« さらなる2大政党化へ | トップページ | プロ野球 アテネ五輪日本代表 »

7月 15, 2004

集団的自衛権

【集団的自衛権 しゅうだん-てきじえいけん】
『ある国が武力攻撃を受けた場合に、これと密接な関係にある他の国が自国の安全を脅かすものとして共同して防衛にあたる権利。この権利を行使する国に対して、直接かつ現実の武力攻撃があることを必要としない。国連憲章では加盟国に認めている。』(大辞林)

誤解を恐れずに、一言でまとめるとすれば、「他国と共同して、軍事行動を起こすこと」かな。
日本で言えば、自衛隊と、他国(米軍など)と、何かしらの軍事行動を、協力して行うことを指します。


日本には、集団的自衛権は憲法上、認められないとしていますので、今回の自衛隊のイラク派遣でも、与党側は「非戦闘地域」に限り、侵略ではなく、人道支援で派遣する、と言ったややこしい、戦場に行くのに、わざわざ理由をつけてまで派遣するハメになりました。
また、国連で多国籍軍として動く場合も、他国の軍隊と共同して動くのは、集団的自衛権に違反しますので、首相は何だかんだと理由をつけて、引き続き派遣しておりますが、野党から突き上げられています。


確かに、「他国と共同して軍事行動を起こすことが出来る」、これだけだと、集団的自衛権を認めれば、米軍と一緒にイラクにも攻め込めちゃうので、認めてはいけない、と思えるかも知れませんね。
でも物事には、表があれば、必ずやウラがあり、憲法改正問題で常に出てくると言う事は、それだけの理由があるのです。実際問題として、戦争を出来るように、憲法を変えてしまう恐れがあるにも関わらず、憲法改正問題でこの問題がなぜ出てくるのか、集団的自衛権が認められなければ、何がマズイのか。


答えは簡単です、これがあれば何も出来ないから。(笑)


例えば、一番身近な例で言えば、現在自衛隊はイラクのサマーワに派遣されておりますが、原則的にサマワの治安はオランダ軍が行い、自衛隊は復興支援だけを行っています。 憲法上、治安維持活動には自衛隊は参加出来ないからね。
要するに、自衛隊は念のために重火器など装備していますけど、基本的にはオランダ軍に守ってもらっているのです。
一国の軍隊が、憲法に縛られて、その能力がありながら、他国の軍隊に守ってもらう、これもおかしな話なのですが、それ以上におかしいのが、自衛隊はオランダ軍に助けられても良いが、自衛隊はオランダ軍を助けてはいけない、ことです。

自衛隊が襲われ、オランダ軍に助けを求めるのは、問題ありません、憲法にも違反しません。
しかし、目の前でオランダ軍が襲われ、自衛隊に「ヘルプ!」と助けを求めても、オランダ軍を攻撃している部隊に、自衛隊が攻撃を仕掛ければ、これはオランダ軍と共同して軍事作戦を行ったことになり、集団的自衛権の行使になり憲法違反になるのです。
ですから、オランダ兵が血を流して助けてくれと言っても、自分達が持つ武器で助ける事ができても、助けてはいけない、この世間が許してくれそうも無い理屈を、この集団的自衛権は持っているのです。


他にもありますよ、仮にですが、公海上で米軍の偵察機が、北朝鮮か中国のスクランブル機に撃墜され、乗員が溺れて助けを求めていたとして、海上自衛隊の護衛艦が目の前にいたとしても、助けてはなりません。
偵察行為=軍事行為で撃墜されたのですから、これはれっきとした軍事行為ですから、助ける→米軍に加担する→共同軍事行動になる、と言う図式で、これもまた集団的自衛権に当てはまります。

これは、機雷や爾来の掃討作戦なども同じです。
住民から、テロリストの残した地雷で迷惑している、機雷で漁業が出来ない、除去してくれと頼まれたとします。
人道的には、自衛隊には除去する能力があるのですから、是非とも手伝って、取り除いてあげるべきです。
ところが、自衛隊だけがこの任務につくのは問題ありません、しかし、米軍でも他の軍でも、作業を手伝ってもらうわけにはいかないのです。手伝ってもらうのは、共同で軍事行動を起こす、つまりこれも集団的自衛権です。
反対に、米軍や英軍が除去作業しているときは、手伝ってはいけないのです。 続きは自衛隊がやりますので、代わりましょうなら大丈夫ですが、彼らがそれでは、我々は西を担当するので、東側をお願いします、といってもそれは手伝えないのです。

つまり、今後も国際貢献を視野に入れ、国連主導による多国籍軍への参加を行うにも、共同で何かを行おうとすれば、常にこの集団的自衛権に抵触してしまうので、何も出来ないのです。


(^_^;)>
えっと、断っておきますが、これって屁理屈でも冗談でもありませんよ。
これを読んでいて、「ウッソだー、右翼は戦争したがるから、すぐに屁理屈をつけたり、物事を誇大して伝えたり、事実を捻じ曲げたりするからなぁ、目の前で助けてと叫んでいる人を、助けてはいけない、なんて法律あるわけないじゃない。」なんて、笑って思っている人がいるかも知れませんが、ウソではありませんよ。
集団的自衛権を認めていないってことは、本当に人助けでもしてはいけない、ってのはマジメな話なんです。
だから、認めなきゃいけないんですよ。
世界広しとはいえ、助けてと叫ぶ人を目の前に、助ける能力がありながら、助けてはいけない、など言っているのは日本だけなんですよ。


だから、現在は何かをやるときには、いろいろ屁理屈に近い理由付けで、その場だけ特別に法案を作って参加をするから、余計にややこしいことになるし、制限が多くて、自衛隊の活動そのものが身動き取れない状態になっているのです。

集団的自衛権は、今後の国際社会の一員として参加する上で、どうしても改正が必要な部分なのです。
大辞林にも書いてありましたが、集団的自衛権は国連憲章で認められた権利でもあります。


これを踏まえて、集団的自衛権を認めるべきでない、などと戯言を言う、野党の各党首の「集団的自衛権」についての意見を聞いてみます。


民主党の岡田代表
『「現在の憲法解釈のもとでも、日本を守る米軍に対する攻撃の排除は「個別的自衛権で解決できる」と指摘。そのうえで「(集団的自衛権は)第三国で米国が戦争した時に一緒になってやる、あるいは米国が攻撃を受けた時に米国に行ってやることを含む概念だ。絶対に認めるべきではない。国連の行う集団安全保障に協力すべきだ」 』

そうやって、個別解釈で対応するのは、もはや限界に来ているし、時限立法、特別法案をいちいち作ってその場凌ぎが、本当に良いと思っているのでしょうか。 根本的な解決をはかる気が無いのでしょうか。


共産党の志位委員長
『「(行使を認めると)米国と一緒に集団的侵略をやる国になる」』
社民党の福島党首
『「日本が米国とともに世界で戦争できる国に作りかえるのか。憲法を変えると何の制約もなくなる」と批判した。 』

戦争の危惧は分かりましたが、反対すると言う事は、目の前で「助けてくれ」と叫ぶ同盟国の兵士を見殺しにするのが、共産党、社民党の言う正義なのでしょうか?

いつぞやも紹介しましたが、「憲法を守るためには、国民は犠牲になっても良い」と言う考えの人たちです。
平和を守るためには、人が死んでもかまわない、この考えには付いて来れない国民が増えたからこそ、この間の選挙の惨敗だと気づくべきでしょうね。


|

« さらなる2大政党化へ | トップページ | プロ野球 アテネ五輪日本代表 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 集団的自衛権:

« さらなる2大政党化へ | トップページ | プロ野球 アテネ五輪日本代表 »