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10 29, 2004

カメさんとオカちゃん

亀井静香氏と、民主党岡田克也代表が、お互い人質事件に関連して、パフォーマンスを披露したようです。

「人質救出に自衛隊活用を」亀井静香氏が首相に申し入れ

 自民党の亀井静香元政調会長は28日、小泉首相を官邸に訪ね、イラクでの日本人人質事件について「イラク政府が救出できないなら、サマワに駐留する自衛隊が捜索、救助活動をするべきだ」と求めた。

 亀井氏はもともと自衛隊のイラク派遣には慎重で、派遣承認案を採決した1月の衆院本会議を欠席した経緯がある。しかし、この日は「日本国民の生命・財産を守るのが自衛隊の任務。現にイラクに自衛隊が存在し、そばで同胞が拉致されている以上、黙って見ているべきではない」と自衛隊の活用を提案した。

 ただ、イラク復興支援特措法に人質救出は定められておらず、「自衛隊には法的にも能力的にも不可能」というのが政府の立場。自民党内でも自衛隊活用論は少数派だ。亀井氏としては政治的存在感をアピールする狙いもあったようだが、首相はとくに反応を示さなかったという。
朝日新聞(10/28 22:41)


ものすごい計算高い亀井静香氏のことですから、これらは明らかなパフォーマンスだと思います。
専用の訓練も受けていない、しかも復興支援の目的で派遣されている自衛隊に対し、犯人グループの規模や居場所も分からないのに、救出のために出動しろとは、素人でも言えませんよね。
そんな(相手の組織規模不明で、居場所も分からない)状態で出動しろとは、自衛隊員に死んで来い、と言っているようなもの。
まあ、先の大戦での日本軍も、きっとこんなものだったんでしょうね、国民のために死んで来い、みたいな。

そもそも、亀井氏は警察庁出身ですから、いくら威勢が良いと言っても、交番勤務の人に、人質を取り立て篭もった凶悪犯が、このビルのどこかにいる、相手の犯人は何人かも分からないし、携帯している武器も分からない、だけど人質は大事だから救出に行け、と言う話が、どんなに無謀な事かは理解しているでしょうからね。


それにしても、人質事件を使って自分のパフォーマンスに使うとは、ちょっとみっともないなぁ、亀井静香氏も落ちぶれたものだ。
仮に、パフォーマンスじゃないとしたら・・・本気で言っているとすれば・・・余計にあきれる。(笑)

まあ、私はこの人が大嫌いでしたから、こんなバカ発言は歓迎しますけどね。
何でも、亀井氏は以外に若い人から人気あるとか、信じられないんだけどね。(笑)
何か困ったことがあれば、「赤字なぞ関係ない、国債発行だ、公共投資だ」としか叫ばない、現在の日本の赤字の原因となった箱物行政時代の、貴重な生き残りの人ですけどね。

まあ、若手と呼ばれていた亀井氏も、小泉氏の登場であれほど欲しがっていた総理の椅子が遠のき、いつのまにか自分が座る前に、次の世代に主導権が移りそうで、焦っているんでしょうね。


 

さて、亀井氏はさておき、民主党の岡田氏がアルジャジーラで、人質解放のためにメッセージを出すと言う話を聞いて、これは政権交代を目指す野党第1党の党首としては、ポイントが高いと思ってました。

<イラク邦人人質>人質解放を呼びかける文書 民主党

 民主党は28日、イラク日本人人質事件で国際テロ組織アルカイダ系の武装グループに人質解放を呼びかける文書をまとめた。岡田克也代表名で「このようなやり方をしても自衛隊撤退につながらない。同胞の命と引き換えに要求をする人たちの主張に耳を貸すわけにはいかないという気持ちになる」として即時解放を求める内容。
(毎日新聞) - 10月28日22時49分更新

ここに書かれている内容も、もっともな話で、全文は載っていないのが残念ですが、珍しく岡田氏を支持します。
民間人を人質に取るテロは、国際世論はもちろん、日本国民の誰からも支持を得られない。
人命を盾に、自分たちの要求を行うことは、日本人の憎しみや怒りを買うことはあっても、決して同情は得られない。
人質を取る行為により、日本が要求に従う事はあり得ず、むしろマイナス行為にしかならないことに気付いてくれ。
だから、すぐにでも開放して欲しい、これが流れでしょうね。


ところが、先ほどニュースが配信されてきましたが、雰囲気が全然違います。

民主党の人質解放要請報道 アルジャジーラ

 【カイロ28日共同】中東の衛星テレビ、アルジャジーラは28日夜、イラク日本人人質事件の犯人グループに対し香田証生さんの解放を求める民主党の呼び掛けを放送した。
 同党は「自衛隊の派遣期限が切れる12月以降の撤退に全力で取り組む」とし、香田さんの即時解放を訴えている。
(共同通信) - 10月29日5時59分更新


岡田民主党代表、人質解放を求める=アルジャジーラが声明放送

 【カイロ28日時事】カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは28日、イラクで拘束された香田証生さん(24)の即時解放を犯行グループに求める民主党の岡田克也代表の声明を伝えた。アラビア語で書かれた声明は、日本人の過半数が自衛隊のイラク派遣に反対だとした上で、「香田さんは日本政府とも自衛隊とも全く無関係の人です」と強調している。 
(時事通信) - 10月29日7時1分更新


なんだか雲行きが怪しいなぁ。
報道が断片的なので、全文を知らないので何ともいえないけど、言うべきことはきちんと言ったのかな。

まあ、我々は自衛隊派遣に反対しているし、日本国民も全員が賛同しているわけじゃない。
君達がテロ行為を行えば、国内で我々の意見を聞こうとしている日本人が、反対に君達に対して憎しみを抱いて、自衛隊派遣の賛成に回ってしまう恐れがある。 だから、人質を解放して、自衛隊撤退は我々に任せてくれ。

こんな感じで言いたかったのだろうけどね。

問題は、最初のニュースで流れた文章(下書き原稿か?)と、どれだけ近いことをきちんと述べたのか、ここが大事ですね。
人質の解放をしてくれなければ、日本は自衛隊の撤退を国会で論議することすら出来ない、と言うことをきちんと説得してくれれば、今回の岡田氏の行動には、珍しく賛同するんですけどね。


 
亀井氏と岡田氏は、ともに小泉氏に敵対する勢力ですね。
亀井氏の発言は、自分では国民向けのパフォーマンスに違いないけど、国外的には、反対にテロリストグループから見れば、やはり自衛隊とは復興支援だけでなく、軍隊の役目として来ていると理解し、今までの自衛隊の活動が無に喫する場面もあるかも知れません。
サマワの自衛隊にも、危険が迫るかも知れません。
本当に、浅はかで無謀な発言で、むしろ自分の価値を下げる結果となったようです。

一方の岡田氏は、今までは与党に反対する野党の党首、それだけのイメージが強かった、非建設的な攻撃しかせずに、ポイントを下げてきましたが、きちんと「国民はテロでは同情はしない、テロでは撤退は絶対にしない」と主張した上で、まあ、民主党は自衛隊反対なんだから、人質は解放してくれと言う展開なら、個人的にはポイントを少し上げたい気分です。
まあ、全文を読んでみないことには、評価のしようもありませんが。

まあ、いまのところ、反小泉勢力の2人の立場は、大きく差が開いた、そんなところでしょうか。

 

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10 22, 2004

安倍の不動と、加藤の凋落

安倍幹事長代理が、ロイター通信のインタビューに応じた内容を読みましたが、非常に賛同する部分が多く、やはり政治家としての安倍晋三、この人の印象がより強くなりました。

全文引用すると、非常に長くなりますので、外交部分、特に中国、北朝鮮関連の質問に対する回答部分のみ、引用します。
後の記事は、記事の原文をお読みください・・・って、いつまでURLが使えるかは分からないけど。

日中首脳外交の途絶え、ボールは中国側に=安倍幹事長代理

  [東京 21日 ロイター] 自民党の安倍晋三幹事長代理は、ロイター通信のインタビューに応じ、小泉首相の靖国神社参拝問題がしこりとなって、日中首脳外交が途絶える異常事態が続いていることについて、首脳外交申し入れを拒否している中国の態度は、成熟した国家の態度ではない、と批判した。
さらに、「日本の指導者は考え直すべきだ」とした王・新駐日大使の発言に対して、「考え直すことはない」とし、靖国問題が原因で摩擦が増えているとする発言にも、「中国のロジックだ」と切り返した。
日中摩擦の新たな火種として浮上してきた東シナ海ガス田開発問題では、中国のエネルギー政策のなかで協議されることで、靖国問題と東シナ海ガス田開発をめぐる摩擦の因果関係は乏しいとした。そのうえで安倍氏は、「経済状況が悪くなれば、日本も困るが、中国も困る。外交は相互作用だ」と述べ、「(首脳外交提案の)ボールは中国側に投げられている」と、中国側の善処を求めた。

インタビューの概要は以下の通り。


<次の首相候補トップは光栄、最優先課題は社会保障制度の基盤作り>
 中 略


<来月の日朝実務者協議で進展なければ、経済制裁検討も>

11月9日にも北京で開催される予定の日朝実務者協議に関して、町村外相は、進展がなければ経済措置を考えなければならないとの趣旨の発言をしている。
この点について、安倍氏も、5月22日の日朝首脳会談で、北朝鮮側は10人の安否不明者の再調査を約束したにもかかわらず、「北朝鮮はその約束を果たしておらず、誠意ある対応をしているとは思えない」と指摘。
さらに、「11月中旬の協議でも、同じような対応しかなければ、(協議を)続けていく意味がない。北朝鮮に、この問題に真剣に向き合わせるためには、圧力が必要だ。圧力の手段として、経済制裁は極めて有効な手段だと私も考える」と述べた。
具体的には、安否不明者が死亡したとするのであればその証拠や、日本側が投げている150項目の質問への回答の提示を求め、そうしたことを含め、次回11月協議の返事をみたうえで、「自民党としては、(経済制裁について判断する必要があると)考える」と語った。
安倍氏は、「小泉首相は、制裁には極めて慎重だ」としたが、年内に経済制裁発動はあるかとの質問に対して、「あり得る」と述べた。

<ケリー米民主党候補が主張する米朝2国間協議、問題多い>
 中 略


<日中関係改善、ボールは中国に>

首脳外交が途絶え、日中関係は”政冷経熱”と言われる。こうした関係が長く続くと、日中間の安全保障政策、企業の経済活動に支障が出る懸念がないか。
これに対して、安倍氏は、「その責任は、中国側にある。2国間関係は、経済問題にしろ、安全保障問題にしろ、良いときもあれば、波風がたっている時もある。しかし、その時も、首脳が会談をして互いに問題をぶつけあい、話し合いのなかで解決する。それが成熟した国家の知恵だ。首脳会談の申し入れを拒否している中国の態度は、成熟した国家の態度とは思えない」と述べた。
日本として改善すべきことはないかとの質問に対しては、「日本は中国に首脳間の交流をしましょうと言っている。ボールは彼らに投げられている」とした。
王・中国大使が18日の記者会見で小泉首相に靖国参拝を考え直すよう求めたが、安倍氏は、「考え直すことはないということで、中国も考えてもらわないといけない」と指摘。
こうしたしこりが、東シナ海ガス田開発問題など日中間の摩擦につながっているのではないかとの質問に対しては、「違う。東シナ海の問題と靖国問題は別だ。それは、中国のエネルギー政策だ。(王大使が)摩擦は増えているというのは、中国のロジックだ」と反論した。
安倍氏は、「首脳会談をしないことは、日本にとってもマイナスだが、中国にとってもマイナスだ。われわれは、今でも、中国にODAを行っている。日本は、人工衛星はカネがかかりすぎるから開発は行わないとしているが、人工衛星を上げている中国に対して、あえて、今でも政府開発援助(ODA)をやっている」と指摘。「経済において、状況が悪くなれば、日本も困るが、中国も困る。外交は、相互作用。経済関係をよくするということは、日本に対する中国のチャリティではない。日本の投資は中国の利益だ」と述べた。


<米司令部の日本移設、日米安保条約上問題ない>
 中 略

(ロイター) - 10月21日19時42分更新

ここには載せなかったが、<ケリー米民主党候補が主張する米朝2国間協議、問題多い> との項目では、以前から指摘されているように、ケリー候補の二国間協議は、あくまでも北朝鮮がアメリカと対等に話し合う国である、と言う存在感と顕示欲から来ている話で、その他の国との交渉を軽視するもので、とても許されないことである。
また、二国間協議で決められたことが、北朝鮮の周囲国である、韓国、中国、ロシア、そして日本が、その協議に参加すること無しに、受け入れざるを得ない面が出てくることが想像され、それはアメリカに取っても外交上、不利な面があると指摘していましたが、全くその通りです。
アメリカの大統領選挙で、ブッシュに決まろうが、ケリーに決まろうが、北朝鮮問題に対する政策だけは、「二国間協議」と言う選択は、日本は反対する、と言う強い姿勢を示す意味でも、納得です。
武部さんは、口下手な部分があるんでしょうね、同じことを言いたかったのでしょうけど、安倍氏が言えばスマートに聞こえ、武部氏が言えば、ケリー氏が大統領になったら困る、と言う報道になっちゃうんですから。(笑)


 

細かい部分はともかく、中国に対しての考え方は、基本的には安倍氏の意見は正しいと考えます。
それに対し、こんな記事がありました。

靖国参拝「外交上正しくない」 中国で加藤紘一氏

 自民党の加藤紘一元幹事長は21日、北京で開かれた中国国際戦略学会で講演した。小泉首相の靖国参拝について「サンフランシスコ平和条約で明らかなように、14人のA級戦犯がすべての戦争責任を負う。78年に靖国神社が14人を合祀(ごうし)して以降は、首相が正式に参拝することは外交上正しくない」と述べ、自重すべきだとの考えを示した。

 加藤氏は「首相自身は日本人の民族感情の問題だと考えているが、中国人から見ると、歴史認識と戦争責任の問題だ」と指摘。参拝は「条約を尊重するかどうかの観点から考えるべきものだ」と語った。

(朝日新聞)(10/22 10:27)

北京までわざわざ出かけて、中国の喜ぶことを講演し、自国の首相を批判するとは、この人も落ちぶれたものです。
10年前までの、江沢民による反日政策になる前の、特に胡燿邦書記長時代までは、日中関係も急激に盛り上がった次代には、この靖国神社参拝は別として、加藤紘一氏のような親中派の考え方は良かった。

しかし、現在では事情が変わっている。
親日派だった胡燿邦が失脚し、天安門事件を経て、江沢民が実権を握って、中国は変わったわけで、政治も外交も時代は流れているのに、未だに10年以上前の考え方をしている、ここが加藤紘一氏の、限界でもあるのでしょうね。
政治家は、筋を通すことも、確固たる信念を持つことも大事だけど、周囲の情況の変化に、臨機応変に対応できる柔軟な考えも同時には必要で、いつまでも中国の幻影を追いかけていては、政治家としては失格だろうね。


まあ、もともとこの人は、外務省のチャイナスクール出身なので、ある意味、親中派なのは仕方が無いんでしょうけどね。
でも、過去のチャイナスクールを代表とする外務省の活動や、歴代の政治家たちの考えや態度が、今の日中関係、中国の驕りを生んできたわけですから、現在は政治家なら変化しなきゃならない時です。

安倍幹事長代理も、10年以上も前にこのような意見を言えば、最右翼だと叩かれて、今のような自民党の要職には就けなかったでしょうけど、時代の流れなんでしょうね、私には加藤紘一氏は、少し小さくなっちゃったな、加藤の乱では応援もしたんだけど・・・
YKKと騒がれて、「加藤の乱」で結果を見る前に、自分から諦めて降りてしまった、あの時の判断が、加藤紘一氏のその後の人生を狂わせたのかも知れませんね、そう思うと人生ってドラマだよなあ。


ところで、この報道がどこまで正しいのか知らないけど、一応加藤氏にツッコミしておきます。

>>サンフランシスコ平和条約で明らかなように
確かに、その条約で日本も認めましたが、同時に、その条約の11条で免責も認められているんですよね。
こっちはどうして無視するんでしょ、戦争犯罪だけ追求するのではなく、免責も日本人なら言うべきじゃないのかな。

>>靖国神社が14人を合祀(ごうし)して以降は、首相が正式に参拝することは外交上正しくない
それじゃ、戦後戦犯は国会の正式な手続きを経て、法的に復権を果たしているのですが、それが間違いだった、とでも言いたいのでしょうか?
復権をした人達が合祀された神社に、首相が参拝する行為が正しくないとすれば、それは何のための復権なのでしょうか、今なお、彼らは差別を受けるべきだと言う話なのでしょうかね、おかしな話です。

>>条約を尊重するかどうかの観点
何の条約を意味しているのか不明ですが、サンフランシスコ条約のことかな?
でも、中国は、サンフランシスコ条約には加わっておらず、調印した国々(49カ国だっけな)からは靖国批判は無いんだけどね。(笑)
それとも、日中平和友好条約のことかな? でも、靖国参拝に関する項目なんかありましたか?


話は変わって、こんな記事も紹介します。

台風23号被害で見舞い=中国首相

 外務省は21日、台風23号の被害に対し、温家宝中国首相から小泉純一郎首相あてに見舞いのメッセージが届いたと発表した。メッセージは、多数の死傷者、被害が生じたことについて深い哀悼の意を表すとともに、被災地域の早期の回復を祈念するとしている。また、王毅駐日大使からも町村信孝外相あてに同様のメッセージが届けられた。 
(時事通信) - 10月21日21時1分更新

確かに、加藤氏のこの講演もあり、同時に皮肉なことに、アメリカでは、中国が1970年ごろから日本のアジアでの影響力拡大を防ぐために、あえて日本の内政に干渉し、日本の軍国主義や帝国主義の復活を宣伝するプロパガンダ工作を本格的に開始させたとする、CIAの秘密文書が公開されたこともあり、加藤は相変わらず中国に利用されている、と日本国民が思ったかどうか。

ともかく、この見舞いメッセージの中国側の真意は不明だけど、とりあえず1つの小さなボールが来た、そう見てよいのかな。


 
私は結構、ここで中国の反日教育を批判するばかりで、日中の友好関係に対する建設的な意見ってのはほとんど無い、ってのも自覚はしているんですよ。(笑)
だけど、相手が反日教育で、いわば洗脳に近い圧力で国民を扇動している以上、日本側から出来ることはあまり無い、そう悲観的になっている部分もあるからなんですが。


ただ1つ、これは期待と言うか、希望なんですけど、反日教育で国民の統制をまとめた江沢民が、政治からも軍部からも引退しました。
実際の影響力は分かりませんが、中国は次のステップ、時代に移ったことはまず間違いありません。
まあ、中国の性格からして、今までの政策を180度転換して、急激に変えることはあり得ないと思いますので、しばらくは愛国主義教育による反日感情の悪化は、まだ続くだろうとは思いますが、新しく国家体制として入った、胡錦濤国家主席、温家宝首相のコンビはお互い年齢が同じで、60年代半ばに共産党に入り、70年代から80年代にかけて現場で活躍してきた、非常に若い世代です。

当然、彼らは抗日運動時代はもちろん、毛沢東の大躍進運動の失敗も知らないし、江沢民とは違った感性の持ち主ではないかと、期待はしています。
これは、天安門事件の後始末とも言える、江沢民の愛国主義教育の結果、ある一面では成功しましたが、ある面ではあまりにも強固な反日教育は、現在の中国にとっても好ましくないものと、認識は出来ていると思います、ヘタに天安門事件時代のように、共産党に対してエネルギーが向いていないのですから。

それに対する期待もあるし、経済成長がこのまま続くはずもなく、また一人っ子政策などのツケによる、急速な老齢化社会を迎えることも見据えて、必ず中国では政策面で、大きな変革があるはずです。
その時に、日中関係は改善されないかと期待はしているんです。
もっとも、10年以上かけた教育で洗脳された感情を解くのは、そんな簡単な話ではなく、10年、20年もかかるものかも知れませんが、その時の日中関係の国民に対するきっかけとして、その切り札の1つとして、靖国神社参拝カードがもしかしてあるかも知れません。

まあ、日本の国民感情もあるので、非常に使いづらくて、厳しいカードにはなるでしょうが。
でも、そういったカードを切る時代が来るほうが、現在のようないがみ合う状態より、遥かにマシだと思ってはいますけどね。


 

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10 19, 2004

中国は、日本に喧嘩を売っていないか?

中国の王毅駐日大使が、都内で記者会見を行いましたが、これがまたどう読んでも、日本の対応を非難し、おまけにウソを平気で付いているわけだが、どうして日本国内で、平気でここまで言えるんだろうね。
日本と中国って、国交断絶中だっけ? まるで北朝鮮の報道官が、記者会見したみたい。

本当は、今日はオーストラリアの捕鯨の事を書きたかったんだけど、こっちも酷いので、こちらを取り上げます。

「政冷経熱」関係は正常でない、靖国問題再考を=中国大使

 [東京 18日 ロイター] 王毅・新中国大使は、都内で講演し、日中の経済関係は緊密だが首脳外交が途絶えるなど政治関係が停滞している状況(「政冷経熱」の関係)は、正常ではないと懸念を示した。また、その原因は小泉首相の靖国神社参拝にあるとし、「日本の指導者が考え直し、中国の国民感情を傷つけるようなことをしないよう希望している」と述べた。

<「政令経熱」、両国発展にヒビ及ぼす可能性も>

 王大使は、政令経熱は「正常ではない。双方の共通の利益にも合致しないし、長続きもしない。最終的には両国の発展にもヒビを及ぼすのではないか」と述べた。さらに、「政治関係が健全・順調に発展できない主な障害は、(小泉首相の)靖国神社参拝があるからだ」とした。

そのうえで、王大使は、「中国の国民に大きな罪を犯したこうした人(A級戦犯)に、なぜ敬意を表するのか。中国の国民感情を直接傷つけ、中日関係の政治基盤を揺るがし、(こうした行為は)中国国民は受け入れがたい」と批判した。

 日本独自の文化や死生観は承知しているとしながらも、「この問題は、もはや日本の内政問題を越えている」と述べ、「日本の指導者が考え直し、中日友好関係、両国の長期的ニーズから、中国の国民感情を傷つけるようなことをしないよう希望している」と語った。


<反日教育はしていない>

 中国国内で高まっていると指摘される反日感情に関しては、「中国の歴史図書のなかで、日本に関連するものは少なくないが、事実通り述べている。友好の歴史も、侵略の歴史も書いてある。中国には、愛国教育はあるが、反日教育はない。日本に向かって何かあるとすれば、対日友好の教育ではないか」と述べ、中国の反日教育が反日感情の背景だとする日本国内の見方を否定した。

<中日FTA>

対ASEAN諸国とのFTA締結の動きに関しては、「アジア諸国とのFTAを進め、アジア経済の一体化を進めたい」と述べ、現在サービス・投資分野の交渉進めており、年内に終わるのではないか、と述べた。

 一方、日中FTAに関しても、「中国はグローバリゼーションの流れに適用し、日本、韓国も含め、適時にFTA交渉したい」と述べた。王大使は、重要な貿易パートナーである日本とのFTA交渉を重視しているとしたが、この問題については、「中国は相対的に積極的で、日本が相対的に消極的だ」と、日本の積極対応を促した。


<東シナ海天然ガス田開発問題>

 日中間で摩擦が強まっている東シナ海の天然ガス田開発問題については、「今月下旬に協議が開始される」との見通しを示したが、中国の立場については、「中国が東シナ海で開発する天然ガスの位置は、意見の相違のない中国の近海の範囲内だ」とする従来の説明を繰り返した。

一方で、日本側が主張する中間線(日本の排他的経済水域の日中境界線)は、「中国と合意した結果でない。この線をもって、現在の問題が正しい、正しくないと判断するのは公平さに欠ける」と語った。


<懸念は、両国の国民感情>

 GDPが昨年1000ドルを越えたことなどを挙げ、「中国は新しい発展段階に入った」とした。

そのうえで、政権運営の基本について、(1)中国共産党の理念を明確化。民主的、科学的、法律に沿って政権運営をし、政治改革を含め各分野の改革を推進していく、(2)国の発展は経済のスピードだけでなく社会全体の質的向上を求める時期に入っている。都市と農村、沿海部と内陸部、経済と社会、人間と自然、国内と国外という5つの矛盾する分野で、調和のとれた発展を目指している──などを上げ、外交面では、協調・協力を重視していると指摘した。

 さらに、日中関係は、「最も重要な2国関係のひとつ」としたが、懸念する点として、「問題や摩擦が増えている。歴史問題など従来の問題が両国関係の建設的な発展に影響しており、貿易摩擦や知的所有権などの新しい問題も起きている」と指摘。

 さらに、「両国の経済関係が活発化しているにもかかわらず、国民感情が、必ずしも好ましい方向にいっていない。国民感情が一番気になっている」と懸念を示した。

c ロイター 2004年 10月 18日 月曜日 18:26 JST


<「政令経熱」、両国発展にヒビ及ぼす可能性も>
まず、別記事だが、靖国参拝問題を、「内政問題でも文化問題でもなく、正義を守るかどうかという外交問題」と言ったそうだが、何に対しての正義なんだろうか。

「首相靖国神社参拝の外交カード」でも述べたが、日本は、裁判で裁かれて罪を償ったものは、いつまでも罪を問われて差別を受けることはありません。
また、国民の希望で処刑されたA級戦犯も、復権されていますが、これが日本にとっての、罪を償った死者に対する「正義」です。
日本は罪を犯せば、末代までも消えない、一族郎党に罪が及ぶ、そんな時代はもう100年以上前に終わらせました。
中国の言う正義と、日本の正義とは当然違うわけで、それこそまさに内政問題、文化問題であって、外交問題にあげるほうがどうかしている。
日本の国民が復権を決めた人達を、自分たちが許せないから「外交問題」と扱うのであれば、それは立派な日本に対する内政干渉でしょう。

自分たちも、「中国の国民に大きな罪を犯したこうした人(A級戦犯)に、なぜ敬意を表するのか。中国の国民感情を直接傷つけ、中日関係の政治基盤を揺るがし、(こうした行為は)中国国民は受け入れがたい」と言っているように、対立しているのは、感情面の違いだけ。
中国は、4000年の歴史と言いますが、私から見れば殷の紂王、周の幽王、夏の桀王や、秦の始皇帝など、歴史上の明と暗の双方の人物が中国史には存在したからこそ、現在の中国が存在すると思っていますが、これが中国には理解できない感情なのでしょう。

もっとも、中国国民に大きな罪を犯したとは、具体的に誰のどの行為を指しているのか、聞いて見たい気はしますけど。


ただまあ、こんなことを私が言うまでもなく、中国側も問題点はしっかり整理して、分かっていると思います。
分かっていながら、外交問題だと平気で大使ともあろう地位の人が、記者会見の席上で批判するのですから、中国の確信犯のようなものであり、これって要するに、日本をなめて恫喝しているようなものでしょ。


個人的には、中国などの諸国に配慮して、首相や閣僚が靖国神社に参拝するのは、自由でいいやと思っていたけど、中国は日本側のその配慮など全く受け入れず、むしろ強行に出てくるようですから、それは今まで中国に対して遠慮して、中途半端な態度を取ってきた歴史が悪かったのかな、と最近は思っています。
靖国参拝は、日本に対する中国の、有効な外交カードになりえない事を示すためにも、きちんと8月15日に参拝して欲しいと思うようになっています。(笑)
もっとも、中国も自分の国民に対する立場、面子もありますので、むしろ靖国参拝は中国にとってのカードではなく、日本にとって有効なカードになるかも知れませんね。


 

<反日教育はしていない>
これは、真っ赤なウソですね。
このブログで、私は散々言って来ましたが、最近では「江沢民にとっての文化大革命」でも書いています。
反日教育と言う表現はもちろんありません、そんなもの露骨に書いてあったら、それこそ国際社会に対して言い訳が立ちませんから。(笑)
あるのは、「愛国主義教育」ですね。
でも、この内容が、日本に対して怨み、憎しみ、反感を抱かせて、国内の共産党支配による不満を逸らせるもので、反日教育を意味することは、誰でも知っています。
中国の国民は、洗脳されている立場ですので、そこまで気付いていない人も多いでしょうが。
(気付いていても、共産党による圧力で、国内では自分の主張がいえないでしょうけどね)


 

<東シナ海天然ガス田開発問題>
ここでは、「日本側が主張する中間線は、中国と合意した結果でないので、ここで正しい、正しくないと判断するのは公平さに欠ける」と言う話ですが、まあ国際的に見て、中国が主張する大陸棚ルールって、排他的経済水域圏が重なる所では使えない、いや使っちゃいけないと思うけどね。
そんなの認めていたら、当然国同士が揉める要因になるだけですから、国際的にも認めていないと思ったけどね。

それと、中国側の認識として、中国と合意した結果でないので不公平、と言っているわけだが、その合意した結果が無いのにもかかわらず、日本側が主張するEEZに進入して調査、開発しようとしている横暴な国はどこかね?
日本は、EEZの主張はしていたが、合意していないとの理由で、中国側に遠慮して調査も行ってこなかったが、合意していないと了承しつつも、無遠慮に進入して来たのは、見事な二枚舌と言うしかないですよね。
これが、中国の外交であって、日本は遠慮も付き合う必要も無いと思うけど。


 

<懸念は、両国の国民感情>
まあ、新しい発展段階に入った、ってのは間違いないでしょうね。
頑張ってくださいと、エールを送るしかないですね、現在は、下手に中国経済が急速に傾けば、日本経済にも大きな影響を及ぼすことは間違いない話なので、コントロールして下さいと応援します。
正直な話、経済は開放、政治は独裁でどこまでその矛盾を抱えたままで、この先行くのか、興味を持って見守っていますだ。

ただ、「歴史問題など従来の問題が両国関係の建設的な発展に影響しており」っつう下りは、自分たちで責任取れよな。
国民を焚き付けているのは、中国政府でしょ。 国民感情のコントロールは、自分たちでやってください、自分たちの政策のツケを、日本に回して来ないでね。
靖国神社参拝を、外交カードとして煽るのはいいけど、中国の国民感情が爆発して、日本と何も外交がうまく行かない、アジア経済を巻き込んで沈没しちゃった、なんて笑えない結末だけは止めてください。

北京五輪では、この間のアジアサッカーのように、政府が自粛しろと言っても、国民が言うことを聞かない、コントロールできない事態になって、どうするんでしょうか、また戦車や軍隊で、押さえ込みますか? 天安門事件のように。
まあ、そんなみっともない真似は止めて欲しいけど、少なくてもその時に、日本が歴史認識が悪いからだと、責任を転嫁しないようにね、今からきちんと考えておくように。


 
あと、今回の記事で、少しWEBで調べていたら、こんな記事を見ました。
こんなデタラメな、すぐにばれるウソも、もう止めてね、自分の国が恥ずかしいだけだから。





■ 中国駐米総領事が事実に反する発言
「日本は侵略認めず謝罪拒否」
賠償要求「3500万人殺害」

 【ワシントン4日=古森義久】中国政府の公式代表であるサンフランシスコ駐在 総領事が地元での公開のシンポジウムで日本政府が中国その他のアジア諸国 への過去の侵略を認めず、謝罪もすべて拒んでいるとする、事実に反する言明 をしたことが四日までに明らかになった。同総領事は日本が戦争中に中国人三千 五百万人を殺したという根拠のない数字をあげる一方、日本政府に中国側への 賠償支払いまでを求めた。
 中国のサンフランシスコ駐在の王雲翔総領事は四月二十二日にサンフランシスコ 大学で開かれた「日本の戦争記憶問題と対決する」と題するシンポジウムで基調 演説者の一人として発言した。王氏の発言内容は複数の参加者による録音報告 で一般にも明らかとなった。

 王総領事はまず日本の対中侵略についてとして(1)一九三一年の中国東北部の 占領から四五年の終戦まで日本軍は中国人民に対しホロコーストを働き、合計 三千五百万人の中国人を殺した(2)三七年に南京を占領した日本軍は六週間で 三十万人の中国人を殺した(3)その際、日本軍将兵は殺人の競争をした(「百人 斬(ぎ)り」への言及)-などと述べた。

 王氏はさらに日本はフィリピンその他の近隣諸国をも侵略し、残虐行為を働いた と述べたうえで「こうした残虐や長年の経過にもかかわらず、日本の政治家も政府 も現在にいたるまで近隣諸国への侵略を認めず、残虐行為を否定し、中国、韓国 を含むこれら諸国に対し口頭でも法的にも謝罪することを一切、拒んでいる。日本 政府は犠牲者への賠償支払いも拒否した」と言明した。

 王総領事はまた日本政府が戦争中の侵略や残虐の記述を教科書から削除し、 国際社会への責任を果たしていないため、近隣諸国の間には日本がまた侵略戦争 を始めるのではないかという懸念があると非難したうえで、「中国政府としては日本 政府に対し(侵略の)犠牲となった諸国に対し公式、かつ法的に謝罪し、犠牲者への 賠償を支払うことを厳粛に要求する」と述べた。

 このシンポジウムは中国政府ともきずなのある「中日戦争真実保存同盟」など 中国系米人の活動家組織の共催で開かれ、「ザ・レイプ・オブ・南京」の著者のアイ リス・チャン氏や韓国のサンフランシスコ駐在副総領事も基調演説者として発言した。 主催者側では日本のサンフランシスコ総領事も招待したが、辞退したと述べている。

産経新聞

言うまでもなく、日本は多くの国と条約を結んで、賠償金を支払ったし、中国や韓国にも何度も謝罪を行って来ましたね。
中国に対して、今まで行った謝罪は、一体何だったのでしょうね、もう何も言わない方が良いですね、日本がいくら謝罪しても、中国側では謝罪は無いと言う始末で、しかも、中国だけでなく、その他のアジア諸国まで巻き込んで、ダシに使うし。

もっとも、シンポジウムは中国政府ともきずなのある「中日戦争真実保存同盟」など 中国系米人の活動家組織の共催で開かれたものらしいので、いわば中国のオナニー的な会議だから、そんなに気にする必要も無いかも知れませんけどね。
でも、いくらオナニー会議でも、これほど堂々とやられては、どうみても日本をなめているか、喧嘩売っているようなものでしょ、やはり中国との付き合いを見直すべきだと強く思うね。



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10 18, 2004

やっぱりキーワードは橘高

先週の土曜日から、日本プロ野球でも日本シリーズが開催されました。
でも、いきなり第1戦からやってくれました。

現在、ファンのプロ野球離れが問題になっており、球界再編成とか、ドラフトやFA、交流試合や放映権などの、プロ野球そのもののシステムを含めて、プロ野球改革が必要だと言われております。
もちろん、選手側も年俸の高騰による経営圧迫を抑えるべく、サラリーキャップまで睨んだ改革が必要だといわれています。

そして今回の事件は、球団側、選手側に続いて、最後の聖域も、改革が必要だろうと再認識させてくれたものです。

何があったのか、今更取り上げる必要も無いかもしれませんが、一応記事を載せておきます。

大失態…誤審で49分間中断

中日VS西武の日本シリーズ第1戦がいきなり大ハプニングに見舞われた。
五回裏、審判団のミスジャッジで一度下った判定が覆り、49分間の試合中断。中日・落合博満監督(50)と西武・伊東勤監督(42)が事態収拾のためホームベース付近で“公開監督会議”を行う超異例の展開に、ナゴヤドームは一時騒然となった。試合は西武が完封で先勝。

両軍ベンチから落合、伊東両監督がゆっくりと歩み出ると、飛び交っていたファンの怒声は一瞬にして歓声に変わった。
ホームベースを挟んで、2人の指揮官は対峙(たいじ)した。審判団を含めて話し合う光景は、さながら「公開会議」。
試合中では極めて珍しいシーンが、シリーズ開幕戦で起きた49分間もの中断を、ようやく収拾へと向かわせた。

五回一死一塁からの判定がきっかけとなった。打者・谷繁の打球は本塁ベース付近に落下。すかさず捕球した捕手・野田は打者走者の谷繁にタッチする動きを見せた。橘高球審は、この直後にアウトの判定。しかし、野田が二塁に送球した後、一塁走者・リナレスより早く二塁ベースに達した遊撃・中島は送球を受けると、タッチせずに一塁に転送。本来はタッチプレーだったが、杉永二塁塁審はリナレスに「アウト」を宣告した。

併殺完成と判断した西武ナインは三塁ベンチに引き揚げた。だがここで中日・落合監督が猛然と抗議に出た。「谷繁がタッチアウトなら、二塁はタッチプレーじゃないか!」。この抗議を受けて審判団はすぐさま協議。判定を覆すことを決め、三塁ベンチに説明に向かったが、今度は伊東監督が大激怒だ。

二塁塁審がアウトの判定を下した点を主張し、一歩も譲らない。三塁側ベンチ前で審判団といがみあう状況が延々と続いた。スタンドも騒然。状況打破のためにコミッショナー事務局関係者が審判団と協議し、ホームベース前に両監督を呼んで再度、説明を行うことを決めた。この「舞台」が結局、事態収拾の決め手となった。

審判団は二塁塁審の誤審を謝罪し、これを受けて伊東監督も二死二塁からのプレー再開に合意した。計5回の場内説明を行い、最後には「われわれにミスがあった」と公に誤審を認めた。「ジャッジに不手際があった」(橘高球審)と頭を垂れた。「間違いを認めてほしかった。『悪い』と言ってくれれば、ここまで大きな騒ぎにならなかった」。快勝したが、伊東監督の胸にも大きなしこりが残った。

石井貴と川上の緊迫した投手戦は、頂上決戦にふさわしく見応えがあった。それだけに、水を差した一つのジャッジがあまりにも口惜しい。

(デイリースポーツ) - 10月17日10時59分更新

この記事では、特に書かれていませんが、コミッショナーが試合の途中で帰ってしまい、この中断事件の時には、不在だったそうですが、まあ、この根来コミッショナーは、合併問題以降、選手会スト問題に大して、無能で役立たずのお飾りコミッショナーだったと言うことが、暴露されていますので、今更途中で退席する無責任さを追及しても、なんら影響もなく意味も無いので、根来コミッショナーは放置するしか無いでしょう。
次のコミッショナーは、まともな人選をするべき、と言う反面教師的な存在ですからね。


 

さて、改めてこの試合中断の原因となった、審判のミスをまとめると・・・
 1.主審が、野田捕手の打者谷繁に対する空タッチを、アウトとミスジャッジする
 2.二塁塁審が、主審が打者アウトのコールをしたのに、二塁ホースプレイでアウトをコールしている
 3.ダブルプレイ成立で、一旦はチェンジとしてしまった
 4.中日、落合監督の抗議を受け、3の判定を覆してしまった
 5.長い時間、自分たちのミスジャッジの謝罪をしていなかった

こんなところでしょうか。
このうち、2番だけが二塁塁審のミスですが、ただし、二塁塁審はホースプレイジャッジした時は、主審のいる本塁側には背を向けて、クロスプレーの判定が出来るように、一番見やすい位置に立っていたので(これは塁審として正しい行為だと思う)、自分の目で主審のジャッジを見る事は不可能でした。

となれば、主審は打者アウトと判定したジャッジを、大きな声でコールして、他の選手、審判員に対して、情況を知らせる必要があったはずです。
しかし、結果的に主審のアウトジャッジを聞いたのは、試合のあとのコメントによれば、打者の谷繁だけだったらしい。
落合監督は、自分では聞こえなかったが、ベンチに下がって来た谷繁が、アウトと言われたと聞いて、それなら二塁はタッチプレイだと、審判に抗議したらしいので。

どうも、西武の野田捕手も、主審のジャッジは聞こえていなかったらしい。
(あの位置で、主審のコールが聞こえないことが、あるのだろうか)
もっとも、TV映像では、フェアのジェスチャーを行ったあと、きちんとアウトのジェスチャーもやっているので、コールしたことは間違いないでしょうけど。
まあ、西武の野田捕手も、自分がノータッチだったのを知っているので、始めからアウトなどある分けないと思い込んでいた部分もあったのでしょうね、ともかく主審のコールは聞こえていなかった。

となれば、1番のミスジャッジ、2番の主審のジャッジを周囲に知らせる行為を怠った、3番の打者アウトなのにホースプレーを認めてしまった、4番の監督の抗議で、ダブルプレーを取り消した(判定を覆した)、5番の自分達の非を認めず、無駄な時間を費やした、これ全て主審の責任ですよね。


さてさて、では全ての責任を負う、この主審は一体誰だったのか・・・


 橘高主審 

と言います。

この名前を聞いただけで、ピーンと来た人は、そこそこプロ野球ツウですね。(笑)

まあ、「橘高 誤審」でネットで検索しても良いでしょう、今回の事件もかなり引っかかりますが、検索してみれば、この審判は以前から、いろいろ問題を起こしていた人物だと分かります。

ざっと並べてみます。



1998年7月31日
甲子園での阪神-巨人戦。
橘高球審の判定に不満を抱いた巨人のガルベス投手が、交代させられてダグアウトに戻る途中、橘高氏に向かってボールを投げつけるという、前代未聞の暴挙に出ました。
この事件に関しては、不満があろうとも、ボールを投げつける行為に正当性は無く、ガルベスは処分を受けました。
これも当然なんだけど、ガルベスが判定に不満を持ってボールを投げつけた主審は、橘高ただ一人。

 


2000年5月6日 横浜-中日戦。
7回に同点に追いついた中日が、さらにチャンスで打者立浪の場面。
2アウト、ストライクカウント2-1から立浪が自信を持って見逃したボール球を、橘高主審に「ストライク」と判定され、怒った立浪が、主審を突き退場を宣告された。
その瞬間、中日星野監督を先頭に中日ベンチから人が飛び出して主審の元に。まずは星野監督が橘高に一撃。さらに選手、スタッフで周りを取り囲んだところで後ろに回った、もちろん抗議権など存在しない大西が蹴り、 橘高は肋骨を亀裂骨折。
1つの判定をめぐり、3つもの退場処分が出たことは珍しい。
もちろん、暴力を振るった大西選手、小突いた立浪選手、星野監督には弁明の余地はなく、当然処分が下ったが、1つの判定でこれほど騒ぎが大きくなったのは、それまでにいろいろ伏線があった事に違いないでしょうね。



2000年6月8日
甲子園の阪神-巨人戦。
打席を3回外した阪神の和田に対し、巨人のメイが和田の頭めがけて故意にボールを投げつける事件が発生。
ボールは和田の頭部付近をかすめたにもかかわらず、橘高球審は何もせず。
メイは「あれは当てると言うより威嚇。ホームベースを狙ったのかって、to him(和田のこと)だ」と発言。
後日連盟により、もちろんメイは出場停止10日間、罰金50万円の処分を受けましたが、なんと打席を故意に何度も外す阪神ベンチに対し、何の注意もせず、またボールデッド中に故意に、選手にボールを投げたメイにも何の処分をしなかった等の理由で、何もしなかった橘高主審達にも厳重戒告の処分が下りました。


とまあ、一応橘高氏は、暴力に関しては被害者ではありますが、そこまで選手に不満を持たれる、場当たり的な判定、終始一貫していない判定基準や、試合をコントロールする技術など、非常に劣った審判であることは、過去の事件を拾って行くだけで分かります。

そして、不思議なのは、これほど問題が多く、技術的にも未熟で選手側に不満を持たれてしまうような審判が、どうして日本シリーズという年度最高の舞台の、第1戦と言う大事な試合の主審になれたのか、と言うことです。

この3つの事件は、当時でも相当に話題になって、橘高審判の名はある意味有名でしたが、そのような審判がなぜ、大事な試合を任されたのか、多くの人が疑問に思っていると思います。
また、疑問に思っているだけでなく、実際に第一戦では、その橘高主審の審判の技量が未熟なため、また、非を認めない横暴な態度が原因で、史上2番目長さである試合中断の問題を起こしてしまったわけですから、不思議と言うよりも、審判部は何を考えているんだと、ファンや選手は怒っているんだと思います。

 

これは私の持論なのですが、全て、審判団の内部で、自浄システムが無い事が原因だと思っています。
単に、長い間審判をやったので、そろそろ日本シリーズの主審もやって良いだろうと言う、技術的に認められてではなく、単なる勤続年数の褒美みたいなもので選ばれているからでしょう。
選手やファンにとっては、審判員の勤続年数が10年だろうが20年だろうが、関係なく、審判技術が伴った立派な審判にその試合の主審を任せたいと思っているはずで、ベテランだから任せるといった古いシステムでは、もう止めるしかないでしょう。

これはまるで、国民が長い間嫌った、政治家の派閥による閣僚ポストと同じです。
当選何回目だから、そろそろ大臣ポストを用意しなきゃ、今回は私の派閥からは何名、キミの派閥からは何名の大臣を出すか、などといった、能力や実績で大臣を選ばなかった時代を想像させてくれるような、愚かな選出方法だからですね。


審判にも、サッカーのように、きちんと試験を受けさせて、能力別にクラス分けするべきでしょう。
1軍の試合を担当するのは、A級審判資格を持つもので、オールスターや日本シリーズなどの大舞台は、A級の中でも技量が認められたS級が勤めるとか、そのような制度にすれば、選手も納得するでしょう。

しかも、技量は内部で勤続年数で自動的に上がるのではなく、試合後の両チーム監督、選手の評価と、第三者によるチェック、ストライク、ボールコール基準は一定かどうか、ジャッジは大きく、正確に行っているかなど、各項目でチェックを行い、良ければランクアップしたりする。

試合中の判定は従来どおりでいいが、試合後、ビデオなどの判定でミスジャッジが判明した場合は、きちんとリーグに謝罪、告知して、ミスジャッジをした審判には、査定ポイントを引いて、酷い場合は研修を受けさせるなどの、審判内部できちんとしたシステムを構築すべきでしょう。

これがきちんと整備されていれば、少なくとも、今回のような技量が未熟の橘高が主審を行うことも、仮に誤審があったとしても、これほどミスを何重にも重ねて、長時間の中断をおこなうような事は無かったはずです。

今のように、ミスジャッジは認めない、抗議は受け付けない、ただそれだけでは、もはや選手もファンも、その審判は神様だ、と言うやり方に付いて行けなくなっています。
最近は、ビデオなどの便利な技術もあり、取り入れているスポーツ競技もありますから、益々ミスジャッジが明白でありながらも、意固地な組織として存在するのは、余計反発を生むでしょうね。


 

今年は、合併問題に、選手会ストの問題もあり、プロ野球界を改革しなきゃならないと叫ばれています。
プロ野球は球団、選手、審判の3つが存在しますが、改革はやはり球界システムだけでなく、もちろん選手側の年俸もそうですし、この際は審判団もきちんとした改革を行い、ファンや選手に、信頼されるシステム作りが必要でしょう、決して審判は今回のプロ野球界核問題からは蚊帳の外ではない、それを実感できた事件だったと思います。



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10 15, 2004

野党の脊髄反射的な対応

小泉首相が、何でも米大統領選でブッシュを強く支持したみたいな報道がなされていますな。
本音は当然だろうけど(笑)、でも、公然と言っては何かと問題は多いでしょうね。
でも、民主党の国対委員長が内政干渉だ!と、面白いことを言ったとか。
相変わらず、笑いのネタを振りまいてくれるなぁ。





民主、首相の応援発言批判 閣僚は「友情」と擁護

 民主党の鉢呂吉雄国対委員長は15日午前の記者会見で、小泉純一郎首相が米大統領選でブッシュ大統領の再選を期待する発言をしたことについて「内政干渉につながる問題ではないか。首相の場合、(対米)介入というより追随だが、他国の選挙で特定候補を応援する発言は、民主主義の観点、外交や国際関係からいってもおかしい」と批判した。
 一方、閣僚からは15日の記者会見で、首相を擁護する発言が相次いだ。
 細田博之官房長官は「親しいブッシュ大統領に頑張りなさいとエールを送ったが、どちらの候補が勝てばいいと言っているわけではない」と釈明。日米関係への影響について「特にないと思う。どのような選挙結果でも日米の固いきずなは揺るがない」と強調、民主党のケリー候補が当選した場合、首相が親しい関係を築けるかとの質問には「当然だ」と答えた。
(共同通信) - 10月15日11時26分更新


この鉢呂吉雄議員って、自分のとこのボス(党首)が、ついこの間大事な国会を休んでまで、ケリー候補の米民主党大会に出て行った事を忘れたのか?
靖国神社の首相参拝に対する、中国、韓国の対応は、内政干渉とは言わないのか?

全く、自分の事を棚に上げて、首相の言葉1つに、意味を吟味せずに反射的に反対ばかりするなぁ。
しかも、内政干渉だなんて、中国にも言ったことが無いようなことを、自分の国の首相にはすぐに言うとは。


自民の武部幹事長が言っていることは、一理あるでしょ、ケリーは北朝鮮問題には六カ国協議を無視して、二カ国協議を行うべきという主張であり、それは北朝鮮の核開発、拉致問題を包括的に解決したい日本の政略とはかけ離れているから、その意味ではブッシュの方が北朝鮮問題では、応援できるだろうに。

もちろん、米大統領選であからさまに一人の候補を応援してしまうのは、対立候補が当選してしまった場合に、非常に両国の外交に問題が生じる可能性が高くなるけど、もっとも、経済や外交において、日本は共和党の方が民主党よりはありがたいのは、昔から変わっていないでしょうし。

よく調べたら、鉢呂吉雄ってのは、北海道の横路派の、モロ社会党出身じゃん。
そりゃ分かる、社会党ってのは与党に対し、何でも反対、反対と唱えて来ただけで生きのびて生きた政党だったからね。
キャビネット内閣など気取っていたけど、いざ、連立でも自分たちの党首が首相になって見れば、いかに政治能力が無かったか、国民に恥をさらして、すぐに解体しちゃった政党ですからね。
口先、反対だけする政党ってのが、国民にばれちゃったわけですから、しょうがないけど。

まあ、その社会党出身である鉢呂氏は、何でも与党には反対党のクセが出ちゃったんだろうね。
自分の意志とは無関係に反応する、膝蓋腱反射みたいなもんだね、自分たちの党首がほんの3ヶ月ほど前かな、何をやったのかも忘れて反応しちゃうんだから。(笑)


思うに、二大政党として政権交代を目指すうえで、脊髄反射を起こすような旧社会党の議員って、いい加減に民主党は切り離せないないと、本当の政権交代が望めないでしょうね。
個人的には、民主党内にも結構な人材はいると思っているんだけど、全てを台無しにするのが旧社会党の議員であり、二大政党といいながらも、ピントのずれたことばかりやって、政権を取れない期間が続くと、それは単なる第2の旧社会党になるだけで、どっぷり野党の立場に浸ってしまうだけだと思うんだけどね。


 

本当なら、小泉首相が米大統領選でブッシュ大統領の再選を期待する発言を、本当に述べたとしたら、どんな形であれ、それは首相の発する言葉としては、無用心だろうとは思うのだが、実はこんな記事も見つけた。




14日夜の首相と記者団のやりとりの要旨は次の通り

 〈記者団〉 第3回テレビ討論があり、各社の世論調査でケリー氏勝利という結果が出たが、盟友であるブッシュ大統領にどういった言葉をかけたいですか。

 〈首相〉 世論調査と選挙の結果が違うことはよくある。結果を見ないとわからないですね。他国の選挙には干渉したくないけど、ブッシュ大統領とは親しいから、頑張っていただきたいね。
 (朝日新聞) (10/15 11:35)


これ、マスコミの誘導尋問でしょ。
仮に、ここでブッシュではなく、「ケリー議員に一言」と記者に問われても、小泉さんなら「まあ、がんばってください」とか言ったでしょうが、それも「小泉首相、ケリー議員の当選を期待する発言」とか記事にするのか?

現在、世論調査で不利な盟友に、どういった言葉をかけたいですかと聞かれて、親しいので頑張って頂きたいとは、まさに自然な応援だと思うけどね。
これが、いつのまにか、米大統領選挙に日本国の首相が、片方に肩入れ発言とか大げさな発信になるのか。
マスコミが言葉尻を捕らえて、あまりにも偏った報道をし過ぎる、悪しき一例だね、これはひどい。

朝日新聞によれば、世界10カ国で行われた世論調査の結果として、米国の同盟国の国民の大半が、米大統領選でケリー民主党候補に好感を持っているらしいね。

国名      =ケリー:ブッシュ
イスラエル   = 24 : 50
ロシア     = 48 : 52
イギリス    = 50 : 22
日本      = 51 : 30
オーストラリア = 54 : 28
メキシコ    = 55 : 20
スペイン    = 58 : 12
カナダ     = 60 : 20
韓国      = 68 : 18
フランス    = 72 : 16

イスラエルが、ユダヤよりの民主党よりもブッシュを支持しているのは、今までの実績から?
ここだけは良く分からないけど、欧州全般は、イラク戦争への経緯からして、反ブッシュだろうね。
もっとも、反ブッシュと言うよりは、反米国中心主義だろうけどね。

ただ、日本がどうしてブッシュよりケリーなんだろ?
ケリーは、ブッシュのイラク戦争のやり方に批判しているんだけどね、俺ならもっとうまく出来たって。
つまり、日本は反戦でのブッシュ嫌いだと思ったけど、よりイラク戦争強硬派みたいな側面があるケリー候補を支持とは、ちょっと違うんじゃないかなと(勘違いなのか、マスコミに誤った印象を刷り込まれているとか)。
おまけに、民主党って、経済面でも日本には好ましくないしね、北朝鮮問題でも、先ほども言ったけど日本にはプラスにならないんだけど。

もっとも、好き嫌いでいけば、オレもブッシュは嫌いだけどね。(笑)
どう考えても、イラク戦争は誤った選択だったからね。(でも、日本の米支持は間違っていないと思っている)
かと言って、ケリーが好きなわけじゃない、どちらかと言えば、候補者よりも政党で、民主党より共和党の方が日本には都合よいと思うので、共和党を支持するだけ。


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10 12, 2004

パリーグ・プレーオフ 是非論

今年のプロ野球界は、本当に動乱の年でした。
もちろん、問答無用の近鉄、オリックスの合併問題に、ナベツネの独裁、NPBの横暴や選手会によるストなど、本当に大変な年でした。

その締めくくりに、パリーグが初めて導入したプレーオフがありました。
導入には賛否両論はありましたが、今年度の結果は、リーグ戦では2位の西武が、ダイエーを破って、2年ぶり15度目の優勝を果たしました。


ネット上では、各論が飛び交っていますが、私もプレーオフについて自分の考えを述べてみます。


まずは、私の立場を明確にしておくと、プレーオフは大賛成派です。
今年のプレーオフは、少し出来すぎの感じも受けますが、本来はあれほど劇的な展開になる事は、まずない気がしますけどね。
ただまあ、今年のような展開にならなくとも、プレーオフ制度は導入して良かったと思っております。

もっとも、アドバンテージ面で、ホーム&アウェイの差だけで良いのかと言う疑問や、今後に向けての改善面は、議論の余地あると思いますが、総合的に見てのプレーオフは、今回は非常に良かった。

ペナントレース終盤の3、4位争いが盛り上がったのは言うまでもなく、5ゲーム差以上が開けば、1勝分のアドバンテージと言う条件も、最後までダイエーと西武の戦い方に緊張を持たせたもので、賞賛されるべき条件だった。
プレーオフの出場権が決まっている両チームで、首位と2位のゲーム差が開いている試合にもかかわらず、ダイエー西武戦の最終戦は、まるで勝った方が優勝するかのような、非常に緊迫した、盛り上がった試合を見せてくれた。

結果的に、3勝2敗で西武が勝ったわけですが、ペナントの最終戦でダイエーが西武に勝っていれば、ゲーム差が5ゲーム差以上が開いたわけで、そうなっていれば、プレーオフもダイエーが2勝をした時点で、優勝が決まっていたわけですから、ペナントの1位と2位の最終ゲーム差の、わずか0.5差が、プレーオフにも劇的に影響をもたらせたわけで、この5ゲーム差という基準も、非常に効果的な案であった事がわかる。
これは、ダイエー三冠王の松中選手のアイデアだそうですが、これまた成功した事例の1つでしょう。

このように、機構側と選手側、出来ればファンも参加して、1つの企画、新しい試みを考えて導入できれば、これからも面白い制度、システムが出来る気がして、賛成したいですね。


また、アドバンテージの面でも、ペナント1位だったダイエーは、ステージ2からの戦いで、おまけに5戦全部ホームでの試合と、条件はそれほど悪いとは思えなかったし、西武が最終戦で勝って優勝を決めたのも、ステージ1からの8試合、5ゲーム差を開かせないペナントの終盤の戦いなど、決してハードルは低くなかったと思いますし、その中での優勝は、十分に評価されるべきでしょう。


 

ところで、ネットを見ていると、不満だった方が声を上げる傾向が強いので、ネットでは目立つと言う理由もあるのでしょうが、意外に多くの方が、プレーオフ制度に反対している、不満を持っている事に、正直な話し私は驚いています。

確かに、シーズン前にプレーオフ制度が導入される事が発表された時、反対の声も聞かれたのは事実ですが、現在の反対、批判の声はそれを上回るもので、結果を見て怒っているとしか思えないほどの多さ。

ダイエーファンが、内心納得しない理屈は、分からないでもないが、シーズン途中でルールが変わったわけでもなく、最初から決まったルールでシーズンを戦って来たわけですし、それを負けたから、「やっぱり反対」「シーズンの価値が無い」などと声を荒立てるのは、多少大人げない気はしますね。


 

ペナントレースか、プレーオフか、どちらが優勝を決めるのにふさわしいと考えるかは、これはもはや個人の感性の差、もしくは制度に対する慣れの問題もあるでしょう。

そもそも、ペナントが1位だったダイエーが優勝出来なかった事で、「1位のチームが優勝出来ないのは、やっぱりおかしい、ペナントの意味がなくなる」という意見も聞かれますが、私から見ればそりゃ当たり前です。

そもそも、プレーオフとは1位だろうが3位だろうが、プレーオフに出場できる全てのチームに、優勝できるチャンスを与える事であり、今回のNPBのように、1位のチームにはかなりのアドバンテージがあったにもかかわらず、1位のチームが優勝を逃してしまう、不利な条件で逆転優勝をする可能性がある、そこに、プレーオフを導入する意味があるのですから、1位が優勝できなかったからおかしい、と言った感じに受け取れてしまうような言い方は、プレーオフそのものを理解していないと言っても、過言じゃないでしょうね。


 

私は、以前からアメリカスポーツで、MLBはもちろん、NFLやNBAなど好んで見てきた事もあり、プレーオフには全く違和感などなく、むしろ導入にはシーズンの変化をもたらせるので、大賛成であり、個人的には以前から導入するべし、と言う考えでした。
反対に、サッカーなど(欧州スポーツ)1リーグだけで、前後期別れるとか、プレーオフも日本(ワールド)シリーズに当たるものもなく、優勝を決める事には違和感がありました。
ですから、ずっと日本の野球に慣れ親しんだ人から見れば、プレーオフ制度は違和感を感じて反対する、その気持ちを持っている人が多い、という話は分かります。

 

長い間戦って、チームの成績を決めるペナントレースの意義は、プレーオフを導入してもそれ自身、何ら色あせることはない、私はそう思っています。
例えば、ダイエーと最下位のオリックスでは対戦成績はダイーエの23勝4敗ですが、もし、この両チームがトーナメントで1回戦で当たったとしても、15%ほどの確率で圧倒的な成績を残すダイエーでも、負ける可能性があるわけですよ、最下位になる可能性がそれほどあると言う話です。
ですから、長いシーズンを戦って、最終的に順位付けする事には、より実力があるチームを選ぶ意味があり、そこで1位になる栄誉は何ら色あせることなく、賞賛されるべきものです。


ただ、プレーオフは、その長いシーズンを戦った上で、なおかつ、短期決戦でも勝てるだけの実力を要求されるわけで、意味合いが全く違います。
真の実力者とは、長いペナントレースで1位を取り、プレーオフでも優勝をもぎ取るか、2位か3位に甘んじたとしても、不利な条件の下で、成績上位のチームに対して勝ち上がって優勝できるチームこそが、真のチャンピオンだ、そう言う認識で良いでしょう。


1位をとっても、2位や3位のチームに優勝をさらわれるのは不公平だ、ズルイという意見も聞かれますが、それを言うなら、シーズン開始前からプレーオフは決定されていたわけですから、ズルイと言われるならご自身でその方法、自分達が2位や3位になって、最後で逆転優勝する戦法を選択すれば良かったのです。
ペナントも1位、プレーオフでも1位を目指して、夢半ばで敗れたものを、シーズン前から決まったルールをズルイなどの言葉で批判するなら、それはまさしく、プレーオフの優勝を目指してシーズンを戦ってきた選手自身への冒涜だと、私は思うんですけどね。

つまり、ペナンとレースの意味がなくなる、そう感じるのは、あくまでも見ている人、ファンの方で、そのように見てしまうからだと思います。


NBAなどは、前チームの半数がプレーオフに参加します。
シーズンなどは、プレーオフへの出場権の獲得、アドバンテージを得るため、プレーオフで勝ち残るためのチーム作り、調整など、多様な目的で戦っています。

今年のパリーグも、例年なら7月の時点で、3位以下のチームは消化試合になってしまい、なんら、緊張感も意味もない試合が3ヶ月ほど続いた事でしょう。
ところが、今年はプレーオフと言う目標があった為、5位までのチームが終盤まで頑張れた、ファンも応援できた、これこそがプレーオフの最大の目的でしょうね。

プロ野球、パリーグを盛り上げるのに、最後まで選手もファンは諦めない、そんな試合が出来るのですから、制度的には何が悪いのか、個人的にはさっぱり分からない、と言いたい気はするんですね。(笑)

 


 

あと、余談ですが、私がプレーオフに賛成する理由は、もう一つあります。
それは、パリーグは昔から、DH、予告先発などのアイデアを積極的に取り入れ、以前は前後期制まで導入して、セリーグとの差別化を計り、何とかパリーグ人気を掘り起こそうをした経緯があります。

ネットでは、プレーオフを導入するなら、セリーグもやらなければ不公平なだけ、意味がないと批判する人もいますが、セリーグも導入するのが、私はベストだと思ってはおりますが、今年の選手会のストがあるまでは、セリーグは読売人気にオンブに抱っこでここまで上手くやってきて、何ら自分達で変革をしようとも、パリーグに対し歩調を合わせようともしてきませんでした。

もちろん、セパによる交流戦でもセのオーナーの反対で実現せず、放映権料の話しも含めて、いろんな案がパリーグから出されてきましたが、その都度、危機感を持たないセリーグのオーナーに無視されてきたわけです。

その中で、パリーグだけでNPB規約に違反しない形で、新しい試みを行ってきたパリーグの評価をしているからです。
セリーグも導入しなければならない、などと言っている方は、今までのセリーグの対応をご存じなのでしょうかね、パリーグが持ちかけても無視するのがセリーグの常でしたから、同時に導入など出来るわけありませんでした。


今後、NPBもどのような変化をするのか、未だ不透明ですが、個人的にはただ合併と新チーム加盟だけで、放映権やドラフトなどの根本的な問題を解決しない限り、また同じ事が今後も起きることは火を見るより明らかですから、改革して欲しい、セパ両リーグで共同で改革して欲しい、そう思っていますので、今後はこのようなパリーグだけの制度、みたいな歪な形は減ってくれると、信じたいのですが。


 

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10 07, 2004

首相靖国神社参拝の外交カード

民主党の岡田代表に、私が信用を置かない点は、在日外国人参政権もそうですし、この記事による内容のように、中国と外交を行う場合、日本国民に向かって語りかける内容ではなく、中国側に向かって話しかけているように見える点ですね。

まあ岡田代表は、イオングループが中国にも進出しているから、中国政府には甘いとか言われている始末なんだけど。
この辺は、靖国参拝を持ち出して、首脳会談を行わないのは間違いだと言い切った、安倍氏とは大違いだわね。





A級戦犯合祀が問題 靖国参拝で王毅大使

 民主党の岡田克也代表は7日、中国の王毅駐日大使と党本部で会談した。
 王氏は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題に関連して「A級戦犯の問題が、靖国参拝ということよりも大きな本質的な問題だ」と述べ、A級戦犯の合祀(ごうし)が問題との認識を示した。
 これに対し岡田氏は「そういう中国側の基本的な認識に対する日本側の理解も深まってきたのではないか」と述べた。
 また王氏は、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議について「米大統領選後に動きが出てくる」と述べ、次回協議は11月の米大統領選後になるとの見通しを示した。その上で「(これまで)北朝鮮と辛抱強く対話を続けてきた。これからも対話を続けて朝鮮半島問題を解決したい」と協議を継続する考えを強調した。

(共同通信) - 10月7日14時2分更新

岡田氏の語った内容を簡潔にまとめると、「靖国参拝問題は、中国側はA級戦犯の合祀が問題である、と言う基本的な認識を、日本側の理解も深まってきた」と言うことでしょうか。

ふ~ん、どうなんでしょうね。
私は少なくとも、中国が靖国参拝を問題に持ち出してくるのは、あくまでも政治的な問題であり、A級戦犯などの話は、たんなるこじつけだと思っているし、このブログでも何度も書いてきましたけど。

もっとも、中国側が建前上叫ぶ靖国参拝の反対理由は、A級戦犯の合祀であると、イチャモンをつけている程度の話であれば、そのことは知っていますけどね。
ですから同じく、中国側の行動に、理解と賛同を示す国民が増えているとは、あまり思わないけど、少なくとも、中国側が靖国神社の参拝を問題にしていて、それはA級戦犯が合祀されているからと言っているから、と言うレベルでは、国民の多くは知ってきているでしょう。
その意味では、岡田氏の言っていることも、あながち嘘じゃないかもね。(笑)


 

A級戦犯の合祀ですが、そもそも合祀は、国民の意思で決まったのです。

まず、戦争裁判の刑死、獄死者の遺族年金、恩給支給の運動が起きました。
懲役三年以上の刑に処せられた者の恩給は、停止される決まりがありましたが、戦争裁判の刑死者等は、日本国内法の犯罪者ではなく、戦争の犠牲者と考えるという事であり、当時の国会の全会一致で決定されました。
つまり、国会の全会一致で、戦犯として裁かれた人も、戦争の犠牲者と考える事で承認されたわけです。
そして、昭和53年にA級戦犯の14名が靖国神社に合祀されました。


ここで大事なのは、この当時(A級戦犯合祀した時)、中国側からはなんら抗議もなく、54年の大平首相、55、56年の鈴木首相の参拝も、何も問題は起きませんでした。
57年のあの、日中戦争の「侵略」を「進出」と変えたと、中韓が抗議を行った教科書問題の年でも、靖国参拝に関しては、中国側はなんら問題になりませんでした。
この年は、中国による対日抗議が激しかったのですが、それでもです。
そして、58年、59年と中曽根首相が、靖国に参拝しても、以前と全く同様に、中国側は靖国の「や」の字も口に出すことはありませんでした。


ところが、昭和60年(1985年)、A級戦犯が合祀されて7年も経過したこの年、朝日新聞が書いた記事と、かの新聞社が取った行動が、今の靖国神社参拝問題に繋がる、非常に重要で、今から振り返ればとんでもない事をやってくれたのです。
朝日は、当初、政教分離問題で靖国神社を取り上げていましたが、そのうちエスカレートしたのか、A級戦犯合祀の靖国への政府首相の参拝は、軍国主義の復活であり、これを中国政府が黙認するのは、日本軍国主義復活の黙認と同義である、と中国政府へ朝日新聞の記者はご注進したのです。

この辺から、中国の靖国神社参拝に対する抗議が始まったのです。

8月14日には、中国外務省スポークスマンが、「アジア各国人民の感情を傷ける」と、はじめて公式に反対の意思表示をし、そして、27日から30日までの社会党訪中において、社会党と中国は、公式参拝批判の気勢を大いに上げ、反対運動は燃え上がり、中曽根首相は、その後退任まで参拝できなくなってしまったのです。
そしてこの時以来、この干渉の成功に味をしめた中国は、靖国問題干渉を中国外交政策の一部として維持し、また、それは1995年の江沢民の愛国主義教育などにより中国の「国民感情」となり、日本国内左翼と相呼応しつつ今日に至っているのです。


 


まあ、この経緯から見てもわかるように、靖国問題は極めて特殊な政治的問題なんですよね。
A級戦犯合祀が最大の問題と言いながらも、合祀されて7年間も中国は何も反応せず、朝日新聞によって焚き付けられ、それに野党であった社会党が尻馬に乗って騒いだせいで、中国政府が味をしめたと言う構図です。

特に、社会党の責任は重く、そもそも靖国神社のA級戦犯合祀は、昭和28年の当時の社会党の衆議院議員が、戦犯が恩給も支給されず靖国神社にも祭られていない事を問題視し、国民の理解と支持を得て、国会で「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」を採択して、戦犯と称された人物たちが復権したわけです。

はっきり言えば、自分たちで戦犯を靖国神社に合祀するように働き、国会で全会一致で認められると、その30年後には自分たちでA級戦犯の合祀されている神社への首相参拝は、軍国主義復活だ、大問題だと騒いだわけですから、まるでマッチポンプです。
朝日新聞の中国へのご注進と言い、社会党の主体性のなさと言い、情けなくなりますね。


 

そう言うわけで、まず第一は、戦犯と呼ばれた人も含めて、彼らが国内において復権を果たしたのは、日本国民の意志であり、国会で正当な手続きを経て、認められたことは日本はきちんと認識しなければならない。
また、復権を果たした人達は、なんら国内において差別を受けることがあっては許されず、彼らが合祀されいる場所へ参拝は、国内の法律論(政教分離)などの問題以外で、日本国民の何人も制限を受ける必要はない、と言う認識を持てば、以下の町村外相、安倍副幹事長の意見の正当性が理解できると思います。

そして、中国の外交カードとして使われている靖国問題に関しては、日本は安易に妥協してはならない、毅然として臨む、その日本政府の姿勢もまた、理解するべきでしょうね。




外相「首相の靖国参拝当然」

 町村信孝外相は二十八日の記者会見で、中国政府が小泉純一郎首相の靖国神社参拝を批判していることについて「恒久平和のため渾身(こんしん)の努力をしていることを、日本国首相として英霊に誓う行為そのものは当然のことだと思う。それぞれの国にはそれぞれの(戦没者)慰霊の仕方がある」と述べた。さらに町村外相は「首相が個人の信念で参拝されることをいいとか悪いとか言うことは差し控えるべきだ」と述べ、中国側の批判は当たらないとの認識を示した。

(産経新聞) - 9月29日5時5分更新

安倍氏、中国を批判 首脳級会談見送り「間違い」 首相判断の靖国参拝「当然」

 自民党の安倍晋三幹事長代理は六日、都内のホテルで講演し、ベトナム・ハノイで開かれるアジア欧州会議(ASEM)に合わせて調整が進められていた日中首脳級会談が見送られたことについて「中国の外交政策は基本的に間違っている。どんな状況であれ、対話のパイプを切らないのが成熟した国家の知恵ではないか。文句があるなら会談で言えばいい」と中国側の対応を批判した。
 また、安倍氏は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝に中国側が態度を硬化させているとの見方を示したうえで、「首相が自らの判断で靖国神社を参拝するのは当然で、中国に言われたからといってやめる必要は全くない。首脳(級)会談を突破口に参拝をやめさせようという中国側の考えは間違っている」と述べた。

(産経新聞) - 10月7日3時3分更新


 

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10 05, 2004

江沢民にとっての文化大革命

最近は、サッカーのアジアカップ以降、日中関係について考えることが増えました。

私の8月10日付けのブログ記事「ザ・ワイドの葉千栄氏について」に、コメントを頂きましたので、こちらで書かせていただきます。

昔から中国では抗日教育は行われてきた。江澤民が党の書記長に就任する前から、日本鬼子に対する憎しみは中国人民の中に当然あったし、今より多くの抗日映画が作られていた。
しかし、今回のサッカーの試合のようにまた、西安での反日デモのようにこんな形で中国人が騒ぐのは聞いたことがない。
党の押さえが効いていたのか、もっと中国人は冷静だった。
あの忌々しい文革の時と同じ集団ヒステリー状態であった。
誰かがたきつけているとしか思えない。
江澤民の教育と文革の時と同じように「造反有理」が許されたように、「反日有理」が許されている状況があるのではないかとおもわれます。

葉千栄について「彼は彼なりに立派であったといえる。テレビという公の場で、中国当局を批判することはできない。最後に有田のコメントに反論せず、同意してたのが彼の本音である可能性もある。彼の日本語がわかりにくいのはデリケートな話題を話しているためだと思う。

確かに掲示板の内容は内容が無いようというくらいくだらんものです。

投稿者: JIANGHAO_JILIN (10月 5, 2004 02:13 午前)

 

まずお断りです、JIANGHAO_JILIN さんの本文では、「江澤民」と言う字を使っていますが、日本人には「江沢民」と言う表記の方が馴染みがあると思いますので、私はこちらを使いたいと思います。


 


昔から中国では抗日教育は行われてきた。江澤民が党の書記長に就任する前から、日本鬼子に対する憎しみは中国人民の中に当然あったし、今より多くの抗日映画が作られていた。
しかし、今回のサッカーの試合のようにまた、西安での反日デモのようにこんな形で中国人が騒ぐのは聞いたことがない。
党の押さえが効いていたのか、もっと中国人は冷静だった。

仰るように、江沢民が指導者になる以前から、昔から抗日教育は行われて来たと思います。
ただそれは、中国にとっては、アメリカを始めとする西側諸国、蒋介石が指導する台湾中国などに対抗する上での、太平洋戦争で戦った日本と言う国を利用しただけに過ぎず、共産党に敵対する西側諸国の1つとしての存在でしかなかったのではないでしょうか。

それは、戦後の中国を取り巻く環境を見ても分かるように、朝鮮戦争やベトナム戦争が勃発し、東西冷戦下のアジアでは、ソ連と米国の間に立ち、沖縄などの駐留する米軍の戦力は中国には絶対的脅威であり、その米国と同盟を結ぶ日本が日本海を挟んで存在し、複雑な国際情勢と不安定な国内情勢に対し、政治的な理由で、日本に対する一種の敵対心を煽ることで、そのはけ口を求めた可能性も十分にあると考えます。

ただし、それら一連の中国の動きと、今回のアジアカップでの民衆の暴動は、少しレベルが違う気がします。


私が思うに、今回の反日感情は、出発点が天安門事件にあると思っております。
ソビエトや東欧諸国の崩壊を見るまでも無く、人権が無視されがちな社会主義国においては、政治、政府に対する民衆不満が、ある時を境に爆発し、国内政治が転覆、変化することはよくある話で、それは歴史でも証明されてきている話です。
中国は、その民衆の不満を、まずは戦車と軍隊で、流血によって強引に封じ込めました。

ただ、中国にとっては、天安門事件はショックだったでしょう。
天安門事件は学生によるデモの拡大版で、本当の意味での民衆蜂起ではなかったことが、中国政府にとっては救いだったはずです。
もし、中国12億人の国民が蜂起すれば、政府など吹っ飛ぶのは、誰もが分かる話で、今回は何とか力で抑え込みましたが、もし、民衆レベルで蜂起されると、それこそ自分たちの身分の破滅です、下手すれば、民衆の手で処刑されてしまうかも知れない、共産党幹部たちが、この事件で恐怖したことは想像に難くありません。

鳥居氏の著書である「反日で生きのびる中国」によれば、この天安門事件により、共産党幹部は「我々の政治思想工作が中途半端だった」と反省し、天安門事件で象徴される、共産党支配の危機に際し、林彪による「両憶三査」を思い出したのではないかと推測しています。
ただし、両憶(階級苦と民族苦)のうち、階級闘争などとっくの昔になくなった死語、むしろ共産党幹部そのものが「特権階級化」してしまっていたので、階級苦をそのまま持ち出せず、憎悪の対象としてのブルジョア社会、階級社会に対して持たせたいた憎しみの対象を、ただ日本にシフトさせた、そう結んでいますが、私もその通りではないかと考えます。

1994年に発表された、江沢民の「愛国主義教育実施要綱」から始まる、反日教育による国民の政治思想工作は、JIANGHAO_JILIN さんも仰っているように、まさに江沢民にとっては、第2の「文化大改革」にも匹敵する、運動だったのではないでしょうかね。

例えば、抗日戦争記念館を数年もの歳月と、50億円相当の巨費を投じて、国家が作ったわけですが、国立の記念館なのに説明書にはジャップと平気で刻まれていたり、日本軍がこんなにひどいことを、これだけやったんだぞ、と言う表現で作られています。
国が作った施設ですから、当然、中国政府がそれを作ったのと同じですよね。
日本にも、原爆平和記念館というものが存在します。 原爆による悲劇を二度と繰り返さないためにも、事実を歴史を、後世に伝えようとする目的で作られており、決して特定の国家、個人を卑下にしたり、憎悪の対象に仕向けるようなものではないのです。

この違いは、決して日本の歴史認識が悪いとか、そのレベルではなく、中国の抗日記念館のような施設は、江沢民が指導者になって200あまりも国内に作られ、そこには「愛国主義教育基地」と位置づけられ、明らかにある政治的目的を持ったものが存在する。
その記念館、資料館を見た中国人が、日本人に対していかなる感情を持つのか、これまた想像に難くないでしょう。


 

さて、話は戻ります。
江沢民の狙いは成功したことは、この間のサッカーアジアカップを見ても分かりますね。
日本に対する反感が、まさかこれほどまで育っているとは、日本人はほとんど気付いていなかったと思います。
いや、むしろ中国政府も予期せぬほどの、反日感情の成長で、驚いたのではないでしょうか。

中国政府は北京五輪が控えている立場で、国民のあまりにも露骨な排日運動は、国際試合を主催する立場で非常にマズく、国民の暴走に歯止めをかけようと、テレビや新聞で呼びかけましたが、ほとんど効果はありませんでした。
また例えば、中国は日本の高速鉄道(新幹線)技術が欲しい、だから日本と連携を持ちたいと考える、しかし、国民レベルでは、日本となんか手を結ぶなと、強烈な運動が起きるのです。
これは、1つの例ですが、アジアカップでも、自制を促す政府に対し、日本の肩を持つのかと反感を買ったとか、そういった話は数多く聞かれます。

これら全てのことを考えると、予想以上に愛国主義(特に反日感情)が国民に根付いてしまい、もしかすれば、中国政府はこの国民の反日感情をもてあましているかも知れません。
日本とは貿易においてお互いが重要なパートナーになっており、今更中国も経済を捨ててまで日本と対立しようとは思っていないでしょうが、その外交上において国民が感情的に、日本との外交を邪魔をする存在にならないか、そこだけが気がかりなんじゃないでしょうか。


ある意味経済は成功した中国ですが、政治に関してはまだまだ閉鎖的で、ブルジョアの日本、過去には日本の暴挙を食い止めた、政府の存在、日本は搾取階級なんだ、だからプロテストは正しいのだ、と言う理屈で動いている中国。
だから、日本が中国に対して謝罪をし続けても、援助を行っても、プロレタリアートから見れば、正当な階級闘争なので、当たり前だと受け止められてしまうのでしょうね。
これが続く限りは、正常な日中関係は築けないと思うのは、私だけじゃないと思うけど。

さてさて、江沢民はどうやら政界からは退場したようですが、影響力のほどは知りません。
またこの先、どこまで中国自身が変われるかが、日本にとっても一番重要な問題でしょうね。


 

ちなみに、葉千栄氏について、彼は彼なりによくやった、と言う話は了解です。
確かに、中国人が中国政府を公然と批判することの覚悟は、相当なものでしょうね。
これからは、その辺りも考慮しながら見たいと思います。
もっとも、中国政府を批判できない評論家を、コメンテーターとして呼ぶ価値、意味が、どこまであるのか、それもまた考えちゃう話ではありますね。

 

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