罰に値する違法性は無い、そう判断したと言う話しなんでしょうが、法律って誰を守るものなんでしょうね。

住居侵入は確かに行っており、住民の意志に反して行われた行動なのに、犯罪性が無いから無罪とすれば、今後、投函される側の権利は、誰が守ってくれるのでしょうか・・・
控訴して、高等裁判で逆転しないかな?
 

|

« 民主党には、与党になる気が見えないのが問題 | トップページ | 学位力低下で騒ぐ怪 »

コメント

いつも楽しく拝見しております。

僕が同じ事をされたら「入れないで」と言ってしつこいようでしたら・・・。

でもこの手の人たちって人の話を聞かないですからねえ・・・・。

投稿: 安保 仁 | 12 18, 2004 11:32

 住民が「止めてくれ」といったら止めるのが常識とおっしゃいますが、集合住宅の場合、住民のうちの一人でも反対したら、ビラ配りは全くできなくなるのでしょうか?
 例えば、自民党員がビラを配った場合、民主党員である住民が「止めてくれ」と言ったら、その集合住宅すべてにビラを配ることが住居侵入罪になるとしたら、かなり問題だと思います。
 なぜなら、これを認めると、住民の一部が他の住民の外部からの情報にアクセスする自由を侵害することを認めることになるからです。
 集合住宅については「ビラ配り」を止めてくれといえる主体が誰なのか(住民の全員一致か多数決によるのか)を考えてみる必要があると思います。

投稿: 青龍 | 12 25, 2004 23:26

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18447/2299658

この記事へのトラックバック一覧です: たかがビラ配りだが・・・:

» 防衛庁の南西諸島有事想定に、先島の首長ら「危険な兆候」と警戒感 [NewsToday-8]
 防衛庁が「南西諸島有事」を想定した侵攻阻止などの対処方針をまとめたことに対し、 先島の首長や平和団体などからは「危険な兆候」「宮古、八重山へ自衛隊を 駐屯させ... [続きを読む]

受信: 1 29, 2005 02:28

» 反戦ビラ有罪判決・受け手の気持ちも反映されてこそ [Yuu's Blog]
この時期になると、皆さんのお宅の郵便受けには、クリスマスセールとか、お歳暮のチラシとかが入る時期なのではないでしょうか。そして、来月になれば、年賀状のシーズン。郵便受けをチェックするのが楽しみなシーズンではないかと思います。でも、郵便受けに運ばれてくる郵... [続きを読む]

受信: 12 13, 2005 22:42

« 民主党には、与党になる気が見えないのが問題 | トップページ | 学位力低下で騒ぐ怪 »