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10月 22, 2004

安倍の不動と、加藤の凋落

安倍幹事長代理が、ロイター通信のインタビューに応じた内容を読みましたが、非常に賛同する部分が多く、やはり政治家としての安倍晋三、この人の印象がより強くなりました。

全文引用すると、非常に長くなりますので、外交部分、特に中国、北朝鮮関連の質問に対する回答部分のみ、引用します。
後の記事は、記事の原文をお読みください・・・って、いつまでURLが使えるかは分からないけど。

日中首脳外交の途絶え、ボールは中国側に=安倍幹事長代理

  [東京 21日 ロイター] 自民党の安倍晋三幹事長代理は、ロイター通信のインタビューに応じ、小泉首相の靖国神社参拝問題がしこりとなって、日中首脳外交が途絶える異常事態が続いていることについて、首脳外交申し入れを拒否している中国の態度は、成熟した国家の態度ではない、と批判した。
さらに、「日本の指導者は考え直すべきだ」とした王・新駐日大使の発言に対して、「考え直すことはない」とし、靖国問題が原因で摩擦が増えているとする発言にも、「中国のロジックだ」と切り返した。
日中摩擦の新たな火種として浮上してきた東シナ海ガス田開発問題では、中国のエネルギー政策のなかで協議されることで、靖国問題と東シナ海ガス田開発をめぐる摩擦の因果関係は乏しいとした。そのうえで安倍氏は、「経済状況が悪くなれば、日本も困るが、中国も困る。外交は相互作用だ」と述べ、「(首脳外交提案の)ボールは中国側に投げられている」と、中国側の善処を求めた。

インタビューの概要は以下の通り。


<次の首相候補トップは光栄、最優先課題は社会保障制度の基盤作り>
 中 略


<来月の日朝実務者協議で進展なければ、経済制裁検討も>

11月9日にも北京で開催される予定の日朝実務者協議に関して、町村外相は、進展がなければ経済措置を考えなければならないとの趣旨の発言をしている。
この点について、安倍氏も、5月22日の日朝首脳会談で、北朝鮮側は10人の安否不明者の再調査を約束したにもかかわらず、「北朝鮮はその約束を果たしておらず、誠意ある対応をしているとは思えない」と指摘。
さらに、「11月中旬の協議でも、同じような対応しかなければ、(協議を)続けていく意味がない。北朝鮮に、この問題に真剣に向き合わせるためには、圧力が必要だ。圧力の手段として、経済制裁は極めて有効な手段だと私も考える」と述べた。
具体的には、安否不明者が死亡したとするのであればその証拠や、日本側が投げている150項目の質問への回答の提示を求め、そうしたことを含め、次回11月協議の返事をみたうえで、「自民党としては、(経済制裁について判断する必要があると)考える」と語った。
安倍氏は、「小泉首相は、制裁には極めて慎重だ」としたが、年内に経済制裁発動はあるかとの質問に対して、「あり得る」と述べた。

<ケリー米民主党候補が主張する米朝2国間協議、問題多い>
 中 略


<日中関係改善、ボールは中国に>

首脳外交が途絶え、日中関係は”政冷経熱”と言われる。こうした関係が長く続くと、日中間の安全保障政策、企業の経済活動に支障が出る懸念がないか。
これに対して、安倍氏は、「その責任は、中国側にある。2国間関係は、経済問題にしろ、安全保障問題にしろ、良いときもあれば、波風がたっている時もある。しかし、その時も、首脳が会談をして互いに問題をぶつけあい、話し合いのなかで解決する。それが成熟した国家の知恵だ。首脳会談の申し入れを拒否している中国の態度は、成熟した国家の態度とは思えない」と述べた。
日本として改善すべきことはないかとの質問に対しては、「日本は中国に首脳間の交流をしましょうと言っている。ボールは彼らに投げられている」とした。
王・中国大使が18日の記者会見で小泉首相に靖国参拝を考え直すよう求めたが、安倍氏は、「考え直すことはないということで、中国も考えてもらわないといけない」と指摘。
こうしたしこりが、東シナ海ガス田開発問題など日中間の摩擦につながっているのではないかとの質問に対しては、「違う。東シナ海の問題と靖国問題は別だ。それは、中国のエネルギー政策だ。(王大使が)摩擦は増えているというのは、中国のロジックだ」と反論した。
安倍氏は、「首脳会談をしないことは、日本にとってもマイナスだが、中国にとってもマイナスだ。われわれは、今でも、中国にODAを行っている。日本は、人工衛星はカネがかかりすぎるから開発は行わないとしているが、人工衛星を上げている中国に対して、あえて、今でも政府開発援助(ODA)をやっている」と指摘。「経済において、状況が悪くなれば、日本も困るが、中国も困る。外交は、相互作用。経済関係をよくするということは、日本に対する中国のチャリティではない。日本の投資は中国の利益だ」と述べた。


<米司令部の日本移設、日米安保条約上問題ない>
 中 略

(ロイター) - 10月21日19時42分更新

ここには載せなかったが、<ケリー米民主党候補が主張する米朝2国間協議、問題多い> との項目では、以前から指摘されているように、ケリー候補の二国間協議は、あくまでも北朝鮮がアメリカと対等に話し合う国である、と言う存在感と顕示欲から来ている話で、その他の国との交渉を軽視するもので、とても許されないことである。
また、二国間協議で決められたことが、北朝鮮の周囲国である、韓国、中国、ロシア、そして日本が、その協議に参加すること無しに、受け入れざるを得ない面が出てくることが想像され、それはアメリカに取っても外交上、不利な面があると指摘していましたが、全くその通りです。
アメリカの大統領選挙で、ブッシュに決まろうが、ケリーに決まろうが、北朝鮮問題に対する政策だけは、「二国間協議」と言う選択は、日本は反対する、と言う強い姿勢を示す意味でも、納得です。
武部さんは、口下手な部分があるんでしょうね、同じことを言いたかったのでしょうけど、安倍氏が言えばスマートに聞こえ、武部氏が言えば、ケリー氏が大統領になったら困る、と言う報道になっちゃうんですから。(笑)


 

細かい部分はともかく、中国に対しての考え方は、基本的には安倍氏の意見は正しいと考えます。
それに対し、こんな記事がありました。

靖国参拝「外交上正しくない」 中国で加藤紘一氏

 自民党の加藤紘一元幹事長は21日、北京で開かれた中国国際戦略学会で講演した。小泉首相の靖国参拝について「サンフランシスコ平和条約で明らかなように、14人のA級戦犯がすべての戦争責任を負う。78年に靖国神社が14人を合祀(ごうし)して以降は、首相が正式に参拝することは外交上正しくない」と述べ、自重すべきだとの考えを示した。

 加藤氏は「首相自身は日本人の民族感情の問題だと考えているが、中国人から見ると、歴史認識と戦争責任の問題だ」と指摘。参拝は「条約を尊重するかどうかの観点から考えるべきものだ」と語った。

(朝日新聞)(10/22 10:27)

北京までわざわざ出かけて、中国の喜ぶことを講演し、自国の首相を批判するとは、この人も落ちぶれたものです。
10年前までの、江沢民による反日政策になる前の、特に胡燿邦書記長時代までは、日中関係も急激に盛り上がった次代には、この靖国神社参拝は別として、加藤紘一氏のような親中派の考え方は良かった。

しかし、現在では事情が変わっている。
親日派だった胡燿邦が失脚し、天安門事件を経て、江沢民が実権を握って、中国は変わったわけで、政治も外交も時代は流れているのに、未だに10年以上前の考え方をしている、ここが加藤紘一氏の、限界でもあるのでしょうね。
政治家は、筋を通すことも、確固たる信念を持つことも大事だけど、周囲の情況の変化に、臨機応変に対応できる柔軟な考えも同時には必要で、いつまでも中国の幻影を追いかけていては、政治家としては失格だろうね。


まあ、もともとこの人は、外務省のチャイナスクール出身なので、ある意味、親中派なのは仕方が無いんでしょうけどね。
でも、過去のチャイナスクールを代表とする外務省の活動や、歴代の政治家たちの考えや態度が、今の日中関係、中国の驕りを生んできたわけですから、現在は政治家なら変化しなきゃならない時です。

安倍幹事長代理も、10年以上も前にこのような意見を言えば、最右翼だと叩かれて、今のような自民党の要職には就けなかったでしょうけど、時代の流れなんでしょうね、私には加藤紘一氏は、少し小さくなっちゃったな、加藤の乱では応援もしたんだけど・・・
YKKと騒がれて、「加藤の乱」で結果を見る前に、自分から諦めて降りてしまった、あの時の判断が、加藤紘一氏のその後の人生を狂わせたのかも知れませんね、そう思うと人生ってドラマだよなあ。


ところで、この報道がどこまで正しいのか知らないけど、一応加藤氏にツッコミしておきます。

>>サンフランシスコ平和条約で明らかなように
確かに、その条約で日本も認めましたが、同時に、その条約の11条で免責も認められているんですよね。
こっちはどうして無視するんでしょ、戦争犯罪だけ追求するのではなく、免責も日本人なら言うべきじゃないのかな。

>>靖国神社が14人を合祀(ごうし)して以降は、首相が正式に参拝することは外交上正しくない
それじゃ、戦後戦犯は国会の正式な手続きを経て、法的に復権を果たしているのですが、それが間違いだった、とでも言いたいのでしょうか?
復権をした人達が合祀された神社に、首相が参拝する行為が正しくないとすれば、それは何のための復権なのでしょうか、今なお、彼らは差別を受けるべきだと言う話なのでしょうかね、おかしな話です。

>>条約を尊重するかどうかの観点
何の条約を意味しているのか不明ですが、サンフランシスコ条約のことかな?
でも、中国は、サンフランシスコ条約には加わっておらず、調印した国々(49カ国だっけな)からは靖国批判は無いんだけどね。(笑)
それとも、日中平和友好条約のことかな? でも、靖国参拝に関する項目なんかありましたか?


話は変わって、こんな記事も紹介します。

台風23号被害で見舞い=中国首相

 外務省は21日、台風23号の被害に対し、温家宝中国首相から小泉純一郎首相あてに見舞いのメッセージが届いたと発表した。メッセージは、多数の死傷者、被害が生じたことについて深い哀悼の意を表すとともに、被災地域の早期の回復を祈念するとしている。また、王毅駐日大使からも町村信孝外相あてに同様のメッセージが届けられた。 
(時事通信) - 10月21日21時1分更新

確かに、加藤氏のこの講演もあり、同時に皮肉なことに、アメリカでは、中国が1970年ごろから日本のアジアでの影響力拡大を防ぐために、あえて日本の内政に干渉し、日本の軍国主義や帝国主義の復活を宣伝するプロパガンダ工作を本格的に開始させたとする、CIAの秘密文書が公開されたこともあり、加藤は相変わらず中国に利用されている、と日本国民が思ったかどうか。

ともかく、この見舞いメッセージの中国側の真意は不明だけど、とりあえず1つの小さなボールが来た、そう見てよいのかな。


 
私は結構、ここで中国の反日教育を批判するばかりで、日中の友好関係に対する建設的な意見ってのはほとんど無い、ってのも自覚はしているんですよ。(笑)
だけど、相手が反日教育で、いわば洗脳に近い圧力で国民を扇動している以上、日本側から出来ることはあまり無い、そう悲観的になっている部分もあるからなんですが。


ただ1つ、これは期待と言うか、希望なんですけど、反日教育で国民の統制をまとめた江沢民が、政治からも軍部からも引退しました。
実際の影響力は分かりませんが、中国は次のステップ、時代に移ったことはまず間違いありません。
まあ、中国の性格からして、今までの政策を180度転換して、急激に変えることはあり得ないと思いますので、しばらくは愛国主義教育による反日感情の悪化は、まだ続くだろうとは思いますが、新しく国家体制として入った、胡錦濤国家主席、温家宝首相のコンビはお互い年齢が同じで、60年代半ばに共産党に入り、70年代から80年代にかけて現場で活躍してきた、非常に若い世代です。

当然、彼らは抗日運動時代はもちろん、毛沢東の大躍進運動の失敗も知らないし、江沢民とは違った感性の持ち主ではないかと、期待はしています。
これは、天安門事件の後始末とも言える、江沢民の愛国主義教育の結果、ある一面では成功しましたが、ある面ではあまりにも強固な反日教育は、現在の中国にとっても好ましくないものと、認識は出来ていると思います、ヘタに天安門事件時代のように、共産党に対してエネルギーが向いていないのですから。

それに対する期待もあるし、経済成長がこのまま続くはずもなく、また一人っ子政策などのツケによる、急速な老齢化社会を迎えることも見据えて、必ず中国では政策面で、大きな変革があるはずです。
その時に、日中関係は改善されないかと期待はしているんです。
もっとも、10年以上かけた教育で洗脳された感情を解くのは、そんな簡単な話ではなく、10年、20年もかかるものかも知れませんが、その時の日中関係の国民に対するきっかけとして、その切り札の1つとして、靖国神社参拝カードがもしかしてあるかも知れません。

まあ、日本の国民感情もあるので、非常に使いづらくて、厳しいカードにはなるでしょうが。
でも、そういったカードを切る時代が来るほうが、現在のようないがみ合う状態より、遥かにマシだと思ってはいますけどね。


 

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