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9 11, 2004

とりあえずストは回避

もちろん、日本プロ野球の選手会によるストの話です。

プロ野球の再編問題をめぐる労働組合・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)と日本プロ野球組織(NPB)の労使協議は10日、継続協議や新規企業の参入促進などで暫定合意し、選手会は予告していたストライキのうち、11、12日については回避することを決めた。選手会は17日午後5時までに再回答を求めており、各方面への影響が懸念されるプロ野球史上初のスト決行の危機はひとまず先送りされた。(共同通信)


ただし、まだまだ先行きが不透明で、どうなるか余談を許さない状態ですね。


ネット上の掲示板などを眺めていれば、かなり選手会に批判的な声が多いようなので、少し驚いております。
私は、ストそのものを止めたのではなく、延期した選手会の判断を支持しているのですが。
もっとも、批判は一般のプロ野球再編成問題を扱った掲示板で多く、プロ野球ファンのカテゴリーの掲示板では、今回の選手会の判断は、概ね評価されているように感じます。


これは、私の勝手な推測ですが、前者の掲示板では、ストを何のために行うのであるのかと言う目的が、選手会の目的と離れてしまい、ただNPB側に対しての不満を持ち、プロ野球全体の改革がストの要求に変わってしまった、もしくは最初から選手会とは目的が異なっていた、と言う話ではないかと思います。

それに対し、後者の掲示板の人は、選手会の目的である複数の要求のうち、いくつか話し合う余地が見つかり、おまけに今までは門前払いだった経営者側との話し合いが過去にないほど進んだ事に対し、その可能性にかけて1週間の延期を決めた事には理解出来ると言う感じでしょうか。


私は、労働組合の交渉は、そもそも組合員(選手)の労働環境や条件の向上、改善の要求の為に存在すると思うので、ファンが何を期待して選手会のストを応援しているのか知りませんが、応援する側も、きちんと相手の意志や考えを理解し、尊重して応援しなければ単なる身勝手なファンで終わってしまいます。


今回のケースで、時間の引き延ばしにすぎない、茶番だなどと怒っている人もいますが、実際には「スト」はあくまでも交渉材料であり、今回は過去の話し合いから見て、初めて経営者側からの譲歩を引き出せた経緯を考慮し、話し合いの継続を行った判断は、選択肢としてはそれほど悪い物とは思えない。
ストは組合側の最終兵器であり、問題は交渉によってこそ解決されるもの。
今回の事で、ストが1週間ほど延長されただけで、交渉を蹴って、最終兵器を使った場合、何が残るのでしょうか。

確かに、スト実行という選択肢はあったけど、切り札を使わずに、次の話し合いを進めると言う選択肢は、どれほど悪い選択であったのか、私には理解できない。


 

さらに、今回古田氏が「ファンのためにも」という言葉を発していますが、これにイチャモンつける人も多いですね、ファンの為でなく、自分たちの為だろ、ファンの為と軽々しく使うな、反吐が出るなどなど・・・不思議な話です。

よく考えて下さい、これもある意味当然の話で、ファンがいなければプロ野球の興業もやっていけませんし、ファンがあってこそのプロ野球なのです。
こんな話は当たり前なのです。 ファンを大事にするのは、それは組合の利益に直結するので、「ファンの為にも」という言葉には、本当にファンの為に思っている部分もあれば、ファンによって成り立っている選手会の為にもなる話で、全然当たり前なのです。

異常なのは、「たかが選手」と言う感覚のオーナーや、ファンを無視して経営の問題だから口出すな、ファンの思いは知るか、何が何でも巨人戦がある1リーグを前提に、密室で話を進めるのだと言う、野球を知らない球団方でしょうね。


 

それからもう一つ、年俸を真っ先に問題にするファンに苦言を呈したい。
今回の騒動で、選手会の高給取りを指摘して、経営の圧迫は選手の高年俸によるもので、まずは彼らが年俸を下げるべきだとか、中村選手が5億円のもらっているのが原因みたいな感じで、選手の年俸を非難するヤツがいかに多いことか。

これははっきり言って、筋違いだろう。
そもそも、パリーグの赤字は、ダイエーを除いて、選手全員の年俸をゼロ(ただ働き)にしても、赤字のままなのである。
中村選手が「5億円分の活躍をしていない」という話と、「5億円が赤字を増やしている」とでは、中身が天と地ほど違うのであり、同じレベルで語っても、僻み、妬みとしか見られないでしょう。

それに、年俸はどのようなシステムで決まるのか。

球団が提示する → 選手が納得すれば契約。
球団が提示する → 選手が拒否する → 球団が再提示 → 選手が妥協する

大体はコレで決まる。

つまりは、赤字経営でありながら、財務諸表を公開もせず、赤字をさらに拡大させるような契約を、球団と選手がお互いで納得して結んでいるのである。

もちろん、選手の高年俸が赤字経営の元凶だとしても、経営者が今まではそれを改めずに契約してきた事が、最大の問題なのである。

選手もバカじゃない、財務諸表を公開しこれだけの赤字なので、ウチはこれだけしか契約できないときちんと説明すれば、契約交渉の中身が変わって来ただろう。
また、巨人や阪神など特定の球団のみ、高年俸で選手を雇えるが為に、全体の年俸バランスを崩したのであれば、それはコミッショナーを含む、NPB側で問題にして取り上げて考慮すべき問題であり、選手側にそのバランスに対して責任を求めるのもまた、筋違いだろう。


これも最初の労働争議と同じ事が言えるが、ファンはきちんと物事(問題点)を理解して、問題の本質を整理して、きちんと区別して考えて行かなければ、本当にただ「ファンはきまぐれ」だけで終わってしまい、むなしさしか残らない。


 

さて、来週こそが、今週よりも大変な決断を迫られるだろう。
今回は、選手会も妥協をして延期はしたが、世間にはこれは経営側の単なる時間稼ぎ、交渉の引き延ばし、甘い言葉で選手会の妥協を引き出しているだけなど、厳しい意見もあるし、それはもちろん古田氏をはじめとした選手会側にも伝わっているだろう。

また、当の古田氏には特にその思いが強いと思う。
それが、記者会見後の握手拒否に現れたのだろう、今度のスト回避の条件は、今回ほど甘くいないだろう。


それにしても、古田氏には、本当に感動させられる。
夜は選手として活動し、午前、午後は選手会会長として日本各地を移動して、会議に参加して交渉を行う。 戦う姿勢が、グランド内、グランド外でもよく出ているが、素直にその姿勢には頭が下がる、どれだけの賛辞を送っても足らない。
来週は、もっと実りある交渉を期待したい、ガンバレ。

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