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10月 07, 2004

首相靖国神社参拝の外交カード

民主党の岡田代表に、私が信用を置かない点は、在日外国人参政権もそうですし、この記事による内容のように、中国と外交を行う場合、日本国民に向かって語りかける内容ではなく、中国側に向かって話しかけているように見える点ですね。

まあ岡田代表は、イオングループが中国にも進出しているから、中国政府には甘いとか言われている始末なんだけど。
この辺は、靖国参拝を持ち出して、首脳会談を行わないのは間違いだと言い切った、安倍氏とは大違いだわね。





A級戦犯合祀が問題 靖国参拝で王毅大使

 民主党の岡田克也代表は7日、中国の王毅駐日大使と党本部で会談した。
 王氏は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題に関連して「A級戦犯の問題が、靖国参拝ということよりも大きな本質的な問題だ」と述べ、A級戦犯の合祀(ごうし)が問題との認識を示した。
 これに対し岡田氏は「そういう中国側の基本的な認識に対する日本側の理解も深まってきたのではないか」と述べた。
 また王氏は、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議について「米大統領選後に動きが出てくる」と述べ、次回協議は11月の米大統領選後になるとの見通しを示した。その上で「(これまで)北朝鮮と辛抱強く対話を続けてきた。これからも対話を続けて朝鮮半島問題を解決したい」と協議を継続する考えを強調した。

(共同通信) - 10月7日14時2分更新

岡田氏の語った内容を簡潔にまとめると、「靖国参拝問題は、中国側はA級戦犯の合祀が問題である、と言う基本的な認識を、日本側の理解も深まってきた」と言うことでしょうか。

ふ~ん、どうなんでしょうね。
私は少なくとも、中国が靖国参拝を問題に持ち出してくるのは、あくまでも政治的な問題であり、A級戦犯などの話は、たんなるこじつけだと思っているし、このブログでも何度も書いてきましたけど。

もっとも、中国側が建前上叫ぶ靖国参拝の反対理由は、A級戦犯の合祀であると、イチャモンをつけている程度の話であれば、そのことは知っていますけどね。
ですから同じく、中国側の行動に、理解と賛同を示す国民が増えているとは、あまり思わないけど、少なくとも、中国側が靖国神社の参拝を問題にしていて、それはA級戦犯が合祀されているからと言っているから、と言うレベルでは、国民の多くは知ってきているでしょう。
その意味では、岡田氏の言っていることも、あながち嘘じゃないかもね。(笑)


 

A級戦犯の合祀ですが、そもそも合祀は、国民の意思で決まったのです。

まず、戦争裁判の刑死、獄死者の遺族年金、恩給支給の運動が起きました。
懲役三年以上の刑に処せられた者の恩給は、停止される決まりがありましたが、戦争裁判の刑死者等は、日本国内法の犯罪者ではなく、戦争の犠牲者と考えるという事であり、当時の国会の全会一致で決定されました。
つまり、国会の全会一致で、戦犯として裁かれた人も、戦争の犠牲者と考える事で承認されたわけです。
そして、昭和53年にA級戦犯の14名が靖国神社に合祀されました。


ここで大事なのは、この当時(A級戦犯合祀した時)、中国側からはなんら抗議もなく、54年の大平首相、55、56年の鈴木首相の参拝も、何も問題は起きませんでした。
57年のあの、日中戦争の「侵略」を「進出」と変えたと、中韓が抗議を行った教科書問題の年でも、靖国参拝に関しては、中国側はなんら問題になりませんでした。
この年は、中国による対日抗議が激しかったのですが、それでもです。
そして、58年、59年と中曽根首相が、靖国に参拝しても、以前と全く同様に、中国側は靖国の「や」の字も口に出すことはありませんでした。


ところが、昭和60年(1985年)、A級戦犯が合祀されて7年も経過したこの年、朝日新聞が書いた記事と、かの新聞社が取った行動が、今の靖国神社参拝問題に繋がる、非常に重要で、今から振り返ればとんでもない事をやってくれたのです。
朝日は、当初、政教分離問題で靖国神社を取り上げていましたが、そのうちエスカレートしたのか、A級戦犯合祀の靖国への政府首相の参拝は、軍国主義の復活であり、これを中国政府が黙認するのは、日本軍国主義復活の黙認と同義である、と中国政府へ朝日新聞の記者はご注進したのです。

この辺から、中国の靖国神社参拝に対する抗議が始まったのです。

8月14日には、中国外務省スポークスマンが、「アジア各国人民の感情を傷ける」と、はじめて公式に反対の意思表示をし、そして、27日から30日までの社会党訪中において、社会党と中国は、公式参拝批判の気勢を大いに上げ、反対運動は燃え上がり、中曽根首相は、その後退任まで参拝できなくなってしまったのです。
そしてこの時以来、この干渉の成功に味をしめた中国は、靖国問題干渉を中国外交政策の一部として維持し、また、それは1995年の江沢民の愛国主義教育などにより中国の「国民感情」となり、日本国内左翼と相呼応しつつ今日に至っているのです。


 


まあ、この経緯から見てもわかるように、靖国問題は極めて特殊な政治的問題なんですよね。
A級戦犯合祀が最大の問題と言いながらも、合祀されて7年間も中国は何も反応せず、朝日新聞によって焚き付けられ、それに野党であった社会党が尻馬に乗って騒いだせいで、中国政府が味をしめたと言う構図です。

特に、社会党の責任は重く、そもそも靖国神社のA級戦犯合祀は、昭和28年の当時の社会党の衆議院議員が、戦犯が恩給も支給されず靖国神社にも祭られていない事を問題視し、国民の理解と支持を得て、国会で「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」を採択して、戦犯と称された人物たちが復権したわけです。

はっきり言えば、自分たちで戦犯を靖国神社に合祀するように働き、国会で全会一致で認められると、その30年後には自分たちでA級戦犯の合祀されている神社への首相参拝は、軍国主義復活だ、大問題だと騒いだわけですから、まるでマッチポンプです。
朝日新聞の中国へのご注進と言い、社会党の主体性のなさと言い、情けなくなりますね。


 

そう言うわけで、まず第一は、戦犯と呼ばれた人も含めて、彼らが国内において復権を果たしたのは、日本国民の意志であり、国会で正当な手続きを経て、認められたことは日本はきちんと認識しなければならない。
また、復権を果たした人達は、なんら国内において差別を受けることがあっては許されず、彼らが合祀されいる場所へ参拝は、国内の法律論(政教分離)などの問題以外で、日本国民の何人も制限を受ける必要はない、と言う認識を持てば、以下の町村外相、安倍副幹事長の意見の正当性が理解できると思います。

そして、中国の外交カードとして使われている靖国問題に関しては、日本は安易に妥協してはならない、毅然として臨む、その日本政府の姿勢もまた、理解するべきでしょうね。




外相「首相の靖国参拝当然」

 町村信孝外相は二十八日の記者会見で、中国政府が小泉純一郎首相の靖国神社参拝を批判していることについて「恒久平和のため渾身(こんしん)の努力をしていることを、日本国首相として英霊に誓う行為そのものは当然のことだと思う。それぞれの国にはそれぞれの(戦没者)慰霊の仕方がある」と述べた。さらに町村外相は「首相が個人の信念で参拝されることをいいとか悪いとか言うことは差し控えるべきだ」と述べ、中国側の批判は当たらないとの認識を示した。

(産経新聞) - 9月29日5時5分更新

安倍氏、中国を批判 首脳級会談見送り「間違い」 首相判断の靖国参拝「当然」

 自民党の安倍晋三幹事長代理は六日、都内のホテルで講演し、ベトナム・ハノイで開かれるアジア欧州会議(ASEM)に合わせて調整が進められていた日中首脳級会談が見送られたことについて「中国の外交政策は基本的に間違っている。どんな状況であれ、対話のパイプを切らないのが成熟した国家の知恵ではないか。文句があるなら会談で言えばいい」と中国側の対応を批判した。
 また、安倍氏は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝に中国側が態度を硬化させているとの見方を示したうえで、「首相が自らの判断で靖国神社を参拝するのは当然で、中国に言われたからといってやめる必要は全くない。首脳(級)会談を突破口に参拝をやめさせようという中国側の考えは間違っている」と述べた。

(産経新聞) - 10月7日3時3分更新


 

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