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12 18, 2004

学位力低下で騒ぐ怪

国際教育到達度評価学会(IEA)による、各国子供の学力テストの結果、日本の小、中学生の学力が、顕著に低下しているのが判り、文部省など大慌てでゆとり教育の見直しなどを発表している。

文科省「ゆとり」転換、授業時間増を検討

 文部科学省は14日、小中学校などの授業時間を増やすため、標準授業時間の見直しの検討に着手した。高校1年の読解力低下を示す今月7日の国際調査結果に続き、小中学生の学力低下傾向を示す結果が出たのを受けての措置。

 実現すれば1977年から減り続けていた授業時間が約30年ぶりに増加に転じることになり、文科省が推進してきた「ゆとり教育」の方針を、事実上、転換することになる。省内には異論もあり、慎重に検討を進めている。

 検討されているのは、平均的な基準だった標準授業時間を「最低限度」と位置づけを改め、各学校にそれを上回る授業時間を確保してもらうよう促す案や、標準授業時間そのものを引き上げる案など。学校現場に学力向上への意識を高めてもらう一方、近年の学力低下論の噴出で高まる公教育への不信感をぬぐいたいという狙いがある。見直しの方向性がまとまり次第、文科省では年明けにも中央教育審議会に具体的な導入方法や時期などを審議するよう要請する。

 標準授業時間は現在、小学校が6年間で計5367時間、中学校が3年間で計2940時間。高校も必要な単位数を取得するための時間数を規定している。標準授業時間が最長だったのは、1968年の学習指導要領改訂後の一定期間。「教育の現代化」に向けて各教科で新しい内容が盛り込まれ、中学校では3360時間から3535時間に拡大。小学校の授業も当時は5821時間という長さだった。

 ところが授業についていけない子が問題になり、その反省から77年の改訂で、小中学校とも授業時間を削減。その後も、「ゆとり教育」や学校週5日制の実施で、標準授業時間は削られ続けてきた経緯がある。

 小中学校では中3の受験期などを除き、標準を上回る授業時間を確保しているのが実態だが、今後、授業時間を拡大する場合、長期休暇の一部や放課後を授業に充てるケースなども想定され、学校現場にも大きな影響が出そうだ。

 2つの国際調査で相次いで学力低下の傾向が示されたことについて、中山文科相は「学校週5日制や学習指導要領の削減が、必ずしも望ましい結果になっていないと思う。その点を率直に認め、対策を講じる必要がある」と述べた。


(読売新聞) - 12月15日6時14分更新

文部省は何を考えているのだろうか・・・・

「ゆとり教育」の発想は別にかまわない。
そもそも、教育論という物は、人によってそれこそ千差万別であり、正しい「これだ」という物が存在しないものであろう。
だから、この方向に行きますと文部省が決めることは、もちろん間違ってはいないと思っている。

しかし、彼らの言う「ゆとり教育」=授業時間を減らす、がもたらす結果は、誰が見ても学力低下は避けられない問題だったはず。
そんなことは、私が指摘する前に、文部省だって学力低下は十分に認識していたはずだ。
2002年の「新しい学習指導要領」による学力低下を、当時から不安視する親は多かったのだから、文部省も当然その親の声は知っていたはずだ。

それでも導入したのは、学力低下が起きても、落ちこぼれを無くし、結果的には子供に取ってそれが良い教育だと思ったからではないのか? 学力低下など、最初から判った上での導入であるはずなのに、どうして学力低下したからと騒ぐのだろうか?
もしかして、自明の結果である学力低下に、これほど騒ぐって事は、文部省は授業時間を減らしても、学力低下はそれほど発生しない、本気でそう思っていたのだろうか?

 
ちょっとネットを調べて見ると、面白い記事を見かけたので紹介する。

中学校長35%が学力低下懸念 新指導要領アンケート

 四月から小・中学校で実施される新学習指導要領について、中学校長の35%が「生徒の学力が低下する」とみていることが、神戸新聞社が行った兵庫県内全小中学校長アンケートで分かった。小学校長では17%にとどまり、小中学校間で倍の開きがあった。新要領はゆとりを重視し、学習内容も削減するが、高校入試を意識する中学校長からは「入試が新要領に対応したものになるのか」などと、入試内容を危ぐする声も上がっている。

 調査は三月、県内の国公立小学校八百四十三校、中学校三百六十三校の全校長を対象に、アンケート用紙を送って実施。小学校三百四校(36%)、中学校百六十一校(44%)から回答を得た。

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 「新学習指導要領の実施で学力は低下するか」を聞いた結果は〈円グラフ〉の通り。中学校では四割近くの校長が低下を予測。「思わない」と明確に否定したのは6%にすぎなかった。小学校でも明確な否定は15%にとどまった。

 一方、「新要領で児童・生徒の学ぶ力が増す」と考える校長は、中学校で52%、小学校で68%。新要領は学習内容を削減してその基本となる「学ぶ力」の育成に力点を置いたが、ここでも小学校長が肯定的なのに対し、中学校長の評価は二分していた。

 また遠山敦子文部科学相が、補習や宿題を奨励するとして今年一月に発表したアピール「学びのすすめ」について、小学校長の28%が「反対」の意思を表明。中学校長は21%にとどまった。

 新要領に基づき、引き続き「ゆとり路線」を深めようとする小学校長、学力、入試とゆとりの間で苦悩する中学校長。アンケートからは、そんな二つの校長像が浮かび上がった。


(神戸新聞 2002/04/04)

これは、ある地方新聞の、そのまたある地方のアンケート結果に過ぎないが、これから判ることは、親の75%以上が「ゆとり教育」による学力低下を不安させていた時代に、反対に中学校の校長では、「あまり思わない」「思わない」を合わせれば、60%以上の人が、授業時間を減らした「ゆとり教育」であっても、学力低下はないと思っていた計算になる。
小学校の校長に至っては、なんと80%以上の人が学力低下など無い、そう思っていたと言う現実が見える。
少し信じられない数字だよねぇ。(笑)

いかに専門家が怪しいもので、楽天的な見方で、教育を語ってきたかを物語っている。
現実は、当時の親の不安通りに学力の低下は顕著に現れ、当時の小中学校の校長の学力の低下は無いだろうと言う憶測が、いかに甘かったかを示しているわけで、文部省だけでなく、現場の教師も非常に甘い判断であった事が、何とも呆れてしまう。

文部省も、この小中学校の校長達と同じような感覚で、「ゆとり教育」を導入しても、もしかして冗談のような話だが、学力低下など無いと思って導入したかも知れない。
だとすれば、文部省の責任はもの凄く重大であろう。


 

断っておくが、私は「ゆとり教育」は大賛成派です。
しかし、文部省の行ってきた「ゆとり教育」には反対で、彼らの行うゆとり教育とは、単純な授業時間の削減であり、学校そのものを休むケースが増える事を指す。
私の思う「ゆとり教育」とは、授業時間などをもっと大幅に増やし、学習は何も学科の授業だけでなく、現在は生活の時間と呼ばれているものに、以前のように道徳を考える授業や、1つのテーマをみんなで討論する授業を増やしたり、もっと社会見学を増やし、学習発表会のようなものを積極的に扱い、季節の行事は行うようにすること。
ご存じだろうか、小学校の中には、授業時間の確保の為に、運動会と学芸会などが隔年で交代で行っているところがあるそうだ、うちの娘の学校でも、毎年合った学芸会が隔年になってしまった。

確かに、今のゆとり教育は、教師は楽になり、財務省が負担する経費は、それだけ軽減されるのかも知れないが、単に休みを増やすだけでは、子供にとっては「ゆとり教育」ではなく、単なる「手抜き教育」になるだけだろう。
私は、授業には勉強だけでなく、学校の運動・文化行事を通じて、子供に情緒豊かな精神を育むような授業であり、決して学校を休む事ではない。

現在、子供を持つ親ならご存じだろうが、ゆとり教育とやらで、1970年代後半から、授業時間は減る一方で、我々が子供の頃から比べて、運動会や学芸会、社会見学や地域活動参加などが減ってしまい、教えてもらう勉強量が減り、その他の行事も減り、学校が単なるつまらない場所に変わってしまっている。

授業時間が減った現在、詰め込み式授業がイヤで、ゆとり教育を導入したのに、授業が減った事で反対に、先生が片言の説明をするだけで、実験すらなく結果、解答だけを見せ、それ以外は「覚えておけ」という詰め込み式になっているのが、皮肉な結果だ。
 
 

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